<山本敦のAV進化論 第41回>
パナソニックのテレビに採用される「Firefox OS」。その特徴と可能性をMozillaに聞く
「Mozillaは単に “ブラウザをつくっている会社” ではなく、インターネットの進化を目指してソフトウェアを開発しています。昨今、PCだけでなくスマホを多くの方々が使うようになってきました。iOSやAndroidの場合、インターネットはブラウザアプリを起動して使うものという位置づけになっていますが、それだけではモバイルインターネットの世界をより進化させることができないとMozillaでは考えています。インターネットを、あるいはWebを次の進化へと導くため、OSレベルから取り組みを実証するためにつくられたプラットフォームがFirefox OSです」(浅井氏)
Firefox OSの特徴として「Webアプリの特長を活かしたオープンなプラットフォーム」ということが挙げられる。「最近のPCはアプリケーションをインストールしなくても、ブラウザの中でSNSや動画視聴、ドキュメント作成など多くのことをシームレスにできるようになってきました。ウェブ技術によってブラウザをより進化させれば、Windows/Mac、Android/iOSといったプラットフォームの垣根を越えたサービスを提供しやすくなると私たちは考えています」。
「FacebookやTwitterなどのサービスを例に挙げると、Webアプリとして作れば、開発側は個々のプラットフォーム専用にアプリを作りわける必要がなくなり、ユーザーも横断的に、変わらない使い勝手でサービスが利用できます。多くの方々がそれを期待しているため、昨今はHTML5というキーワードに注目が集まっています」。
「また“IoT(Internet of Things/モノのインターネット)”であったり、Mozillaが“WoT(Web of Things/Webのインターネット)”と呼んでいるように、Webの技術が様々なものへと広がる可能性についても各方面が期待を寄せています。Firefox OSはその実現に向けて進化を続けています」。
プラットフォームのオープン性という意味では、同じHTML5をベースにする「Tizen OS」や「WebOS」なども存在するが、Firefox OSの「オープン」との間には大きな違いがあると浅井氏は指摘する。
「オープンソース」と謳うOSは多いが、オープンソースという用語の定義上は、「ソースを公開して欲しい」と“要求してきたら”公開するだけでよいものであるという。そのため、ソースが開発されてきた履歴や、今後のアップデートの予定や内容を開発元が進んで知らせる必要はないし、そもそも要請されなければ公開しなくても良いというスタンスを取ることも可能だ。