ドレー、ジェイ・Z、ヤング･･･キーマンは大物ミュージシャン！？
ビートルズやアップルなど様々な噂…海外ハイレゾ＆ストリーミング最新事情を元洋楽ディレクターが分析
公開日 2015/03/31 11:58
本間孝男
■Ponoはビートルズ・カタログのハイレゾの権利を手に入れた？
CESの後、音楽業界はニール・ヤングとPonoの噂で持ちきりになった。「Ponoはビートルズのハイレゾ配信の権利を手にしたらしい」というニュースが音楽業界紙ビルボードなどで流れたためだ（『Billboard』 2015年1月15日）。憶測なのだが、なかなかリアリティがある。
Pono Player
BB誌が引用したのはWebマガジン『Showbiz411』のロジャー・フェルドマンのレポートだ。「ポール・マッカートニーは彼の以前のバンド（ビートルズ？ ウイングス？）の楽曲を、始まったばかりのPonoMusicにおいてFLACで出すために真剣になっている」。
記事はさらに続き、ニール・ヤングに近いDJ・プロデューサーのwill.i.am（本名William Adams、自身でウェアラブルデバイスのブランドを手がけており、オンキヨーとオーディオ開発で協業することも2月に発表された）が以下のようにチャットで述べたとレポート。この話が本当だとするならば、Ponoの技術者達はビートルズのハイレゾ配信用コーデックの準備に着手していることになる。
「チョコレートのトブラローネ（TOBLERONE）型のPonoPlayerでビートルズの”Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band”をハイレゾ（どうやら192kHz/24bitらしい）で聴くとぶっ飛ぶほどすごかった」
■ニール・ヤングとPonoPlayer
ロックミュージシャンのニール・ヤングは、業界でも屈指のオーディオ愛好家として知られている。ヤングはMP3の「クソみたいな音質」を嘆いて、アップルのスティーブ・ジョブズと「ハイレゾiPod」の計画を話し合っていたとも噂された。しかし、2011年10月ジョブズが他界して、計画は立ち消えになったのだろう。ニール・ヤングは高音質の音楽配信サービス「PonoMusic」をゼロから立ち上げた。
2012年10月に初めてPonoMusicのアイデアを一般に披露。当初ハイレゾ・プレーヤーの開発を英国のメリディアン（後述）と行うと発表されたが、後に米国のAyre Acousticsに変更となった。
2014年3月に話題のクラウドファンディング「Kickstarter」で資金調達を開始。ニール・ヤング当人の知名度を最大限に活用したキャンペーンを行い、目標だった80万ドル（約9,500万円）をはるかに超え、約1万8000人の出資者からKickstarter史上3位となる620万ドル (約7億円)の資金を集める。メディアや音楽業界にハイレゾを注目させるキッカケともなった。
さらに、PonoMusicは株式投資向けクラウドファンディング「Crowdfunder」を使い、524万ドル（約6億円）を調達した。Kickstarterでの募集はプレオーダー（予約）を兼ねていたため、1万8000人の出資者にまず「PonoPlayer」が行き渡るまで一般市販はおあずけ。ようやく今年２月から全米80箇所で「PonoPlayer」の販売が開始された。
設計はハイエンドオーディオで有名なAyre Acoustics。DACチップには500kHz/32bitまでのPCM再生やDSD 5.6MHzのネイティブ再生に対応するESS Technology社の「ES9018」が採用された。ストレージ容量は内蔵64GB＋microSD 64GB（付属）で、合計128GB。タッチセンサー対応の液晶スクリーンを搭載し、スイスチョコレートのトブラローネを思わせる三角錐の簡素な外観に比べるとなかなかの高スペックである。販売価格400ドルは良心的設定。これも人気の秘密だ。
Ponoはプレーヤーの配布だけでなく、音楽配信サイト「PonoMusic」も運営する。サイトからは最大192kHz/24bitまでのPCMファイルをFLAC形式でダウンロードできる。ユーザー登録したメンバーにはMac用またはPC用の音楽プレーヤー"Pono Music World"（JRiverによるOEMでJRMC 1.9相当）が無料配布されている。
Ponoに関する噂の真偽はいずれ明らかになるとして、ここで話題をハイレゾに戻そう。
CESの後、音楽業界はニール・ヤングとPonoの噂で持ちきりになった。「Ponoはビートルズのハイレゾ配信の権利を手にしたらしい」というニュースが音楽業界紙ビルボードなどで流れたためだ（『Billboard』 2015年1月15日）。憶測なのだが、なかなかリアリティがある。
Pono Player
BB誌が引用したのはWebマガジン『Showbiz411』のロジャー・フェルドマンのレポートだ。「ポール・マッカートニーは彼の以前のバンド（ビートルズ？ ウイングス？）の楽曲を、始まったばかりのPonoMusicにおいてFLACで出すために真剣になっている」。
記事はさらに続き、ニール・ヤングに近いDJ・プロデューサーのwill.i.am（本名William Adams、自身でウェアラブルデバイスのブランドを手がけており、オンキヨーとオーディオ開発で協業することも2月に発表された）が以下のようにチャットで述べたとレポート。この話が本当だとするならば、Ponoの技術者達はビートルズのハイレゾ配信用コーデックの準備に着手していることになる。
「チョコレートのトブラローネ（TOBLERONE）型のPonoPlayerでビートルズの”Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band”をハイレゾ（どうやら192kHz/24bitらしい）で聴くとぶっ飛ぶほどすごかった」
■ニール・ヤングとPonoPlayer
ロックミュージシャンのニール・ヤングは、業界でも屈指のオーディオ愛好家として知られている。ヤングはMP3の「クソみたいな音質」を嘆いて、アップルのスティーブ・ジョブズと「ハイレゾiPod」の計画を話し合っていたとも噂された。しかし、2011年10月ジョブズが他界して、計画は立ち消えになったのだろう。ニール・ヤングは高音質の音楽配信サービス「PonoMusic」をゼロから立ち上げた。
2012年10月に初めてPonoMusicのアイデアを一般に披露。当初ハイレゾ・プレーヤーの開発を英国のメリディアン（後述）と行うと発表されたが、後に米国のAyre Acousticsに変更となった。
2014年3月に話題のクラウドファンディング「Kickstarter」で資金調達を開始。ニール・ヤング当人の知名度を最大限に活用したキャンペーンを行い、目標だった80万ドル（約9,500万円）をはるかに超え、約1万8000人の出資者からKickstarter史上3位となる620万ドル (約7億円)の資金を集める。メディアや音楽業界にハイレゾを注目させるキッカケともなった。
さらに、PonoMusicは株式投資向けクラウドファンディング「Crowdfunder」を使い、524万ドル（約6億円）を調達した。Kickstarterでの募集はプレオーダー（予約）を兼ねていたため、1万8000人の出資者にまず「PonoPlayer」が行き渡るまで一般市販はおあずけ。ようやく今年２月から全米80箇所で「PonoPlayer」の販売が開始された。
設計はハイエンドオーディオで有名なAyre Acoustics。DACチップには500kHz/32bitまでのPCM再生やDSD 5.6MHzのネイティブ再生に対応するESS Technology社の「ES9018」が採用された。ストレージ容量は内蔵64GB＋microSD 64GB（付属）で、合計128GB。タッチセンサー対応の液晶スクリーンを搭載し、スイスチョコレートのトブラローネを思わせる三角錐の簡素な外観に比べるとなかなかの高スペックである。販売価格400ドルは良心的設定。これも人気の秘密だ。
Ponoはプレーヤーの配布だけでなく、音楽配信サイト「PonoMusic」も運営する。サイトからは最大192kHz/24bitまでのPCMファイルをFLAC形式でダウンロードできる。ユーザー登録したメンバーにはMac用またはPC用の音楽プレーヤー"Pono Music World"（JRiverによるOEMでJRMC 1.9相当）が無料配布されている。
Ponoに関する噂の真偽はいずれ明らかになるとして、ここで話題をハイレゾに戻そう。
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