PM6006はスピーカー駆動力を大幅アップ
マランツ、「PM6006」と「CD6006」発売。欧州で高評価の“6000番台”が刷新
マランツは、“6000シリーズ”のプリメインアンプ「PM6006」とCDプレーヤー「CD6006」を6月中旬より発売する。
・「PM6006」 プリメインアンプ ¥60,000(税抜)
・「CD6006」 CDプレーヤー ¥48,000(税抜)
それぞれ2013年登場の「PM6005」と「CD6005」(関連ニュース)の後継となるモデル。同社ラインナップでは、エントリーモデル「PM5005/CD5005」の上位機として位置付けられる。
PM6006は、192kHz/24bit対応の同軸/光デジタル入力を備えたプリメインアンプ。従来モデルから瞬時電流供給能力を41%アップさせ、駆動力をさらに向上させた。HDAMによるフルディスクリート回路を搭載。定格出力は40W+40W(8Ω)、55W+55W(4Ω)。MMフォノ入力も搭載する。
CD6006は、音楽CD・CD-R/CD-RW・データディスク(MP3/WAV/AAC)の再生に対応したCDプレーヤー。フロントのUSB-A端子から、WAV/WMA/MP3/WMAの音楽ファイルや、デジタル接続によるiPhone/iPodの再生に対応する。DACチップにシーラス・ロジック製「CS4398」を搭載。HDAM搭載のフルディスクリート・アナログ出力回路を備えている。なお、両モデル共に電源ケーブルは着脱可能となっている。
両モデル共に価格は従来モデルから据え置かれた。以下にその詳細を紹介していく。
■瞬時電流供給能力を42%アップさせた「PM6006」
プレス向けに開催された製品発表会では、2016年から新たにマランツのサウンドマネージャーを務める尾形好宣氏、マーケティングを担当する高山健一氏が製品の詳細についてプレゼンテーションを行った。また、前マランツ・サウンドマネージャーであり、今年からディーアンドエムのシニアサウンドマネージャーに就任した澤田龍一氏も登壇した。
高山氏は、6000シリーズが特に欧州において高い評価とセールスを誇るシリーズであることを紹介。最新モデルとなるCD6006/PM6006は、こうした従来機からの期待に応える「ベスト・イン・クラス」を目指して開発が進められたという。
プリメインアンプ「PM6006」は、プリアンプ部、パワーアンプ部それぞれに上級機と同じくフルディスクリート構成の電流帰還型増幅回路を採用。特に本機においては、スピーカー駆動力を左右する瞬時供給電力を向上するべく、オーディオ出力のドライバー素子の見直しを実施した。
具体的には、出力段の3段ダーリントン回路のドライバー素子を大型化。これにより、瞬時電流強級能力を従来の22Aから31Aへと42%アップ。スピーカー駆動能力をさらに強化し、ディテール再現や強弱表現についても磨きをかけたという。尾形氏は「低域の力感も改善しました」と、音質強化のポイントを挙げた。
尾形氏は、マランツがアンプ開発において瞬時電流供給能力を重視する理由も説明。「同グループ内でB&Wのスピーカーの輸入も行っていますが、初代800シリーズが登場した際、B&Wに“どのようなアンプでドライブするのが理想的なのか”問い合わせたのです。B&Wの回答は“アンプの瞬時電流供給を大きくしてください”というものでした。以来、マランツのアンプにおいては常に瞬時電流供給能力を意識しています」と述べた。
オペアンプICの使用を極力避け、一貫してフルディスクリート構成による回路設計を採用するマランツは、5000番台に次ぐエントリー価格帯の本機でもその思想を徹底。独自の高速アンプモジュール「HDAM」「HDAM-SA2」を採用した、フルディスクリート回路による電流帰還型増幅回路を採用する。またチャンネルセパレーションやS/Nの向上を目指し、プリ/パワーアンプ、グランドラインを含むオーディオ回路において、左右チャンネルの信号ラインの長さをそろえ、レイアウトも左右対称としている。
電源部には、変換効力が高く漏洩磁束の少ない大型トロイダルトランスを採用。シールドケースに封入することで、不要輻射による周辺回路への影響と振動の発生を抑えている。同社が「音質の要」とするパワーアンプ最終段の電源用ブロックコンデンサーには、カスタムメイドの専用品を用いた。
このブロックコンデンサーをはじめ、音質パーツの選定を重視していることも紹介。ほかにも電源供給の要所となるブリッジ回路には、ハイスピード・ショットキーバリアダイオードを採用し、余裕のある電流供給を可能とした。
PM6006は従来モデルに引き続き、192kHz/24bit対応の同軸/光デジタル入力を内蔵する。同軸デジタル入力は1系統、光デジタル入力は従来から1系統増やして各2系統を備える。DACチップは、CD6006と同じくシーラス・ロジック「CS4398」を搭載。DAC以降のアナログ回路にはHDAMおよびHDAM-SA2を採用し、CD6006のアナログ出力回路と同等の構成になっている。
アンプにデジタル回路を内蔵したことによる音質への影響を抑えるため、本機のデジタル入力回路は、周辺回路へのノイズ輻射を遮断する専用シールドケースに封入されている。
さらには、コンデンサーによるデジタル部のノイズ対策や、カップリングコンデンサーの再選定も実施。デジタル回路の電源ラインには導電性ポリマーコンデンサーを用い、高周波ノイズを低減している。さらにデジタル入力を用いない場合は、デジタル入力回路への電源供給を停止し、アナログ入力に影響を一切与えない設計とした。
入力については、MMカートリッジ対応のフォノイコライザーも搭載。そのほかアナログ入力(RCA)は4系統を備える。レコーダー出力、ヘッドホン出力も1系統を搭載。スピーカー出力は2系統を備え、2組のスピーカーを接続しての切替や、バイワイヤリング接続に対応。スピーカー端子、アナログ端子、同軸デジタル端子には金メッキ加工を施している。主な仕様は後述する。
・「PM6006」 プリメインアンプ ¥60,000(税抜)
・「CD6006」 CDプレーヤー ¥48,000(税抜)
それぞれ2013年登場の「PM6005」と「CD6005」(関連ニュース)の後継となるモデル。同社ラインナップでは、エントリーモデル「PM5005/CD5005」の上位機として位置付けられる。
PM6006は、192kHz/24bit対応の同軸/光デジタル入力を備えたプリメインアンプ。従来モデルから瞬時電流供給能力を41%アップさせ、駆動力をさらに向上させた。HDAMによるフルディスクリート回路を搭載。定格出力は40W+40W(8Ω)、55W+55W(4Ω)。MMフォノ入力も搭載する。
CD6006は、音楽CD・CD-R/CD-RW・データディスク(MP3/WAV/AAC)の再生に対応したCDプレーヤー。フロントのUSB-A端子から、WAV/WMA/MP3/WMAの音楽ファイルや、デジタル接続によるiPhone/iPodの再生に対応する。DACチップにシーラス・ロジック製「CS4398」を搭載。HDAM搭載のフルディスクリート・アナログ出力回路を備えている。なお、両モデル共に電源ケーブルは着脱可能となっている。
両モデル共に価格は従来モデルから据え置かれた。以下にその詳細を紹介していく。
■瞬時電流供給能力を42%アップさせた「PM6006」
プレス向けに開催された製品発表会では、2016年から新たにマランツのサウンドマネージャーを務める尾形好宣氏、マーケティングを担当する高山健一氏が製品の詳細についてプレゼンテーションを行った。また、前マランツ・サウンドマネージャーであり、今年からディーアンドエムのシニアサウンドマネージャーに就任した澤田龍一氏も登壇した。
高山氏は、6000シリーズが特に欧州において高い評価とセールスを誇るシリーズであることを紹介。最新モデルとなるCD6006/PM6006は、こうした従来機からの期待に応える「ベスト・イン・クラス」を目指して開発が進められたという。
プリメインアンプ「PM6006」は、プリアンプ部、パワーアンプ部それぞれに上級機と同じくフルディスクリート構成の電流帰還型増幅回路を採用。特に本機においては、スピーカー駆動力を左右する瞬時供給電力を向上するべく、オーディオ出力のドライバー素子の見直しを実施した。
具体的には、出力段の3段ダーリントン回路のドライバー素子を大型化。これにより、瞬時電流強級能力を従来の22Aから31Aへと42%アップ。スピーカー駆動能力をさらに強化し、ディテール再現や強弱表現についても磨きをかけたという。尾形氏は「低域の力感も改善しました」と、音質強化のポイントを挙げた。
尾形氏は、マランツがアンプ開発において瞬時電流供給能力を重視する理由も説明。「同グループ内でB&Wのスピーカーの輸入も行っていますが、初代800シリーズが登場した際、B&Wに“どのようなアンプでドライブするのが理想的なのか”問い合わせたのです。B&Wの回答は“アンプの瞬時電流供給を大きくしてください”というものでした。以来、マランツのアンプにおいては常に瞬時電流供給能力を意識しています」と述べた。
オペアンプICの使用を極力避け、一貫してフルディスクリート構成による回路設計を採用するマランツは、5000番台に次ぐエントリー価格帯の本機でもその思想を徹底。独自の高速アンプモジュール「HDAM」「HDAM-SA2」を採用した、フルディスクリート回路による電流帰還型増幅回路を採用する。またチャンネルセパレーションやS/Nの向上を目指し、プリ/パワーアンプ、グランドラインを含むオーディオ回路において、左右チャンネルの信号ラインの長さをそろえ、レイアウトも左右対称としている。
電源部には、変換効力が高く漏洩磁束の少ない大型トロイダルトランスを採用。シールドケースに封入することで、不要輻射による周辺回路への影響と振動の発生を抑えている。同社が「音質の要」とするパワーアンプ最終段の電源用ブロックコンデンサーには、カスタムメイドの専用品を用いた。
このブロックコンデンサーをはじめ、音質パーツの選定を重視していることも紹介。ほかにも電源供給の要所となるブリッジ回路には、ハイスピード・ショットキーバリアダイオードを採用し、余裕のある電流供給を可能とした。
PM6006は従来モデルに引き続き、192kHz/24bit対応の同軸/光デジタル入力を内蔵する。同軸デジタル入力は1系統、光デジタル入力は従来から1系統増やして各2系統を備える。DACチップは、CD6006と同じくシーラス・ロジック「CS4398」を搭載。DAC以降のアナログ回路にはHDAMおよびHDAM-SA2を採用し、CD6006のアナログ出力回路と同等の構成になっている。
アンプにデジタル回路を内蔵したことによる音質への影響を抑えるため、本機のデジタル入力回路は、周辺回路へのノイズ輻射を遮断する専用シールドケースに封入されている。
さらには、コンデンサーによるデジタル部のノイズ対策や、カップリングコンデンサーの再選定も実施。デジタル回路の電源ラインには導電性ポリマーコンデンサーを用い、高周波ノイズを低減している。さらにデジタル入力を用いない場合は、デジタル入力回路への電源供給を停止し、アナログ入力に影響を一切与えない設計とした。
入力については、MMカートリッジ対応のフォノイコライザーも搭載。そのほかアナログ入力(RCA)は4系統を備える。レコーダー出力、ヘッドホン出力も1系統を搭載。スピーカー出力は2系統を備え、2組のスピーカーを接続しての切替や、バイワイヤリング接続に対応。スピーカー端子、アナログ端子、同軸デジタル端子には金メッキ加工を施している。主な仕様は後述する。
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