[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域
【第142回】迷えるあなたへ! オンキヨー「DP-X1」とパイオニア「XDP-100R」徹底比較
■DP-X1とXDP-100Rのソフトウェアインターフェース
続いてはソフトウェア的なインターフェースを比べてみよう。というかバランス駆動の件を除けばここが両モデルの決定的な違いだ。ベースとなるシステムはAndroid OSでオーディオ再生のコア技術(エンジン)がAndroid版「HF Player」アプリからのものであることは共通だが、シェルというか被せてあるインターフェースは大きく異なる。
参考までに、両モデルを並べての発売前試聴イベントにアドバイザーとして参加させていただいた際には、僕が担当したユーザーさんでは「パイオニアの方が好み、使いやすい」という方が多かったように感じた。
これは、パイオニアの方は左右へのフリックで画面を普通に行き戻りできる場面が多く、それがスマートフォンやタブレットの操作としてなじみ深いからではないかと思う。対してオンキヨーのインターフェースは画面移動時に横と縦のフリックが入り乱れていて、使い分けに迷いやすい気はした。
なお音楽再生ではないシステム全般のインターフェースはプレーンな状態のAndroidに近い…らしく、Androidスマートフォンユーザーなら違和感は少ない…らしい。「らしい」としか言えないのは僕がその「プレーンなAndroid」に触れる機会がほぼないから。なので僕の個人的な印象はどちらも「マニュアルなしで使えるほどには使いやすくない」なのだが、Androidに慣れている方であれば話は別かもと思う。
両モデル共通で現状において気になるのはフォルダブラウズ機能が用意されていないこと。アーティストやアルバムといったタグ情報での分類によるブラウズしかできない。アプリのHF Playerとも共通の仕様だ。iPodやiPhoneなら昔からそうなのでそれらとの比較なら違和感はないだろうが、他のポータブルプレーヤーとの比較では「それないとちょっと困る…」という方もいるだろう。そういったユーザーが少なくないことはメーカー側も認識しているようなので、アップデートでの対応に期待しておきたい。プレイリスト作成の面倒さは、現状では多くのプレーヤーに共通の課題なので、これらのモデル特有の弱点というほどではない。
もうひとつ気になるのはボリューム操作への反応の不安定さ。例えば「ダイヤル回す→反応遅れて音量上がらず→回し続ける→いきなり反応→音量が下からグイッとポンして大きな音がドーン!」のようなことがあるので、恐る恐るてさぐりで音量操作しないと不安だ。また100Rの方はイヤホン出力と内蔵スピーカーとの音量設定の受け渡しが不安定?と思えるような場面も。どの場面どの画面でもユーザーの操作にリニアに追従し、誤動作はしないように改善を期待したい。