集中連載「ハイレゾ聴き方ガイド<第3回>
ベテランオーディオファンもハイレゾを! 山之内 正のナビでハイレゾの魅力を体感
■CDリッピングはどの形式で行うべき?
操作性についても、タブレットで操作できることを説明すると興味津々の様子。「意外と操作がかんたんそう」「アルバムを探す手間が省けますね」と、ベテランオーディオファンにとっても、ディスク入れ替えの手間が軽減されるネットオーディオは魅力的に映ったようでした。
今回もe-onkyo musicにご協力頂き、ハイレゾ音源のダウンロードを実際にやってみるデモを行いました。「なるほど、こうやって楽曲を探すのか」と腑に落ちた表情の方もいる一方、「我が家の回線でもスムーズにダウンロードできるのでしょうか」とネットワーク環境について山之内氏に質問する方もいらっしゃいました。
これに対して山之内氏は「以前は海外の配信サイトが多く、途中でダウンロードが止まったりということも多かったのですが、最近は回線スピードも上がっていますし、国内配信サイトからダウンロードすれば、最近ではほとんどトラブルは無いと思います」と返答。質問された方も大きくうなずいていました。
さて、みなさまから頂いた質問の中で、かなり白熱したのがCDリッピングに関するノウハウでした。特に「WAV、FLAC、それからALAC、どれを使えば良いのでしょう」という質問が多く、大量のCDライブラリーをお持ちの方々からすると、大変気になるポイントのようでした。
山之内氏は「WAVは非圧縮でそこは良いのですが、アルバムアートやタグ情報を入れる方法が基本的にはありません。特殊な方法を使ってそれを実現しても、互換性が担保されないという問題があります。つまり、大量の楽曲を整理して保存するには不向きです」と述べ、個人的にはWAVをあまりおすすめしないとコメントしました。
その上で、「やはりFLACを使うのがファーストチョイスになるはずです。もっとも、最近では今回のTechnics製品のように、ALACを再生できる機器も増えているので、iTunesをお使いなのであればALACでもよいでしょう」とアドバイスしていました。
今回のイベントでは、参加されたみなさんの好奇心の強さ、知識欲、そして語り出したら止まらないパワフルさにスタッフがタジタジになる場面が多く、ベテランオーディオファンの方々の元気さに終始圧倒されっぱなしでした。
オーディオ歴数十年という大ベテランでも、新しい音を探求すべく、熱心に試聴をし、説明に耳を傾け、メモを取り、虚心に質問する。その真摯な姿勢に胸を打たれました。同時に、このように長く続けられる「オーディオ」という趣味の奥深さ、豊かさに改めて感じ入り、今回のようなセミナーが、こういった文化を守る一助になれたら、とも思いました。
さて、次回はいよいよ最終回。パナソニックとテクニクスのハイレゾワールドについてくわしく紹介します。こうご期待!