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リスニングルーム改善プロジェクト<第2回>

ヤマハの調音パネル「ACP-2」の効果を“オーディオ大好き”本誌カメラマンの自宅で試した

公開日 2015/10/09 12:09 構成:季刊オーディオアクセサリー編集部
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【2】前方のスピーカー間に1枚設置
たった1枚で予想以上の効果。前方の襖が悪さをしていた

それでは、まず部屋の前方、スピーカー間でラックのちょうど後ろに1枚設置してみることにしよう。

まずは前方のスピーカー間に1枚設置してみる。前の壁のカーテンの奥は襖になっているため、前1枚は前回以上の効果を発揮した。

■渡辺香津美(SACD)
「断然広がりが出てきましたね。しかもさっきは聴こえなかった細かい音が出てきました。1枚で十分に効果があります。これはまずいなあ〜(笑)。アコースティック感も出てきて響きも心地よいです」

柳田さん「この調音パネルは音楽のおいしいところを取ることなく、吸音や拡散を行ってくれるのですが、その効果が1枚だけでもハッキリ出てきましたね」

■八神純子(LP)
「ヴォーカルがちゃんとセンターに出て、リアリティも上がりました。前1枚の設置は、前回の小澤さんのお宅よりもうちの方が効いていますね。どういうことでしょうか?」

柳田さん「恐らくカーテンに隠れている前面の襖が中低域を吸ってしまっていたのだと思います。前回の方は前方が普通の壁でしたよね? その分の差が効果に出てきているのだと思います」

君嶋さんのリスニングルームの見取り図。仕事場と兼用で約6畳のスペース。前方のスピーカー側の壁が襖になっているのがポイント。

「今までケーブルや電源などのアクセサリーにはわりとこだわってきた方ですが、やはり部屋ですね。ルームチューニングの効果こそが最も高くて、いちばん最初にやるべきことなのだと、自分の部屋で試してみて本当に実感できています」。

【3】さらに後方に1枚追加
奥行き感は出てくるが今回は前面の方が効果的

次に前方の1枚は設置したままの状態で、リスニングポイントの後方に1枚設置してみることにしよう。

次にリスニングポイントの真後ろ、柳田さんがパネルを支えながら効果を確認する。

■シャーデー(LP)
「確かに奥行き感が出てきました。でもこれは小澤さんのお宅ほどの効果はないなあ。確か小澤さんのお宅は襖が後ろにありましたよね?だから後ろの方が効いたのだと思います。やはり襖はポイントになりそうですね。今回は前に1枚の方が効きます」

柳田さん「君嶋さんのお部屋の後ろ側は、本棚や机等がいろいろ置かれていて、拡散効果があるはずです。それよりも前にある襖が悪さをしています。だから前の方が効果があるのでしょう」

【4】スピーカー前の床面に1枚
音量が上がった感じで高域の硬さが取れてくる

「これは現実的な置き方ではないのですが……」と言って、柳田さんがスピーカーの前の床の一次反射面にパネルを横にして敷いてみた。

スピーカー前の床面一次反射面に「ACP-2」を設置。音量が上がったような効果を発揮した。

■マーカス・ミラー(CD)
「うわっ、ハイハット・シンバルがさらに鮮明になりましたね。音量も全体的に大きくなっている感じがします。ボリュームは上げていないのにすごいなあ」

■インコグニート(CD)
「音のハリと低音はボリューム感が出てきました。ヴォーカルもハッキリ出てきて埋もれないですね。この置き方もいいなあ。でもレコードやCDをかけに行く時は邪魔になってしまいますね。ネットオーディオ等で全部リモコンやタブレットで操作される方にはいいかもしれませんね」

柳田さん「コーラスがすごくよく出てきましたね。それから確かにボリュームが上がった感じです。この置き方に関しては、ここはフローリングですが、厚いカーペットを敷いている部屋などでは、もっと効果が出るはずです」

■リュウ・ミホ(CD)
「高音の硬さが取れてきました。リュウさんのヴォーカルの魅力がちゃんと出てきました」

柳田さん「音が柔らかくなったのは、基音に倍音がちゃんと乗ってきたからです。低音の響きも全然違いますね。ずっと聴いていたくなるなあ」

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