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IE800やHD800などの実力を改めて検証

ゼンハイザーの“超定番”ハイエンドモデルで名盤を聴く

公開日 2014/07/09 10:00 野村ケンジ
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何度聴いても驚かされる「HD800」

続いて、ヘッドホンのトップエンド「HD800」を試聴。こちらは、何度聴いても、とてつもない解像度感の高さとダイナミックレンジの幅広さに驚く。それでいて、情緒豊かなサウンド表現を持ち合わせているのだから恐れ入る。そういった実力の高さによるものか、音楽ジャンルに関しては一切の不得手がない。


ヘッドホンのトップエンドモデル「HD800」

「HD800」のサウンドをヘッドホンアンプ「HDVD800」と組み合わせて試聴し、確かめる野村氏
ベートーヴェンは楽器のひとつひとつの音色までしっかりと聴き分けられる解像感、フォーカス感の高さを持ち合わせながらも、全体的なバランスを損なわない、躍動的な演奏を楽しませてくれる。マイルス・デイビスになると、バランスの良さがさらに際立ってくれる印象だ。繊細な表現と芯のある力強さを併せ持つトランペットと、絶妙なタッチのピアノ、そしてフォーカス感の高いベースのリズムが、絶妙なアンサンブルを生み出している。音色のリアルさとも相まって、まるでライブ会場の最前列にいるかのよう。いや、場合によってはライブ会場よりもいい音が楽しめているのかもしれない。そんな気にさせられる極上のサウンドだ。

ビートルズ、ピンクフロイド、ChouChoともに抑揚感あふれる楽しげなサウンドが堪能でき、それはパフュームであっても変わりない。とにかく得手不得手のない、完璧といいたくなるくらいの上質なヘッドホンであることは確かだ。

フォーカス感が高い「HD700」はビートルズと相性◎

続いて「HD700」を試聴した。こちらは、音に勢いのあるエネルギッシュなサウンドキャラクター。とはいえ、高域が余分に鋭いというわけではなく、全帯域に渡ってフォーカス感の高いサウンドを持ち合わせているイメージだ。低域も、ゼンハイザー製品のなかではほんの少しだけ個性的で、ボリュームが強調されていない代わりに、とてつもなくフォーカス感が高い。おかげでロックなどとは相性がよく、グルーブ感の高いサウンドが楽しめる。


「HD700」

野村氏も「とてつもなくフォーカス感が高い」と目を細める
なかでもベストマッチングだったのがビートルズだ。ヴォーカルの声がイメージ通りの素直な表現を聴かせてくれると共に、アコースティックギターは胴鳴りまでもがしっかりと届く、リアリティの高い、表現のきめ細やかなサウンドを楽しませてくれるのだ。ここまで「ホワイトアルバム」の楽曲がリアルに感じられるヘッドホンは、そうそうない。ビートルズをはじめ、英国系ロックバンド好きには必須といいたくなるヘッドホンだ。

次ページモニターヘッドホンの定番「HD650」

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