海上忍のラズパイ・オーディオ通信(23)
ラズパイオーディオのケースはどうする? DACボード「Terra-Berry」専用ケースを検証
オーディオ出力は、背面にL/RのRCA端子とバランス出力端子を用意。バランス出力端子はミニDIN/6ピンで、別売の専用バランスケーブル(機器側は3ピン/オス)を利用することとなる。残念ながらヘッドホン端子は装備されていないが、コンポーネントオーディオに強みを持つブライトーン社の製品であるだけに、この方向での展開も大いにありと思わせてくれる。
■Terra-Berry専用ケース、肝心の音質は?
肝心の音だが、想像以上にS/Nが高く、Terra BerryおよびAK4490のポテンシャルを実感させるものだ。Terra Berryをむき出し/Raspberry Pi本体からの給電で聴いたときと比較すると、音の輪郭が明瞭になり音場の広がりもよりリアルになる。低域の描写能力も大きく改善される印象で、密度感とスピード感が違う。
Raspberry Pi本体の電源部分は手を入れにくいため、DACボード側で良質な電源を確保し、それをRaspberry Piに給電するという手法は大きな効果があると改めて実感した。
あえて注文をつけるとすれば、やはりヘッドホン対応だろう。ラズパイ・オーディオの愉しみかたは人それぞれ、プリアンプに出力してスピーカーで聴くことももちろん結構だが、I2Sの鮮烈な音をヘッドホンで愉しみたいというユーザの意向も汲んでほしいところ。
システムディスク(microSDカード)の交換に手間がかかる、底部のインシュレーター代わりのゴム足がややチープ、など気になるところもあるが、なにはさておきヘッドホンリスニングに対応してほしい。
このあたりをどう考えているのか、ブライトーンの社長と開発担当者を直撃することにした。次回、今後の開発計画を含めたラズパイ・オーディオへの取り組み方針について、あれやこれや訊ねてみたい。