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【DAR】iFi-Audioの最新DAC「nano iONE」をいち早くレポート! Bluetoothで本当に「良い音」を手に入れる
■デジタル信号は全てビットパーフェクトのDACで処理
さらに良いことがある。nano iONEのRCAアナログ出力をプリメインアンプやアクティブスピーカーに接続しさえすれば、nano iONEに内蔵されているビットパーフェクトのバーブラウンDACチップセットがD/A変換の面倒を見てくれるのだ。DACには、こういうことを期待したいものだ。
同軸入力端子付きのDACをすでに所有している場合は、nano iONEは必要なデジタル情報だけをS/PDIF経由で送る(デジタル・パススルー機能)。これでnano iONEは、Bluetoothで稼働するDDC(デジタルからデジタルへのコンバーター)になるのだ。
サードパーティー製のDACが古いタイプで、デジタル入力に同軸端子しか装備していない場合は、nano iONEの上記の賢いデジタル・パススルー機能がアシンクロナスUSB入力にもそのまま受け継がれることを知っておこう。これでnano iONEは、USBとS/PDIF間のコンバーターになるのだ。
nano iONEの同軸端子はただの出力端子ではなく、2モードのデジタル入力端子としても機能する。バカ安のCDトランスポート(その多くはアナログ出力なしで発売されている)、あるいは(同梱されている丸型光TOSアダプターを使用して)ゲーム機やApple Airport Express(日本ではAirMac Express)のサウンドをアップグレードするのに、nano iONEを使うことができるということだ。これでnano iONEは、入力端子が絶縁されたS/PDIF DACになるのだ。
■エントリーレベルであってもノイズ対策に抜かりなし
nano iONEの電力は、スマートフォンタイプのUSB電源アダプターとUSBケーブルで供給されるが、電源アダプターもUSBケーブルも同梱されていない。うるさ方のオーディオファイルの中にはこれをバカにする人もいるかもしれないが、これはiFi-Audioのエントリーレベルの機器がマスマーケットを狙っているからだ。スマートフォンやタブレットは世の中に急増しているので、電源アダプターやUSBケーブルは常に手近なところにある。ノイズのより低い電源アダプターを必要としないのなら、わざわざiFi-Audioにコンタクトする必要はないだろう(私はコンタクトすることにしたが)。
家にころがっている電源アダプターなら何でもいいという人のために、iFi-AudioはActive Noise Cancellation(ANC:アクティブ・ノイズ・キャンセレーション)回路を装備し、ノイズの混入を最小限に抑えている。電気ノイズは「ジッター」と呼ばれるデジタル・オーディオのタイミングエラーの原因になることがよくある。ジッターは音質にとって有害なのだ。