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高性能スイッチングアンプ採用で実現したセパレートアンプの一体化

マランツ「PM-10」を聴く。800 D3も鳴らし切る、一体型の枠を超えた新旗艦アンプ

公開日 2017/02/23 10:23 角田郁雄
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クラシック愛好家なら、PM-10でエリック・サティ、ドビュッシー、プーランクなどのフランス作曲家のピアノ曲を聴いてみるとよい。ハンマーが強力に打鍵した音も濁すことなく、余韻が消え入るまで美しく再現してくれるだろう。テクニックを駆使したピアニシモの音階に、デリカシーと真珠のような柔らかな輝きが聴けるはずだ。

スイッチングアンプを用いてセパレートアンプの内容を一体化することに成功したPM-10は、“インテグレーテッド”の枠を超えた存在といえるだろう

オーディオファイルが注目する、ヘルゲ・リエン・トリオの『スパイラル・サークル』から、7トラック目の「Take Five」を再生すると、冒頭のドラムスとシンバルの響きが、俊敏なレスポンスでスタジオ空間に響き豊かに拡散し、ピアノでは響板からの響きが明瞭度高く再現される。感激するのは、4分過ぎからのベースを弓で弾くアルコ奏法だ。ベースの胴の響きをリアルに捉え、今にも胴が割れてしまうかのような、木質感たっぷりの鮮烈な弦の響きを体験する。



PM-10は、マランツのリファレンス・セパレートアンプ、プリアンプ「SC-7S2」とモノラル・パワーアンプ「MA-9S2」を昇華したインテグレーテッドアンプと言えるだろう。もはやインテグレーテッドアンプの枠を超えてしまったのではないかと思うほどだ。卓越した技術と長く愛用できるデザイン、そしてこの価格設定は、多くのオーディオファイル、音楽愛好家、さらにスタジオエンジニアまでも引きつけるもので、ベストセラーになることが約束されていると言える。

(角田郁雄)

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