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挿すだけ&高音質!ラディウスの新Lightning直結イヤホン「HP-NHL21」をiPhone7純正品と比較
「HP-NHL21」の実力を純正Lightningイヤホンと比較!
HP-NHL21には弟機のHP-NHL11よりもさらに高品位なDACチップを組み込んだ。これによって、ますますパワフルなサウンドが再現できるのが上位機ならでは。今回はふたつのモデルに加えて、アップル純正のLightning版EarPodsも加えて三つ巴で音の違いを聴き比べてみた。
宇多田ヒカルのアルバム「Fantome」から『道』では、ボーカルの声に雑味がなく、細かいニュアンスが引き立つ。EarPodsよりも声の輪郭に精気が満ちる。パリッとした精悍な音像だ。全体のフォーカス感も一段と引き締まって清々しい。低域のリズムにも温かい血が通った。いっそうの熱気が伝わってくる。音の質感にふくよかさが加わって華やかになった。NHL21、NHL11ともに細かなニュアンスを引き出すのがとても上手なイヤホンだと言える。ボーカル系楽曲のリスニングはおしなべて、iPhone付属のイヤホンからこれにアップグレードして聴く価値がある。
ダフト・パンクの『Lose Yourself To Dance』では、筋肉質な低音の張りとスピード感に思わず息を呑んだ。EarPodsではこの曲のビートが少しだぶついて鈍った感じに聴こえることもあるが、HP-NHL21で聴くと、ビートは踊り出したくなるほど軽やかで抑揚に富んでくる。エレキギターのカッティングは粒ぞろいでフレッシュだ。ボーカルの存在感もしっかり立っている。低域は切れ味だけでなく、量感でもしっかりと攻めてくる。アップテンポなロックやダンス系の楽曲が気持ち良く聴けるイヤホンだ。
そして新モデルであるNHL21は、弟機のNHL11に比べると明らかに音圧がアップしている。一つ一つの音の芯から力感がみなぎってくる。そして彫りも深い。ボリュームを上げても歪まず、透明感に曇りがみられない。ステレオイメージもより洗練されている印象だ。
上原ひろみのアルバム「SPARK」から『Wonderland』は、特に解像感の高いHP-NHL21のサウンドと相性が良いと感じた楽曲だ。とにかく音数の多いピアノのメロディが、澄み切った満天の星空から降り注ぐ光のように、一粒ずつ一直線に耳の奥へ飛び込んでくる。ピアニストの指先のイメージを鮮明に思い描けた。ベースラインも透明で分離がいい。ドラムスのシンバル、クラッシュなど高音楽器の淡い余韻がきれいな階調を描きながら静寂に溶け込んでいく。
ミロシュ・カルダグリッチの「アランフェス協奏曲」から『Allegro Con Spirito』では壮大なオーケストラの中で、ギターが主旋律を伸びやかに歌い上げる。アコースティック楽器の音色がリアルに聴こえるイヤホンだ。管弦楽器の高音は強調感のないナチュラルな音色なので、耳馴染みが良く、演奏の世界へ前のめりに入り込めた。EarPodsに比べると、ギターの音は一段と肉付きが良く、余韻がリッチに広がる。深く沈み込む低音は限界を感じさせず、すごみを感じさせるほどだった。