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高橋敦が徹底試聴

フィリップスの新スタンダード・イヤホン「TX2」レビュー。上位ライン“Fidelio”の技術を継承

公開日 2014/12/03 11:30 高橋敦
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中低域の厚みが魅力。C/Pの高さは同価格帯で随一

TX2のサウンドを実際に聴いてみると、この価格帯においてトップクラスの好印象を持った。下手な重低音ではなく音楽的な厚みの中低音域の厚みが美味しい。全体的には少し柔らかめでウォームでありつつ曲によってはエッジ感も十分に出してくれる高域もよい。半開放型でないとはいえ、これまでのノウハウのおかげか詰まった感じにはさせていない空間性にも納得。

TX2をiPhoneなどと組み合わせて様々なジャンルの楽曲を試聴した

文句無しに高音質音源と言える上原ひろみさん『ALIVE』を聴いても、その印象を損ねることはない。さすがに細部まで余すところなくというわけにはいかないが、全体のバランスが秀逸なので印象がよい。ミドルレンジからローエンドの手前あたりの自然な厚み、そこに重心があり、音楽的な安定感が確保されている。ベースやバスドラムは底の方の低域は控えめだが、存在感、太さは適当だ。

シンバルの突き抜けるような伸びやスネアドラムのバズ感といった高域の描き込みは標準的と言える程度だが、その高域の落ち方は素直になだらか。それらの音色に癖が付くことはなく、こちらも適当で自然な感触だ。

喜多村英梨さん「掌 -show-」「凛麗」のメタルなサウンドにもそつなく対応。うっかりするとボワボワの重低音成分にしかならないベースとバスドラムを、不明瞭にせずに、良質な太さと弾力、十分な重みで描き出す。

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