【レビュー】3,500万曲が聴き放題「Google Play Music」を試す。Apple Musicとも比較

■スノッブで気の利いたリコメンドが得意なApple Music

このおすすめ機能は、Appleでは「For You」という名称で提供されているが、いまのところ、完成度ではAppleが他から隔絶していると感じる。使っている人はすでにご存じだろうが、「ピンク・フロイドに影響をうけたサウンド」「U2：隠れた名曲」「アルバート・キング：スタックス時代」のように、あるアーティストとほかのアーティストとの関わり合いまでも加味した、ある程度詳しい音楽ファンも思わずニヤリとさせられるプレイリストが表示されるのだ。

また、Apple Musicでは最初に好きなジャンルやアーティストを選ぶ手順があり、ある程度の好みをつかんだ状態でサービスの利用を開始でき、リコメンド精度が高めるのも比較的早いと感じる。実はGoogle Play Musicにも、はじめに好みのジャンルやアーティストを選択する手順があるのだが、使っても使っても、いっこうにまともなリコメンドをしてくれない。

■精度も深さも段違いだが、Apple Musicはスノッブさが鼻につく

言うまでもなくリコメンド機能は、数百万曲～数千万曲ある膨大なライブラリの中から、自分好みのものを探し出すために、とても重要な機能だ。そして、この部分の精度や深さで、今のところGoogle Play MusicはApple Musicの遙か後塵を拝している。

では、サービス全体としてのエクスペリエンスとして、Google Play MusicはApple Musicに劣っているかというと、決してそうは感じない。

その理由はというと、「リコメンド」と「検索」のどちらに重きを置くかで、両サービスの評価がガラリと変わると思うからだ。

まず、「リコメンド」が得意なApple Musicについて。Apple Musicが薦めてくる「For You」プレイリストは、たしかに精度が高く、最初のうちは思いがけない発見がある。

だが、次第に慣れてくるとスノッブさが鼻につき始め、「ああ、また調子こいたプレイリストを薦めてきたな」と思ってしまい、次第に飽きてくる（あくまで個人の感想）。利用頻度があまり高くないせいかもしれないが、「またこれか…」と鼻白むことも多い。推薦されたものが好みでないとき、「興味がない」ことをフィードバックする機能もない。

また、Apple Musicの薦めてくるアーティストや楽曲をマイミュージックに登録しても、あとでそれを参照するのが面倒だ。だから、使っている時に「あ、この曲良いな」と思って記録していた作業が、あとから役立たないケースも多い。