Technics Digital Linkなど先端技術の効果も検証
新生Technicsのフラグシップ「Referenceシリーズ」を山之内正が聴く
■DSD再生ではアナログ録音の長所をダイレクトに伝えてくれる
DSD音源はSU-R1のUSB入力にパソコンをつないで再生した。SU-R1はネットワークプレーヤーに加えてUSB-DACとしても利用でき、DSD再生には両者で対応できる。
ジム・ホールの『アランフェス協奏曲』はギターから柔らかい音色を引き出しつつ、リズムを刻むベース、ドラムスのクリアな粒立ちを際立たせ、両者のコントラストが鮮やかだ。R1シリーズはハイエンドシステムならではのセパレーションや情報量の余裕にも見るべきところが多いが、それだけにとどまらず、深い部分にまで踏み込んでエモーショナルな表現を引き出せる点にも大きな魅力がある。このアルバムではポール・デスモンド、チェット・ベイカーの音色に強く引き込まれ、DSDリマスタリングの威力を思い知らされる。ハイレゾ音源のなかでもアナログ録音の長所をここまでダイレクトに伝える例はそう多くない。
ゲルギエフ指揮マリインスキー劇場管弦楽団の演奏によるショスタコーヴィチの交響曲第15番はステージの奥行き感をどこまで忠実に再現できるかが聴きどころだ。第1楽章の冒頭、パーカッション、木管、弦と楽器が増えるにつれて前後に厚みが増し、音場はどんどん立体的に広がっていく。そして、この楽章の中盤以降、各パート間のリズムの関係が複雑になってもそれぞれの音形が曖昧にならず、響きが飽和しないことにも感心させられた。音数が増えても全体像がすっきり見通せることはR1シリーズの重要な資質と言えそうだ。
ハイエンドオーディオの世界では、ハイレゾ音源を含むデジタルファイル再生のメリットをどこまで引き出すかという重要な課題に各社が取り組んでいる。復活を遂げたテクニクスが満を持して提示した答えは、フルデジタルのアドバンテージを最大限に引き出すことで、そのためのアプローチは注目に値するものだ。そして、R1シリーズの再生音がその手法の正しさを実証している。
>Technics 公式サイトはこちら http://jp.technics.com/
(山之内 正)
DSD音源はSU-R1のUSB入力にパソコンをつないで再生した。SU-R1はネットワークプレーヤーに加えてUSB-DACとしても利用でき、DSD再生には両者で対応できる。
ジム・ホールの『アランフェス協奏曲』はギターから柔らかい音色を引き出しつつ、リズムを刻むベース、ドラムスのクリアな粒立ちを際立たせ、両者のコントラストが鮮やかだ。R1シリーズはハイエンドシステムならではのセパレーションや情報量の余裕にも見るべきところが多いが、それだけにとどまらず、深い部分にまで踏み込んでエモーショナルな表現を引き出せる点にも大きな魅力がある。このアルバムではポール・デスモンド、チェット・ベイカーの音色に強く引き込まれ、DSDリマスタリングの威力を思い知らされる。ハイレゾ音源のなかでもアナログ録音の長所をここまでダイレクトに伝える例はそう多くない。
ゲルギエフ指揮マリインスキー劇場管弦楽団の演奏によるショスタコーヴィチの交響曲第15番はステージの奥行き感をどこまで忠実に再現できるかが聴きどころだ。第1楽章の冒頭、パーカッション、木管、弦と楽器が増えるにつれて前後に厚みが増し、音場はどんどん立体的に広がっていく。そして、この楽章の中盤以降、各パート間のリズムの関係が複雑になってもそれぞれの音形が曖昧にならず、響きが飽和しないことにも感心させられた。音数が増えても全体像がすっきり見通せることはR1シリーズの重要な資質と言えそうだ。
ハイエンドオーディオの世界では、ハイレゾ音源を含むデジタルファイル再生のメリットをどこまで引き出すかという重要な課題に各社が取り組んでいる。復活を遂げたテクニクスが満を持して提示した答えは、フルデジタルのアドバンテージを最大限に引き出すことで、そのためのアプローチは注目に値するものだ。そして、R1シリーズの再生音がその手法の正しさを実証している。
>Technics 公式サイトはこちら http://jp.technics.com/
(山之内 正)