各入力、そしてラインナップとの音質差を比較
マランツ「NA8005」を山之内正が全方位レビュー
NA8005のUSB-DACで再生したラトル指揮ベルリンフィルの演奏によるシューマンの交響曲第4番(FLAC 192kHz/24bit)は、透明感の高い音場の中からチェロやオーボエの旋律が鮮明に浮かび上がり、楽器間のフレーズの受け渡しや呼吸のやり取りなど、ステージ上の雰囲気が目に浮かぶようなリアリティが感じられた。
パット・メセニーの『KIN』(FLAC 96kHz/24bit)はアタックの瞬発力の高さが際立ち、シンバルの振動やスティックの動きをリアルかつ克明に描写、ギターのテンションの高いサウンドも聴き応えがある。
USB-DACによるDSD再生については、プレーヤーソフトは「Audirvana Plus」を使用した。生々しい臨場感や鮮烈な躍動感はネットワーク再生とほぼ互角の感触で、どちらも演奏の本質をダイレクトに引き出す印象が強い。ショスタコーヴィチの交響曲第15番は音数が増えたかのような緻密なディテール再現が素晴らしい。
NA8005のフロントパネルのUSB-A入力は、USBメモリーでハイレゾ音源を聴く用途にうってつけだ。何度も聴く音源はNASに入れておくとして、確認程度に聴きたい場合など、その手軽さが威力を発揮する。
メモリー再生時の音質は、パソコンとUSB-DACの組み合わせにかなり近いというのが筆者の印象だ。解像度やS/Nなどの基本性能をしっかり確保したうえで、粒立ちや鮮度の高さもパソコン再生時に肉薄。DSD音源再生時の余韻の広がりや遠近感など空間描写はネットワーク再生に軍配が上がるが、PCM再生時の、ハイレゾ音源ならではのきめの細かさやなめらかさは期待以上に水準が高い。情報量に余裕があるので、USBメモリーごとの音の違いを聴き比べたいときにも頼りになる存在だ。
■AirPlayやヘッドホンアンプの音質も確認した
iPodやiPhoneのユーザーは、NA8005のAirPlayを利用することで手軽にワイヤレス再生を楽しむことができる。DAC以降のオーディオ回路の基本性能が高いこともあり、本機で聴くAirPlayのサウンドはなめらかさと潤いをたたえており、ベースの音域が痩せる心配もない。このクオリティであれば、サブ的に楽しむ音源の一つにiOS機器を加えることに異論は出ないはずだ。
NA8005はヘッドホンアンプにも本格設計を導入し、専用アンプを用意しなくても日常的に十分楽しめる音質を確保したという。ゼンハイザーのHD650をつないで実際に聴いてみると、ライン出力と同様、各パートを明確に鳴らし分ける解像度の高さと自然なバランスが両立し、低音の開放的な質感にも感心させられた。立ち上がりの速さや音色のリアルな描き分けなど、ライン出力用のアナログ回路と同じくHDAM-SA2を投じた成果も聴き取ることができる。
パット・メセニーの『KIN』(FLAC 96kHz/24bit)はアタックの瞬発力の高さが際立ち、シンバルの振動やスティックの動きをリアルかつ克明に描写、ギターのテンションの高いサウンドも聴き応えがある。
USB-DACによるDSD再生については、プレーヤーソフトは「Audirvana Plus」を使用した。生々しい臨場感や鮮烈な躍動感はネットワーク再生とほぼ互角の感触で、どちらも演奏の本質をダイレクトに引き出す印象が強い。ショスタコーヴィチの交響曲第15番は音数が増えたかのような緻密なディテール再現が素晴らしい。
NA8005のフロントパネルのUSB-A入力は、USBメモリーでハイレゾ音源を聴く用途にうってつけだ。何度も聴く音源はNASに入れておくとして、確認程度に聴きたい場合など、その手軽さが威力を発揮する。
メモリー再生時の音質は、パソコンとUSB-DACの組み合わせにかなり近いというのが筆者の印象だ。解像度やS/Nなどの基本性能をしっかり確保したうえで、粒立ちや鮮度の高さもパソコン再生時に肉薄。DSD音源再生時の余韻の広がりや遠近感など空間描写はネットワーク再生に軍配が上がるが、PCM再生時の、ハイレゾ音源ならではのきめの細かさやなめらかさは期待以上に水準が高い。情報量に余裕があるので、USBメモリーごとの音の違いを聴き比べたいときにも頼りになる存在だ。
■AirPlayやヘッドホンアンプの音質も確認した
iPodやiPhoneのユーザーは、NA8005のAirPlayを利用することで手軽にワイヤレス再生を楽しむことができる。DAC以降のオーディオ回路の基本性能が高いこともあり、本機で聴くAirPlayのサウンドはなめらかさと潤いをたたえており、ベースの音域が痩せる心配もない。このクオリティであれば、サブ的に楽しむ音源の一つにiOS機器を加えることに異論は出ないはずだ。
NA8005はヘッドホンアンプにも本格設計を導入し、専用アンプを用意しなくても日常的に十分楽しめる音質を確保したという。ゼンハイザーのHD650をつないで実際に聴いてみると、ライン出力と同様、各パートを明確に鳴らし分ける解像度の高さと自然なバランスが両立し、低音の開放的な質感にも感心させられた。立ち上がりの速さや音色のリアルな描き分けなど、ライン出力用のアナログ回路と同じくHDAM-SA2を投じた成果も聴き取ることができる。