【特別企画】人気ヘッドホン6モデルと組み合わせ試聴
ローランドの超小型USB-DAC/ヘッドホンアンプ「Mobile UA」のヘッドホン駆動力を探る!
ヘッドホンの魅力を引き出してくれるMobile UA。
圧倒的CPを誇る高音質USB-DAC/ヘッドホンアンプとしてオススメ
以上、6機種のヘッドホンでMobile UAの音を確認したが、共通していたのはS1LKiの目玉機能のひとつである「1bit」のON/OFFで、ずいぶんと印象が変わること。OFFでの音調はとにかく原音に忠実なモニター基調。音の立ち上がりも高く、情報量は相当なものだ。一方、「1bit」をONにすると、その長所に加え、音楽の活動感が上がり、音楽性が高くなるような音調に変化する。
試聴後、手元に記載したメモを読み返すと、今回組み合わせた各々のヘッドホンが持つ長所がぎっしりと書かれていた。これは、Mobile UAはヘッドホンの魅力を引き出してくれるようなUSB-DAC/ヘッドホンアンプであることを意味している。
音楽を楽しく聴かせてくれる「S1LKi」の存在、手軽にDSDのネイティブサウンドを体験できる、抜群のコストパフォーマンス。情報量の多いストレートな音調は、いま自分が聴いている音に自信を持てる数少ないUSB-DAC/ヘッドホンアンプだ。
なお、Mobile UAに搭載されたS1LKiは、2015年1月22日に発表された新製品「Super UA」(関連ニュース)を始めとして今後さまざまなモデルに展開される予定とのこと。こちらも期待が高まるところだ。
アーティストの心をそのまま共有したい。現場の感性をそのまま味わいたい。そうした要求はもちろんのこと、Mobile UAには変な色付けがないので、ヘッドホンの音調を確認するリファレンス的な要素を求めたいユーザーにもおすすめ。そしてなによりもこの価格! Mobile UAは、圧倒的なコストパフォーマンスを誇る高音質USB-DAC/ヘッドホンアンプとして強く薦められる1台だ。
【執筆者プロフィール】
土方 久明(ひじかたひさあき)
ネットワークやデジタルファイルに精通する新世代の評論家。アナログ・レコード再生にも強いこだわりを持つ。オーディオライターを志したきっかけは、ベテランのオーディオファンへネットワークオーディオの「いろは」を教えた際、非常に喜ばれたというエピソードから。「音楽を楽しむためのオーディオ」をモットーとしており、ジャズ、クラシックはもちろん、J-POPやアニソンに至るまで幅広い音源を用いて製品の魅力をレポートする。