ネットワークオーディオを構成する3つの要素とは?
音楽ファンのための “ネットオーディオ” 完全ガイド【第11回】「ネットワークオーディオで楽しむ(1) 基礎知識」
ネットワークオーディオにおけるコントロールの重要性
CDプレーヤーにおいて、音楽再生のコントロールはプレーヤーに紐づけられていました。CDをプレーヤーにセットしてしまえば、あとは再生・停止・曲送り・任意曲の頭出しをする程度が精々なので、いわゆる「リモコン」があれば事足りました。
しかし、「ライブラリの中から聴きたい曲を選び、なおかつアルバムの枠に捕らわれずに聴きたいように聴く」というネットオーディオならではの恩恵を得るためには、数百数千というアルバムから成るライブラリをまず「見る」ための高い表示性能を含め、従来とは決定的に異なるコントロール機能が求められます。
PCオーディオであれば、十分な大きさのディスプレイとマウスがそのまま使えるため、PCの置き場所さえ考えなければコントロールはさほど問題とはなりませんでした。
一方で、純粋なオーディオ機器であるネットワークオーディオプレーヤーは、PCのようにマウスを使って操作することができません。従来的なリモコンと貧弱な本体ディスプレイだけでは、数百数千のアルバムから成るライブラリを閲覧し、聴きたい曲を選び、聴きたいように聴くというのは現実的に著しく困難です。プレーヤー本体に巨大かつ高精細なディスプレイとグラフィカルなインターフェースを備える、あるいは映像出力を設けるというのも一つの手ですが、その場合、結局前回で触れた「置き場所」という問題が生じてしまいます。
これらのことから、ネットワークオーディオのシステムにおいてコントロールは必然的にプレーヤーから独立した要素となりました。ライブラリの閲覧を含むコントロール機能の物理的な独立を可能としたのが、iPhoneをはじめとするスマートホンやタブレット端末とコントロールアプリの組み合わせです。
「ライブラリの閲覧を含む音楽再生のコントロールがプレーヤーから独立している」ことこそ、従来のディスクベースのオーディオとネットワークオーディオが決定的に異なる部分です。そして、「コントロールこそネットワークオーディオの本質」であり、「ネットワークオーディオとは音楽再生におけるコントロールの方法論である」と言っても過言ではありません。
ネットワークオーディオのメリット
本連載の内容を実践していれば、既に完璧なライブラリが出来上がっていることでしょう。スマホやタブレットとコントロールアプリを組み合わせることで、指先一つで築き上げてきたライブラリのすべてにアクセスし、聴きたい曲を、聴きたいように聴けるようになります。さらに、コントロールがプレーヤーから物理的に独立しているため、もはや場所に制約されることもありません。
これこそ、ネットワークオーディオで得られる真のメリットである「居ながらにしてすべてを見、すべてを操ることで得られる、音楽再生における筆舌にしがたい快適さ」です。「快適な音楽再生」というネットオーディオの真価は、ネットワークオーディオという方法論によって実現されます。
ネットワークオーディオを「再生機器にネットワークオーディオプレーヤーを使うこと」ではなく「コントロールの方法論」と考えることで、前回で書いたようにPCオーディオも大いにその恩恵を享受できます。PCオーディオのシステムでも、スマホやタブレットとコントロールアプリを組み合わせて用いてコントロールを独立させることができます。そうすることでPCと再生ソフトの組み合わせはまさに「ストレージ内蔵ネットワークオーディオトランスポート」として機能し、この時のシステムは本質的にネットワークオーディオと呼んで差し支えないものとなります。
コントロールという領域において、PCオーディオとネットワークオーディオは重なり合います。使う音源は同じ、コントロールの方法論も同じとなれば、もはや両者を対立させる意味はありません。
CDプレーヤーにおいて、音楽再生のコントロールはプレーヤーに紐づけられていました。CDをプレーヤーにセットしてしまえば、あとは再生・停止・曲送り・任意曲の頭出しをする程度が精々なので、いわゆる「リモコン」があれば事足りました。
しかし、「ライブラリの中から聴きたい曲を選び、なおかつアルバムの枠に捕らわれずに聴きたいように聴く」というネットオーディオならではの恩恵を得るためには、数百数千というアルバムから成るライブラリをまず「見る」ための高い表示性能を含め、従来とは決定的に異なるコントロール機能が求められます。
PCオーディオであれば、十分な大きさのディスプレイとマウスがそのまま使えるため、PCの置き場所さえ考えなければコントロールはさほど問題とはなりませんでした。
一方で、純粋なオーディオ機器であるネットワークオーディオプレーヤーは、PCのようにマウスを使って操作することができません。従来的なリモコンと貧弱な本体ディスプレイだけでは、数百数千のアルバムから成るライブラリを閲覧し、聴きたい曲を選び、聴きたいように聴くというのは現実的に著しく困難です。プレーヤー本体に巨大かつ高精細なディスプレイとグラフィカルなインターフェースを備える、あるいは映像出力を設けるというのも一つの手ですが、その場合、結局前回で触れた「置き場所」という問題が生じてしまいます。
これらのことから、ネットワークオーディオのシステムにおいてコントロールは必然的にプレーヤーから独立した要素となりました。ライブラリの閲覧を含むコントロール機能の物理的な独立を可能としたのが、iPhoneをはじめとするスマートホンやタブレット端末とコントロールアプリの組み合わせです。
「ライブラリの閲覧を含む音楽再生のコントロールがプレーヤーから独立している」ことこそ、従来のディスクベースのオーディオとネットワークオーディオが決定的に異なる部分です。そして、「コントロールこそネットワークオーディオの本質」であり、「ネットワークオーディオとは音楽再生におけるコントロールの方法論である」と言っても過言ではありません。
ネットワークオーディオのメリット
本連載の内容を実践していれば、既に完璧なライブラリが出来上がっていることでしょう。スマホやタブレットとコントロールアプリを組み合わせることで、指先一つで築き上げてきたライブラリのすべてにアクセスし、聴きたい曲を、聴きたいように聴けるようになります。さらに、コントロールがプレーヤーから物理的に独立しているため、もはや場所に制約されることもありません。
これこそ、ネットワークオーディオで得られる真のメリットである「居ながらにしてすべてを見、すべてを操ることで得られる、音楽再生における筆舌にしがたい快適さ」です。「快適な音楽再生」というネットオーディオの真価は、ネットワークオーディオという方法論によって実現されます。
ネットワークオーディオを「再生機器にネットワークオーディオプレーヤーを使うこと」ではなく「コントロールの方法論」と考えることで、前回で書いたようにPCオーディオも大いにその恩恵を享受できます。PCオーディオのシステムでも、スマホやタブレットとコントロールアプリを組み合わせて用いてコントロールを独立させることができます。そうすることでPCと再生ソフトの組み合わせはまさに「ストレージ内蔵ネットワークオーディオトランスポート」として機能し、この時のシステムは本質的にネットワークオーディオと呼んで差し支えないものとなります。
コントロールという領域において、PCオーディオとネットワークオーディオは重なり合います。使う音源は同じ、コントロールの方法論も同じとなれば、もはや両者を対立させる意味はありません。