[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域
【第183回】JH Audioのイヤホン新シリーズ「Performance Series」登場!3機種一斉レビュー
■新シリーズ3機種の外観&技術ポイント
まずは外観と、そこからもわかる技術面でのポイントを確認していこう。
「ROXANNE」のみカラーバリエーションが用意されており、今回お借りしたBLACK PEARLは日本向け限定カラー。他にSILVER CARBONが用意されている。他のモデルはカラバリなし。
JHのイヤモニの特徴のひとつがこの4pin端子。独自の端子なので汎用性や互換性という面では不利だが、それでも僕はこの端子は十分にありと思う。そもそもケーブル故障への対応性を向上させるためのリケーブル端子。それの耐久性不足でそこから故障するようでは本末転倒だ。その点JHのロック式4pinは明らかに頑丈そうで安心感がある。
とはいえ、こういった独自端子が受け入れられるのは「JHの威光」あってこそという気もする。だが、やはりそれだけではなく、物理的な信頼性に加えて初代Roxnでの採用以降ブレることなくこの仕様を続けてきた継続性、それらも含めて信頼を得ているのだと思う。
今やおなじみとなった「Variable Bass Output Adjustable」もケーブルに組み込まれている。写真は下からRoxn、16V2、13V2の今回の試聴時のセッティング。モデル毎どころか同じモデルの左右も目盛り的にはズレてあるが、その意図については後述。
JHのイヤモニの中核的な技術の一つは「freqphase」テクノロジーだ。シンプルに表現すると、「低域や中域のドライバーからノズル出口までの音導管は短めに、対して高域の音導管は長めにし、電気的な領域での低域側の遅れを物理的な距離の短さで補正する」という技術。それに沿って高域の音導管を長くするために、JHのイヤモニはステム部分が長いのかもしれない。そのため先端は耳のかなり奥まで入るので、装着感の面でこれを苦手とするユーザーがいることも理解できる。
しかしPerformance Seriesに採用された新デザインの筐体は、単に体積的に小型化されただけではない。根本的に奥に入る点は変わらないにしても、より多くのユーザーの耳にフィットするような形状へのブラッシュアップもされているとのことだ。
僕の実感としても、このPerformance Series、そして同世代製品であるMichelleのフィット感は、これまでの同社ユニバーサルタイプ製品と比べて格段に向上している。これまでの同社製品の装着感が苦手だった方も今回は改めて試してみる価値はあるはずだ。また、フィットの向上によって遮音性もさらに向上。ユニバーサルタイプとして最上位クラスの遮音性と評価したい。