[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域
【第148回】iPhoneでハイレゾ再生するための3つのポイント
■iPhoneだけではだめ!
ではまず、
●標準状態のiPhone単体、iPhoneのミュージックアプリではハイレゾ再生はできない。
について確認していこう。
まず、PCからiPhoneに音楽ファイルを転送するソフト「iTunes」は、ハイレゾ配信で一般的なFLAC形式のファイルに対応していない。FLACのハイレゾファイルをiTunesのライブラリに取り込み、iPhoneに転送することはできないのだ。
ではそのファイルをあらかじめ、PCの音声フォーマット変換アプリを利用し、FLACからALAC(Apple Lossless)に変換しておけばどうだろうか?
すると期待通り、iTunesのライブラリへの取り込み、iTunesでの再生までは可能になる。ところがiPhoneを接続して同期が始まると、iPhoneに同期できないファイルがあるという警告が表示される。iTunesからiPhoneに転送できるのは今のところ、48kHz/24bitのファイルまでなのだ。
48kHz/24bitも、日本オーディオ協会の規定などによると、ハイレゾの基準を満たすスペックである。だが、ハイレゾ配信の主流スペックは96kHz。それを「ファイル形式を変換しサンプリング周波数もダウンコンバートして…」と手間暇かけて、やっと転送&再生できたところで、それをもって「できる」とは言い難い。
なお、転送可能な48kHz/24bitのファイルは当然、iPhone標準のミュージックアプリで再生できる。しかしこの際にちゃんと24bit扱いで再生されているか、それとも16bitへのダウンコンバートで再生されているかは、特に表示がないので確認できない。