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Technics Digital Linkなど先端技術の効果も検証

新生Technicsのフラグシップ「Referenceシリーズ」を山之内正が聴く

公開日 2014/11/28 12:00 山之内 正
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LAPC技術が低音の立ち上がり/立ち下がりの正確な再現に効果を発揮

ミューザ川崎シンフォニーホールで収録したパイプオルガンのハイレゾ音源は、演奏会場の空気の動きを体感できる優れた録音だ。R1シリーズで聴くと低音から高音までどの音域も音離れが速く、足鍵盤の旋律もすっきりと風通しがいい。楽器の音が消えた後も余韻がフワリと広がり、空気が移動する感覚をリアルに体感することができる。

パワーアンプ「SE-R1」は周波数位相特性を平坦化することでスピーカーの負荷処理を最適化する独自技術「LAPC」を搭載する

空気の移動感や開放感をどこまで再現できるか、そのカギを握るのは低音ユニットの振る舞いをアンプがどこまで制御できるかにかかっている。フィルターやリミッターのかかっていないオルガン伴奏の合唱曲をR1システムで聴くと、超低音が暴走したり過剰にふくらむことがなく、止まるべきときに正確に音が消えることに感心させられた。

ハイレゾ音源を中心に再生を行いながら、R1シリーズのサウンドを確認していった

さきほど紹介したLAPC技術のオン・オフを切り替えて聴いてみると、同技術が低音の立ち上がりと立ち下がりの忠実な再現に確実な成果を上げていることがわかる。周波数特性だけでなく時間軸ベースの歪みを解消すると、特にハイレゾ音源の音色の再現に大きな効果を発揮する。オルガンが相当な大音圧で鳴っているにも関わらず、合唱団員一人ひとりの発音が正確に聴き取れるのはその現れと言っていいだろう。

「LAPC」の技術イメージ(左)と、その効果を示す振幅および時間軸の特性のグラフ(右)

カティア・ブニアティシヴィリの『マザーランド』では音色の幅の広さと同時に動的な応答の良さを聴き取ることができた。ブニアティシヴィリのピアノは一音一音驚くほど豊かなニュアンスを聴き取ることができ、低音の澄み切った響きにも魅せられる。ダイナミクスの階調が細かいことに加え、レンジ自体が非常に広いため、静と動の対比も半端ではなく、演奏の説得力が増す印象だ。

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