従来のSDRの10倍以上の情報量
対応テレビもまもなく登場? 注目HDR技術「ドルビービジョン」の現在
薄型テレビ、そして次世代ブルーレイ、映像配信での採用と次世代の高画質トレンドとして到来間近の「HDR」技術。前編では「HDR」という考え方の始まりから、元々は「ドルビービジョン」として研究・開発が進められ、「SMPTE」(米国映画テレビ技術者協会)にて「ST2084」として標準化、そして次世代ブルーレイ「ULTRA HD BLU-RAY」の標準規格として組み込まれた「PQカーブ」の成り立ちまでを解説した。
現在、広く一般のHDR技術として採用されるのはこのPQカーブが元になっているが、一方でドルビービジョンはまた別の形で、オプション規格としてULTRA HD BLU-RAYに採用される見通しだ。
また、国内でも2015年10月にサービスを開始すると言われている「Netflix」や米映像配信サイトの「VUDU」、さらには「Amazonインスタントビデオ」がドルビービジョンへの支持を表明している。
このドルビービジョンはどのようにAVを変えていくのか。今回も、前編に引き続きドルビービジョンの映像制作過程から伝送方法、実装までの一連の流れを解説していこう。
■HDR技術を内包するドルビービジョンの高画質ワークフロー
HDRを映像制作に取り入れることで、自然界の実像からシネマカメラ、BD、劇場まで、これまで切り捨てられていた輝度情報を伝送できるということは前編で紹介した通りだが、ドルビービジョンが目指すのは、輝度情報の再現だけにとどまるものではない。
ドルビービジョンを全面的に採用した映像制作では、まず、コンテンツ制作のプリプロダクションの段階で1つのドルビービジョンマスターが制作される。
ドルビービジョンによるマスター映像は10,000Nits、19Fストップ。前回解説した通り、映像制作で用いられるシネマカメラは14Fストップ程度(実際の輝度の幅はグレーディングによって決まる)、現行の劇場で上映される映画は11Fストップで0.024Nits〜48Nitsなので、「ドルビービジョン」のマスターが持つ19Fストップで0.005Nits〜10,000Nitsという数値は、格段にダイナミックレンジが広いことがわかる。
輝度情報については前編で紹介したPQカーブ(12bit)を用いて圧縮される(なお、現在は制作現場で用いるドルビービジョン対応マスターモニター「パルサー」の性能により4,000Nitsが上限になるため、以降は4,000Nitsの値を用いて解説していく)。
さらにドルビービジョンでは、その先のディストリビューション(配給)における高画質化も。
現在、広く一般のHDR技術として採用されるのはこのPQカーブが元になっているが、一方でドルビービジョンはまた別の形で、オプション規格としてULTRA HD BLU-RAYに採用される見通しだ。
また、国内でも2015年10月にサービスを開始すると言われている「Netflix」や米映像配信サイトの「VUDU」、さらには「Amazonインスタントビデオ」がドルビービジョンへの支持を表明している。
このドルビービジョンはどのようにAVを変えていくのか。今回も、前編に引き続きドルビービジョンの映像制作過程から伝送方法、実装までの一連の流れを解説していこう。
■HDR技術を内包するドルビービジョンの高画質ワークフロー
HDRを映像制作に取り入れることで、自然界の実像からシネマカメラ、BD、劇場まで、これまで切り捨てられていた輝度情報を伝送できるということは前編で紹介した通りだが、ドルビービジョンが目指すのは、輝度情報の再現だけにとどまるものではない。
ドルビービジョンを全面的に採用した映像制作では、まず、コンテンツ制作のプリプロダクションの段階で1つのドルビービジョンマスターが制作される。
ドルビービジョンによるマスター映像は10,000Nits、19Fストップ。前回解説した通り、映像制作で用いられるシネマカメラは14Fストップ程度(実際の輝度の幅はグレーディングによって決まる)、現行の劇場で上映される映画は11Fストップで0.024Nits〜48Nitsなので、「ドルビービジョン」のマスターが持つ19Fストップで0.005Nits〜10,000Nitsという数値は、格段にダイナミックレンジが広いことがわかる。
輝度情報については前編で紹介したPQカーブ(12bit)を用いて圧縮される(なお、現在は制作現場で用いるドルビービジョン対応マスターモニター「パルサー」の性能により4,000Nitsが上限になるため、以降は4,000Nitsの値を用いて解説していく)。
さらにドルビービジョンでは、その先のディストリビューション(配給)における高画質化も。