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【特別企画】待望のアップデート対応が実現

fidata「HFAS1」のネットワークトランスポート機能を検証 - 注目USB-DACと組み合わせテスト

公開日 2016/04/06 10:00 土方久明
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注目のUSB-DAC 4機種と組み合わせて音質をチェック

<試聴環境>

今回の視聴はSSDモデル「HFAS1-S10」を核として、スピーカーにB&W最新鋭の「804 D3」、プリ/パワーアンプにはアキュフェーズ「C-2420/P-7300」を使用する万全の体制で挑んだ。

試聴に用いたリファレンスシステム。スピーカーにはB&Wの新フラグシップ 800 D3シリーズより「804 D3」を用いた

用意したUSB-DACは4機種で、HFAS1が様々なシチュエーションで活用できるか試すため、それぞれバラエティに富んだ仕様の製品を選んだ。ポータブルヘッドホンアンプ/USB-DACであるiFI-Audio「micro iDSD」は、主にヘッドホンと組み合わせて試聴した。USB-DAC入力搭載SACDプレーヤーには、エソテリック「K-03X」を選んだ。単体USB-DACはラックスマン「DA-250」とCHORD「DAVE」を組み合わせた。

<HFAS1をトランスポートとして用いるための準備>

HFAS1のUSB-DAC機能を使うための準備を紹介しておこう。まずはHFAS1のファームウェアを最新の「Ver1.20」にバージョンアップしておく必要がある。ただし煩雑な設定は必要ない。HFAS1をインターネットに接続しておけば、新しいファームウェアが公開されている場合は、本機をシャットダウンまたは再起動したときに自動的にアップデートが行われる。なお、手動でのアップデートも可能だ。

「HFAS1」とUSB-DACと接続したところ。接続はいたってシンプル

USB-DACから再生が行われているときは、本体フロントのランプが緑色に点灯

HFAS1とUSB-DACは、USBケーブルで接続する。特別な設定などは必要ない(デフォルトでUSB-DAC接続設定はONになっている)。USB-DACを接続したときだけ、プレーヤーとして動作する仕組みのようだ。USB-DACから再生が行われている際には、HFAS1のフロントパネルのランプが緑色に点灯する。操作アプリについては、今回は操作性の高いLINN社のKinskyをiPadにインストールして使用した。たったこれだけで準備は完了だ。

■試聴モデル(1)iFI-Audio「micro iDSD」
11.2MHz DSD再生にも成功。スマホから操作可能なヘッドホンシステムを構築

まずはiFI-Audio「micro iDSD」と組み合わせた。micro iDSDは小型のポータブル対応機ながら11.2MHz DSDや768kHz PCMにも対応するハイスペックなUSB-DACだ。8v/4000mWのヘッドホンアンプを搭載し、ヘッドホンの駆動力も高い。そこに組み合わせるヘッドホンにはリファレンスに適した音色の SHURE「SRH1840」を使用した。

まずは、iFI-Audio「micro iDSD」(実売69,000円前後)を用いて、ヘッドホンシステムで試聴を行った

micro iDSDに付属のUSBケーブルを、HFAS1-S10背面のUSB-A端子に接続。Kinsky画面左側の音源表示部には、HFAS1に格納された音源ファイル、右側のプレーヤー表示部には「iFI-Audio」の文字が表示された。

本当にこんな簡単に音が出るのかな、と思いつつ、今井美樹『Premium Ivory -The Best Songs Of All Time』(flac 96kHz/24bit)」を選択すると、あっけなく再生が始まった。その音は一聴して解像感が高く、ボーカルは明瞭かつ生々しく聴こえる。バックミュージックもヘッドホン内の上下左右に広く展開する。予想以上に音がいい。

USB-DACから再生を行っている際の「Kinsky」の画面。再生プレーヤーを示す欄には「HFAS1-S10[ iFI(by AMR)]」の文字が表示

続いて11.2MHz DSDの再生も試した。ここで1つ注意点だが、HFAS1はDSDの転送方式にDoP(DSD Audio over PCM Frames)を採用している。そのため、11.2MHz DSDを再生するためには、DACがDSD 11.2MHzに対応しているだけでなく、PCMも768kHzに対応している必要がある。micro iDSD、そして後に試聴するCHORD「DAVE」はいずれもPCM 768kHzに対応しており、今回の試聴でも問題なくHFAS1から11.2MHz DSDを再生することができた。
なお、アイ・オー・データが動作確認をしているモデルについては、同社サイトで公表されている(リンク)。

micro iDSDで再生する丈青の11.2MHz DSD音源『I See You While Playing The Piano』はDSDらしい濃密な空気感を備えている。しかも、そこには11.2MHz DSDというスペックでしか味わえない、張り詰めた空気がある。

USB-DAC/ヘッドホンアンプであるmicro iDSDと、HFAS1をUSB接続すれば、スマートフォンから再生を操作できるデスクトップシステムも構築できる。オーディオ用NASというと、ヘッドホンとはあまり縁がないイメージかもしれないが、シンプルなデスクトップシステムを構築する上で、パソコンレスでネットワーク再生が可能なHFAS1はかなり相性が良いと感じた。

また、この1台目の組み合わせの時点で、HFAS1-S10の操作レスポンスがかなり良いということに気づいた。筆者は季刊『NetAudio』誌等で数々のネットワークプレーヤーを試してきたが、ここまでレスポンスが良いネットワークプレーヤーは数少ない。この快適さが得られるのは大きい。

次ページラックスマン「DA-250」とエソテリック「K-03X」を組み合わせて試聴

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