ツイン・ダイナミックドライバーのハイブリッド機
ライブを聴くような生々しい再現力。Unique MelodyのカスタムIEM「MAVIS」レビュー
Unique Melodyから登場したカスタムIEM版「MAVIS」。ハイブリッド機で、なおかつ低域をダイナミックドライバー2基で担当するという“ユニーク”な構成を備えたこのカスタムIEMの実力を、Unique Melodyユーザーの編集部・小澤がレポートする。
■低域用にダイナミックドライバー2基を搭載したハイブリッド型カスタムIEM
昨年私が導入したUnique Melody「MAVERICK」のカスタムモデルは、プライベートリスニングにおいても、試聴のためのリファレンスとしても活躍してくれている。こちらの記事で詳細な音質レビューを行ったが、優れた解像感に加えて、楽器の質感を再現できる表現力の高さや音場再現力も備えているMAVERICKカスタムは、高次元の“Hi-Fi的”再生を実現したハイブリッド機だと思っている。
そして、今回取り上げるMAVISのカスタムモデルは、MAVERICKカスタムとはまったく異なる個性を備えている。
昨年9月に発売されたユニバーサルイヤホン「MAVIS」「MACBETH」は、いずれも個性を見せつつしっかりと音をまとめたイヤホンだと感じた(両モデルの感想についてはこちらの記事で書いている)。特にMAVISについては、MAVERICKでは聴くことのできないサウンドを聴かせてくれたこともあり、強く印象に残っていた。このMAVISの特性をカスタムモデルでさらに引き出したらどんな音になるのか? と期待していたところ、今年6月にMAVISのカスタムモデル(以下、MAVISカスタムと記す)が登場した。
■MAVISの基本構成とファーストインプレッション
MAVISカスタムは、そのユニバーサルモデルと同様に、低域用としてダイナミックドライバーを2基、中域用と高域用にバランスド・アーマチュアドライバーを各1基ずつ搭載した4ドライバー構成を採っている。
ユニット構成および用いられたドライバーは同じだが、その他のUnique Melodyのカスタム機と同様に、カスタム専用の音質チューニングが施されている。Unique Melodyの輸入代理店であり音質チューニングにも関わっているミックスウェーブ社は、「中低域の量感や質感をカスタムならではのものに仕上げた」と説明している。
いわゆるチューニング以外にも、ユニバーサルのMAVISと大きく異なる点がある。ドライバーから出力された耳元まで伝える役目をする音導管に、合金素材によるチューブを採用した点だ。ユニバーサル機では音導管にビニールのチューブを用いていた。これを合金製チューブとすることで、「音をよりストレートに伝えることができる」としている。
手元に届いたMAVISカスタムを初めて聴いたとき、新鮮な驚きを感じた。同社の掲げる思想を考えれば当然のことなのだが、MAVERICKカスタムとは狙っている方向が明らかに違う。MAVISのユニバーサルモデルでもその狙いは感じたのだが、さらに一歩、踏み込んでいるのだ。
MAVISカスタムで一日中、私の音楽ライブラリをひっくり返して聴き漁ってみて、感じたことがある。それはMAVISは「優れたPAシステムを備えたライブハウスや中規模のホールで、ライブ演奏を聴いているようなサウンド」だということだ。
日本で発売されているUnique Melodyのイヤホンは、前述のように発売元であるミックスウェーブの宮永氏がサウンドチューニングを監修している。今回も、本格的なレビューを書く前に、宮永氏にその意図を聞いてみることにした。
■低域用にダイナミックドライバー2基を搭載したハイブリッド型カスタムIEM
昨年私が導入したUnique Melody「MAVERICK」のカスタムモデルは、プライベートリスニングにおいても、試聴のためのリファレンスとしても活躍してくれている。こちらの記事で詳細な音質レビューを行ったが、優れた解像感に加えて、楽器の質感を再現できる表現力の高さや音場再現力も備えているMAVERICKカスタムは、高次元の“Hi-Fi的”再生を実現したハイブリッド機だと思っている。
そして、今回取り上げるMAVISのカスタムモデルは、MAVERICKカスタムとはまったく異なる個性を備えている。
昨年9月に発売されたユニバーサルイヤホン「MAVIS」「MACBETH」は、いずれも個性を見せつつしっかりと音をまとめたイヤホンだと感じた(両モデルの感想についてはこちらの記事で書いている)。特にMAVISについては、MAVERICKでは聴くことのできないサウンドを聴かせてくれたこともあり、強く印象に残っていた。このMAVISの特性をカスタムモデルでさらに引き出したらどんな音になるのか? と期待していたところ、今年6月にMAVISのカスタムモデル(以下、MAVISカスタムと記す)が登場した。
■MAVISの基本構成とファーストインプレッション
MAVISカスタムは、そのユニバーサルモデルと同様に、低域用としてダイナミックドライバーを2基、中域用と高域用にバランスド・アーマチュアドライバーを各1基ずつ搭載した4ドライバー構成を採っている。
ユニット構成および用いられたドライバーは同じだが、その他のUnique Melodyのカスタム機と同様に、カスタム専用の音質チューニングが施されている。Unique Melodyの輸入代理店であり音質チューニングにも関わっているミックスウェーブ社は、「中低域の量感や質感をカスタムならではのものに仕上げた」と説明している。
いわゆるチューニング以外にも、ユニバーサルのMAVISと大きく異なる点がある。ドライバーから出力された耳元まで伝える役目をする音導管に、合金素材によるチューブを採用した点だ。ユニバーサル機では音導管にビニールのチューブを用いていた。これを合金製チューブとすることで、「音をよりストレートに伝えることができる」としている。
手元に届いたMAVISカスタムを初めて聴いたとき、新鮮な驚きを感じた。同社の掲げる思想を考えれば当然のことなのだが、MAVERICKカスタムとは狙っている方向が明らかに違う。MAVISのユニバーサルモデルでもその狙いは感じたのだが、さらに一歩、踏み込んでいるのだ。
MAVISカスタムで一日中、私の音楽ライブラリをひっくり返して聴き漁ってみて、感じたことがある。それはMAVISは「優れたPAシステムを備えたライブハウスや中規模のホールで、ライブ演奏を聴いているようなサウンド」だということだ。
日本で発売されているUnique Melodyのイヤホンは、前述のように発売元であるミックスウェーブの宮永氏がサウンドチューニングを監修している。今回も、本格的なレビューを書く前に、宮永氏にその意図を聞いてみることにした。