PM6006はスピーカー駆動力を大幅アップ

マランツ、「PM6006」と「CD6006」発売。欧州で高評価の“6000番台”が刷新

公開日 2016/05/30 10:00 編集部:小澤貴信
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ブラッシュアップされたCDプレーヤー「CD6006」

CDプレーヤー「CD6006」については、前モデルと同様のアプローチによってさらなる見直しがおこなわれたとのこと。DACチップにマランツの上位デジタルプレーヤーでも採用実績のある「CS4398」を搭載。DSD信号のダイレクト変換や192kHz/24bitにも対応するDACを、CDプレーヤーである本機でPCMのデコードのみに用いている。

CD6006


D/A変換以降のアナログ段は、上位モデル「SA8005」と同様の回路構成によるフルディスクリート回路を採用。独自の高速アンプモジュール「HDAM」および「HDAMーSA2」にる電流帰還型フィルターアンプ/送り出しアンプを構成する。

左右チャンネル間のクロストークやレベル差は、サウンドステージの再現の不自然差の原因になる。これを回避するため、CD6006では左右チャンネルのアナログ出力回路をシンメトリー・レイアウトとした。両チャンネルの信号経路の等しい長さ、平行配置を徹底することで、チャンネルセパレーションを高めている。

マランツ伝統のハイスピード・アンプ回路「HDAM-SA2」を採用

CD6006の筐体内部

音質の要となるアナログ回路電源用のブロックコンデンサーには、ニチコンと共同開発したマランツ専用のカスタム・ブロックコンデンサーを採用。アナログ出力回路には、上級機と同様にオーディオグレードのフィルムコンデンサーを用いた。また、本機でも電源供給におけるブリッジ回路にハイスピード・ショットキーバリアダイオードを採用。トランスからダイオードまでハイスピードで安定した電源供給を実現したという。

インシュレーターも改良。リブを追加して重量をアップすることで、さらに共振を抑制した。加えて接地面の素材も厳選、AV8802において開発されたフェルト素材が用いられた。

インシュレーターも刷新

従来のインシュレーター(右)と新インシュレーター

尾形氏は「私はもともとディスクプレーヤーの設計に携わっていたのですが、90年代であればこのクラスに、カスタムブロックコンデンサーのような高級パーツは使うことができませんでした。低価格モデルではコスト的に手を入れにくい部品選定にまで、手が入れられたのは大きいです」と述べた。

細部パーツまで吟味されていることは、筐体をシャーシに固定するネジに銅メッキビスを復活させたことからも伺える。この銅メッキビスは音質面で優れているものの製造が難しく、一度はエントリー帯のモデルでの採用を止めていたとのこと。しかし安定した供給の目処が付いたため、CD6006およびPM6006では改めて採用されるに至った。

PM6006/CD6006では銅メッキビスを採用

こちらは従来モデルのPM6005/CD6005。銅メッキなしのビスを使っていることがわかる

昨今のヘッドホンブームに先駆けて、ディスクプレーヤーに本格的なヘッドホンアンプを搭載してきたマランツ。本機においても、ハイスルーレートオペアンプとHDAM-S2によるディスクリート高速電流バッファーアンプを組み合わせたヘッドホンアンプを搭載。新たに3段階のゲイン切替機能(HIGH/MID/LOW)も搭載し、ヘッドホンのインピーダンスや能率に合わせて最適なゲインを設定できる。尾形氏は「ゲイン切替を行うと、増幅量が変わるので音質も変化します。音量が確保できている場合でも、切り替えることで微妙な音のちがいを楽しむことができます」と紹介していた。

ゲイン切替可能な本格ヘッドホンアンプを内蔵

フロントにはUSB-A端子を搭載。USBメモリー再生およびiPhone/iPodデジタル再生に対応する。iPod/iPhoneの充電にも対応。USBメモリーについては、48kHz/16bitまでのWAV、320kbpsまでのAAC・MP3・WMAの再生に対応している。

従来モデルでは省略されていたクイックリプレイ機能も復活。オーディオCDの再生中にリモコンの「Q.REPLAY」ボタンを押すと、予め設定した時間(5〜60秒)だけ前に戻って再生ができる。前モデルで本機能が省略された際に、ユーザーから復活を望む声が多かったことから、今回改めて搭載されたとのこと。

アナログ出力端子に加えて、同軸/光デジタル出力端子も各1系統搭載。アナログ出力端子、および同軸デジタル出力端子には、金メッキ端子を採用している。

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