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従来のSDRの10倍以上の情報量

対応テレビもまもなく登場? 注目HDR技術「ドルビービジョン」の現在

公開日 2015/04/03 10:14 折原 一也
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メタデータを送り制作者の意図通りの映像を再現する「ドルビービジョン・ディスプレイ・マネジメント」

読者の皆さんもご存知の通り、薄型テレビはメーカーそれぞれ独自の画作りをしている。その理由は、差別化という要素がもちろんあるし、より派手な映像を好む一般のユーザーに向けた施策という側面もある。

「ドルビービジョン・ディスプレイ・マネジメント」は、そんな画作りがバラバラである各社のテレビにおいて、制作者の意図通りの映像を再現するために用意されている。

家庭版ドルビービジョンのグレーディングのマスターは、4,000Nitsのピーク輝度を持っている。これに対してドルビービジョン対応TVは、当最初期に登場するものは1,000Nits、もしくはそれ以下のピーク輝度(ちなみに、現在の一般的な薄型TVは300Nits~400Nits程度)で、4,000Nitsの信号から1,000Nitsへのマッピングダウンが必要になる。「ドルビービジョン・ディスプレイ・マネジメント」では、このマッピングダウンを、制作者の意図通り処理するように機能する。

具体的には、ドルビービジョンではマスターの制作過程のグレーディングの段階で、シーン毎(理論上はフレーム毎も可能)にそのシーンの持つピーク輝度、最低輝度、平均輝度などのメタデータを提供。その情報を解釈した上で薄型テレビに最適なマッピングダウンを行う。

「例えば、映画のなかで砂漠のシーンなどでは4,000Nitsを使いますが、次のシーンが室内のシーンであれば、最大500Nitsくらいになると、TV側がきちんと処理しないと制作者の意図と違うものになってしまいます。ドルビービジョンでは制作段階、グレーディング段階で付けたシーン単位のメタデータで情報を送り、人間の眼の特性に合わせて調整できるようにします」。薄型TVによる映像表示との橋渡しをする役割を担うわけだ。

次ページ対応テレビには必ず「ドルビービジョンモード」を用意

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