様々な角度から徹底比較
【レビュー】3,500万曲が聴き放題「Google Play Music」を試す。Apple Musicとも比較
Google Play Musicの、定額制音楽配信サービスの特徴は、なんといっても楽曲数の多さだ。他社サービスが軒並み数百万曲レベルの中、Google Play Musicは3,500万曲と文字通り桁違いのラインナップを用意しているとアピールしている。
たとえばApple Musicは、北米では3,000万曲というのが公称数値となっているが、国内では「数百万」という表記にとどまっている。実際、洋楽などで少しマニアックなものを検索すると、ほとんどヒットしない。対するGoogle Play Musicはかなりマニアックなバンドを検索してもヒットするなど、妙な言い方だが「ホントに3,500万曲あるかも」と感じる。
様々なキーワードで調べてみると、Apple Musicに独占的に提供している一部大物アーティストを除くと、ほとんどの場合でGoogle Play Musicの方が楽曲が豊富に揃っている。これだけでも、Apple Musicを止めてGoogle Play Musicを選ぶ大きな理由になる。
もっとも楽曲数については、Google Play Musicが様々なレーベルと時限的な独占契約を交わしている可能性もあり、いずれ時間が経ったら他社が追いついてくることも考えられる。そうなると使い勝手の勝負になるが、これについてもGoogle Play Musicは悪くない、というより、Apple Musicに比べて良く出来ている部分も多い。
■ストアも用意しているがオマケ的存在?
なおGoogleでは、楽曲をアルバム単位や楽曲単位で販売するストアサービスも展開しているが、ストアのURLは https://play.google.com/store/music となっており、定額制+クラウドの https://play.google.com/music/listen とは異なる。
Google Playの中の位置づけでいうと、大本に「音楽」があり、その中が「マイミュージック」(Google Play Music)と「ストア」に分かれている。両者は互いに行き来しない構造となっており、たとえば定額制音楽配信を使っているときに、有料購入しないと聴けない楽曲が表示されるなどということはない。つまり、Google Play Musicを使っているときに、ストアのことを意識することはほとんどない。
ストアが用意されているのは、Google Play Musicのサービスを利用停止したあとも手元に楽曲を残したいというニーズを想定しているからだろう。実際にストアを閲覧してみると、Google Play Musicで聴いたアルバムが強くリコメンドされる仕組みになっている。
Googleとしては「定額制音楽配信で取りこぼした客に対しても、試用しているあいだに蓄積した嗜好をもとに精度の高いリコメンドを行うことで、楽曲販売のコンバージョンレートを高められる」と考えている可能性がある。合わせ技で利益率を高めようというのはよくわかるが、惜しむらくはストアで販売している楽曲がMP3のため、購入意欲を削がれることだ。
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