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【DAR】iFi-Audioの最新DAC「nano iONE」をいち早くレポート! Bluetoothで本当に「良い音」を手に入れる

公開日 2017/03/13 20:49 John H. Darko (翻訳:生塩昭彦)
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■クリーンかつダイナミクスが俊敏なサウンドへ

nano iONEの賢いD/A変換を最初に試聴したのは、大がかりな装置(PS Audioのエレクトロニクス、正面にはKEF「LS50」ブックシェルフ型スピーカーという、総額US$30,000のシステムだ)を備えた我が試聴室「DARhaus」においてだった。サムスンのテレビのデジタル・オーディオを光TOSを使ってiFi-AudioのこのDACにつなぎ、RCA出力でSchiit Audioのプリアンプ「Jotunheim」につなぎ、これをボリュームポットのないGenelecのG Twoアクティブ・ミニ・モニターにつないでいる。


nano iONEの接続図。BluetoothからUSB、S/PDIF接続までをカバー。さまざまなデジタルオーディオシグナルをオーディオ機器へ高品位にリンクさせることを実現
手のひらに収まるほど小さなこのiFi-Audioのユニットは、ヴォーカルの発音と微細な雰囲気の表出に素晴らしい洞察を示し、実に見事な第一印象を与えてくれた。「MEASURE」フィルターよりも「LISTEN」フィルターの方が、私の耳には心地良く聴こえた。


フロントパネルは入力切り換えスイッチに加え、フィルター切り換えスイッチも装備
第4世代のApple TVのHDMI出力をサムスンのテレビにつないでデジタル・オーディオ・インタープリターの役をさせ、そこから光TOSを使ってnano iONEにつないでApple Musicの音楽を流すと、細部の音まで掘り出し、歯切れの良いリズムを生み出す、このイギリスのDACの実力がもっとはっきりと分かってくる。nano iONEを使うと、ケミカル・ブラザーズの『Surrender』では各レイヤーの分離がクリアーになり、クレイグ・フィンの『クリアー・ハート・フル・アイズ』は新鮮で活気に満ちた音になるのだ。

nano iONEのUSB入力は、5Vの電力を取り入れるためだけに装備されているのではない。DSD、DXD、PCMのデータをPCやMacから取り入れることができるのだ。これでnano iONEは、USB-DACになるのだ。

このnano iONEは、多くの人にとって最初のDACになるだろう。RCA出力をもう一度Schiit Jotunheimのプリアンプにつなぎ、今度はゼンハイザーのHD800 Sを鳴らすと、このiFi-Audioのユニットが、11インチMacbook Airの3.5mmオーディオ出力よりもずっとクリーンな音で、ダイナミックスが俊敏で、細部まで見通しが良いことを、改めて思い起こさせてくれる(MacBook Airの方は、これと比較すると、音が固く、生気がないように聞こえる)。

音質とダイナミックスの点で同じように弱い内蔵DAコンバーターを備えたSonos Connectも、上記と同様だ。光TOSで接続すると、nano iONEは、このSonosの健康状態を大いに回復させてくれる。

Google Chromecastではnano iONEを試していないが、ドングルが装備しているアナログ出力よりも高い音質が引き出せなかったとしたら、私は卒倒してしまうだろう。Chromecastの貧弱な音質のデジタル出力を考えても、私はそう確信している。

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