【特別企画】OPPO連続レビュー 第1回
“4極グランド分離出力”はなぜ高音質なのか? OPPOのポタアン「HA-2」とヘッドホン「PM-3」で検証
OPPOのヘッドホン関連製品の連続レビューの第1回目は、最新のポータブルヘッドホンアンプ「HA-2」とヘッドホン「PM-3」で実現する「4極グランド分離出力」についてレポート。ヘッドホン本来の潜在能力を引き出すことが可能な4極グランド分離出力とは何なのか、それによってPM-3&HA-2の組み合わせはどこまでの再生能力を発揮するのか、徹底検証していく。
■オーディオ・ビジュアルのイノベーター「OPPO」がポータブル分野に進出
昨年も国内市場に新規参入したヘッドホンメーカーは数多くあったが、中でも特に大きなインパクトをもたらしたのがOPPOだった。とはいえ、AVファンの間ではOPPOはすでにお馴染みのブランドだ。ESS製DACを初採用した「BDP-83 SE NuForce Edition」から、ネットワーク再生機能やヘッドホンアンプまで搭載した最新モデル「BDP-105DJP」に至るまで、他を圧倒する多機能とハイC/Pを誇るOPPOのユニバーサルプレーヤーは北米はもちろん日本国内でも高い評価を得てきた。
米シリコンバレーに拠点を置くOPPOは、新しいテクノロジーやサービスへの好奇心が非常に旺盛で、その姿勢はソフトウェアをアップデートによる新機能の追加や使い勝手の改善といった、ユーザビリティーに直結している。市場の声に真摯に向き合いながら、トレンドも素速く取り込んで進化を続けるOPPOの製品は、購入後もオーナーシップを刺激し満足させてきた。同社の取り組みの詳細は、先日来日したOPPOのプロダクト・マネージャーであるクリストファー・ヴィック氏も紹介している(関連ニュース)。
そのOPPOがヘッドホンとその周辺機器に参入したことは、同社にとっては必然だったと推察できる。かたやOPPOというブランドをよく知るファンにとっても期待感も大きかった。
第1弾として投入された平面磁界駆動型ヘッドホン「PM-1」(レビューはこちら)、USB-DAC内蔵ヘッドホンアンプ「HA-1」(レビューはこちら)は、先進性と独自性において、OPPOならではのアプローチを強烈に感じさせる製品だ。初のヘッドホン関連製品でありながらフルスペックを実現したこと、そしてハイエンドと呼ぶにふさわしいサウンドで、ファンの期待に応えた。同年秋にはヘッドホン第2弾「PM-2」も発売。上位機とドライバーを共有しながら、同じ平面磁界駆動方式の採用などエッセンスを凝縮させて価格を抑えたモデルだ。
そして今回、OPPOらしさをポータブルオーディオにおいて徹底的に追求した新製品が登場した。ヘッドホンの「PM-3」とヘッドホンアンプの「HA-2」である。
■平面駆動の高音質をポータブルヘッドホンで実現した「PM-3」
PM-1とPM-2は、主に室内で音楽を楽しむことを想定したオープン型のヘッドホンである。対して「PM-3」は密閉型ハウジングを採用して、同じく平面磁界駆動方式ながらポータブルオーディオにコンセプトの舵を切ったヘッドホンである。
平面磁界駆動方式は、平面形状の振動板に対して均等に駆動力を与えて振動板全面を均質に動かせることから、分割振動による周波数特性への悪影響を回避できる。その結果、全帯域にわたって聴感上のバランスがフラットになり、均質な位相特性が得られる。インピーダンス特性の揺らぎに起因する音の歪みを少なく抑えられることも特徴だ。
PM-3はさらに、スパイラル形状の両面駆動コイルを搭載したことで駆動力をアップし、レスポンスの向上も図った。ドライバーユニットも本機のために新たに設計。PM-1/PM-2では楕円形だった振動板を、PM-3は55mmの真円形として、さらに小さく軽くした。従来の平面駆動型ヘッドホンは十分な音量が得にくいためポータブル用途には不向きとされていたが、駆動力そのものを高めながら振動板に一貫して効率よく伝えるシステムができたことで、これまでの常識を覆すような能率の良さを実現している。インピーダンスも26Ωと低めに設計されているので、組み合わせるヘッドホンアンプも選ばない。
さらにポータブルヘッドホンらしく、本体をコンパクトかつ軽量なサイズに仕上げた。外観のデザインも大人のエレガンスを追求しているので、スーツスタイルにも似合うと思う。
これまでは技術的な難しさもあり採用されることが多くなかった平面駆動方式を敢えて選びつつ、誰でも気軽に使いやすいポータブルヘッドホンとして本機を完成させたOPPOの取り組みに、平面磁界駆動方式によってヘッドホンサウンドに革新をもたらそうとする意気込みが感じられる。
だがPM-3が画期的なところはこれにとどまらない。本機は同時発表されたポータブルヘッドホンアンプ HA-2との組み合わせで、「4極グランド分離出力」に対応するヘッドホンでもあるのだ。
■オーディオ・ビジュアルのイノベーター「OPPO」がポータブル分野に進出
昨年も国内市場に新規参入したヘッドホンメーカーは数多くあったが、中でも特に大きなインパクトをもたらしたのがOPPOだった。とはいえ、AVファンの間ではOPPOはすでにお馴染みのブランドだ。ESS製DACを初採用した「BDP-83 SE NuForce Edition」から、ネットワーク再生機能やヘッドホンアンプまで搭載した最新モデル「BDP-105DJP」に至るまで、他を圧倒する多機能とハイC/Pを誇るOPPOのユニバーサルプレーヤーは北米はもちろん日本国内でも高い評価を得てきた。
米シリコンバレーに拠点を置くOPPOは、新しいテクノロジーやサービスへの好奇心が非常に旺盛で、その姿勢はソフトウェアをアップデートによる新機能の追加や使い勝手の改善といった、ユーザビリティーに直結している。市場の声に真摯に向き合いながら、トレンドも素速く取り込んで進化を続けるOPPOの製品は、購入後もオーナーシップを刺激し満足させてきた。同社の取り組みの詳細は、先日来日したOPPOのプロダクト・マネージャーであるクリストファー・ヴィック氏も紹介している(関連ニュース)。
そのOPPOがヘッドホンとその周辺機器に参入したことは、同社にとっては必然だったと推察できる。かたやOPPOというブランドをよく知るファンにとっても期待感も大きかった。
第1弾として投入された平面磁界駆動型ヘッドホン「PM-1」(レビューはこちら)、USB-DAC内蔵ヘッドホンアンプ「HA-1」(レビューはこちら)は、先進性と独自性において、OPPOならではのアプローチを強烈に感じさせる製品だ。初のヘッドホン関連製品でありながらフルスペックを実現したこと、そしてハイエンドと呼ぶにふさわしいサウンドで、ファンの期待に応えた。同年秋にはヘッドホン第2弾「PM-2」も発売。上位機とドライバーを共有しながら、同じ平面磁界駆動方式の採用などエッセンスを凝縮させて価格を抑えたモデルだ。
そして今回、OPPOらしさをポータブルオーディオにおいて徹底的に追求した新製品が登場した。ヘッドホンの「PM-3」とヘッドホンアンプの「HA-2」である。
■平面駆動の高音質をポータブルヘッドホンで実現した「PM-3」
PM-1とPM-2は、主に室内で音楽を楽しむことを想定したオープン型のヘッドホンである。対して「PM-3」は密閉型ハウジングを採用して、同じく平面磁界駆動方式ながらポータブルオーディオにコンセプトの舵を切ったヘッドホンである。
平面磁界駆動方式は、平面形状の振動板に対して均等に駆動力を与えて振動板全面を均質に動かせることから、分割振動による周波数特性への悪影響を回避できる。その結果、全帯域にわたって聴感上のバランスがフラットになり、均質な位相特性が得られる。インピーダンス特性の揺らぎに起因する音の歪みを少なく抑えられることも特徴だ。
PM-3はさらに、スパイラル形状の両面駆動コイルを搭載したことで駆動力をアップし、レスポンスの向上も図った。ドライバーユニットも本機のために新たに設計。PM-1/PM-2では楕円形だった振動板を、PM-3は55mmの真円形として、さらに小さく軽くした。従来の平面駆動型ヘッドホンは十分な音量が得にくいためポータブル用途には不向きとされていたが、駆動力そのものを高めながら振動板に一貫して効率よく伝えるシステムができたことで、これまでの常識を覆すような能率の良さを実現している。インピーダンスも26Ωと低めに設計されているので、組み合わせるヘッドホンアンプも選ばない。
さらにポータブルヘッドホンらしく、本体をコンパクトかつ軽量なサイズに仕上げた。外観のデザインも大人のエレガンスを追求しているので、スーツスタイルにも似合うと思う。
これまでは技術的な難しさもあり採用されることが多くなかった平面駆動方式を敢えて選びつつ、誰でも気軽に使いやすいポータブルヘッドホンとして本機を完成させたOPPOの取り組みに、平面磁界駆動方式によってヘッドホンサウンドに革新をもたらそうとする意気込みが感じられる。
だがPM-3が画期的なところはこれにとどまらない。本機は同時発表されたポータブルヘッドホンアンプ HA-2との組み合わせで、「4極グランド分離出力」に対応するヘッドホンでもあるのだ。