【特別企画】進化のポイントを探る
もはやポータブルの領域を超えた? CHORD「Hugo 2」のサウンドを初代と比較試聴
■コンパクトサイズはそのままに操作性や接続性が向上
本体のシャーシ素材には、初代に続いて航空グレードのアルミニウムが使われている。サイズを比べてみてもほとんど変化は感じられないが、初代Hugoはコーナーが緩やかに面取りされているのに対して、Hugo 2はより鋭くシャープな印象になっている。
様々な色に発光するガラス玉のような操作ボタンが増えたことも、印象を変えている。ランプが発光する色によって電源や音量のステータスがわかるほか、入力ソースのサンプリングレートやファイルの種類、デジタルフィルターやクロスフィードの選択状態もわかりやすくなった。ちなみに初代Hugoは、本体の側面に配置した小さなボタンで切り替える仕様だった。
クロスフィード機能については、DSP処理によってヘッドホン再生時の頭内定位を前方に移す効果が得られるというもので、非選択状態も含めて4段階で切り替わる。こちらは初代Hugoにも載っていた機能である。
■現行の最高フォーマットに対応。将来の機能拡張にも期待
デジタルオーディオ入力はmicro USBを1系統のほか、3.5mm同軸デジタルと光デジタルを備えた。aptX対応のBluetoothによるワイヤレス再生も楽しめる。USB入力は、PCMが768kHz/32bit、DSDは22.4MHzと現在最高峰のフォーマットをサポートする。Bluetooth再生もHugo TTで機能改善を図ったノウハウを踏襲、約10mの距離でも安定した通信ができるようにアンテナ精度を改善している。
ヘッドホン出力端子は初代Hugoと同じ6.3mmと3.5mmを1基ずつ。初代Hugoと同じくアナログRCAのライン出力端子も搭載しているので、据え置きタイプのHi-Fiコンポーネントにつないでスピーカーリスニングも楽しめる。
なおヘッドホンのバランス出力には対応していない。筆者は以前、フランクス氏にMojoがバランス出力に対応しない理由を訊ねたところ「そもそもシングルエンド接続でも非常にノイズフロアが低く、出力もハイパワーが得られるので不要。それよりも基板の大型化や搭載部品の点数増大を避けることで、本体を小さくすることを優先した」と説明していた。基本的な立ち位置が“ポータブルオーディオ”であるHugo 2にも同じ思想が貫かれたのだろう。
なお入出力インターフェースの反対側面には2つのUSB端子が搭載されている。初代のHugoもふたつのUSB端子を搭載していたが、Hugo 2では音楽データ入力用は片側だけで、もう片側は充電専用になる。Mojoも同様の役割を持つ2つのUSB端子を本体に搭載しているが、これを活用する提案として機能拡張モジュールの「Poly」が発表されている。Hugo 2についても同様の仕掛けが用意されているようなので楽しみだ。
■独自設計のデジタルフィルターは精度が約2倍に増強
CHORDのD/Aコンバーターにおいて重要な役割を担うのが、ワッツ氏が設計した「WTA(Watts Transient Aligned)フィルター」と呼ばれるデジタルフィルターだ。その精度は初代のHugoが26,368タップ(タップは演算処理性能の指標)であったのに対して、Hugo 2では約2倍となる49,152タップに増強された。タップ数が増えることでノイズフロアを下げて、クリアで正確な音楽再生が可能になる。入力された音声信号に対するインパルス応答特性の向上にもつながるのだとワッツ氏がその効果を以前インタビューした際に説いていた。
このWTAフィルターによる処理を正確に駆動させるため、Hugo 2のFPGAには208MHzで並列動作する45個のDSPコアプロセッサーが内包されている。さらに周波数16FSのWTAフィルター(1次)の後段に256FSのWTAフィルター(2次)を備えて、ノイズを極限まで抑えながら81ナノ秒というタイミング精度が非常に高いD/A変換処理を行う。
新搭載されたデジタルフィルター機能では、この2種類のWTAフィルターに加えて、88.2kHzを超える高域成分の特性を整える「HFフィルター」を追加。このHFフィルターのオン/オフを互い違いに組み合わせた4通りから好みの音が選べるようになっている。LEDの点灯色によって判別できるフィルターの種類は「白=1次WTA+2次WTA」「緑=1次WTA+2次WTA+HFフィルター」「オレンジ=1次WTA」「赤=1次WTA+HFフィルター」となっている。
本体のシャーシ素材には、初代に続いて航空グレードのアルミニウムが使われている。サイズを比べてみてもほとんど変化は感じられないが、初代Hugoはコーナーが緩やかに面取りされているのに対して、Hugo 2はより鋭くシャープな印象になっている。
様々な色に発光するガラス玉のような操作ボタンが増えたことも、印象を変えている。ランプが発光する色によって電源や音量のステータスがわかるほか、入力ソースのサンプリングレートやファイルの種類、デジタルフィルターやクロスフィードの選択状態もわかりやすくなった。ちなみに初代Hugoは、本体の側面に配置した小さなボタンで切り替える仕様だった。
クロスフィード機能については、DSP処理によってヘッドホン再生時の頭内定位を前方に移す効果が得られるというもので、非選択状態も含めて4段階で切り替わる。こちらは初代Hugoにも載っていた機能である。
■現行の最高フォーマットに対応。将来の機能拡張にも期待
デジタルオーディオ入力はmicro USBを1系統のほか、3.5mm同軸デジタルと光デジタルを備えた。aptX対応のBluetoothによるワイヤレス再生も楽しめる。USB入力は、PCMが768kHz/32bit、DSDは22.4MHzと現在最高峰のフォーマットをサポートする。Bluetooth再生もHugo TTで機能改善を図ったノウハウを踏襲、約10mの距離でも安定した通信ができるようにアンテナ精度を改善している。
ヘッドホン出力端子は初代Hugoと同じ6.3mmと3.5mmを1基ずつ。初代Hugoと同じくアナログRCAのライン出力端子も搭載しているので、据え置きタイプのHi-Fiコンポーネントにつないでスピーカーリスニングも楽しめる。
なおヘッドホンのバランス出力には対応していない。筆者は以前、フランクス氏にMojoがバランス出力に対応しない理由を訊ねたところ「そもそもシングルエンド接続でも非常にノイズフロアが低く、出力もハイパワーが得られるので不要。それよりも基板の大型化や搭載部品の点数増大を避けることで、本体を小さくすることを優先した」と説明していた。基本的な立ち位置が“ポータブルオーディオ”であるHugo 2にも同じ思想が貫かれたのだろう。
なお入出力インターフェースの反対側面には2つのUSB端子が搭載されている。初代のHugoもふたつのUSB端子を搭載していたが、Hugo 2では音楽データ入力用は片側だけで、もう片側は充電専用になる。Mojoも同様の役割を持つ2つのUSB端子を本体に搭載しているが、これを活用する提案として機能拡張モジュールの「Poly」が発表されている。Hugo 2についても同様の仕掛けが用意されているようなので楽しみだ。
■独自設計のデジタルフィルターは精度が約2倍に増強
CHORDのD/Aコンバーターにおいて重要な役割を担うのが、ワッツ氏が設計した「WTA(Watts Transient Aligned)フィルター」と呼ばれるデジタルフィルターだ。その精度は初代のHugoが26,368タップ(タップは演算処理性能の指標)であったのに対して、Hugo 2では約2倍となる49,152タップに増強された。タップ数が増えることでノイズフロアを下げて、クリアで正確な音楽再生が可能になる。入力された音声信号に対するインパルス応答特性の向上にもつながるのだとワッツ氏がその効果を以前インタビューした際に説いていた。
このWTAフィルターによる処理を正確に駆動させるため、Hugo 2のFPGAには208MHzで並列動作する45個のDSPコアプロセッサーが内包されている。さらに周波数16FSのWTAフィルター(1次)の後段に256FSのWTAフィルター(2次)を備えて、ノイズを極限まで抑えながら81ナノ秒というタイミング精度が非常に高いD/A変換処理を行う。
新搭載されたデジタルフィルター機能では、この2種類のWTAフィルターに加えて、88.2kHzを超える高域成分の特性を整える「HFフィルター」を追加。このHFフィルターのオン/オフを互い違いに組み合わせた4通りから好みの音が選べるようになっている。LEDの点灯色によって判別できるフィルターの種類は「白=1次WTA+2次WTA」「緑=1次WTA+2次WTA+HFフィルター」「オレンジ=1次WTA」「赤=1次WTA+HFフィルター」となっている。