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“特別な存在” サージェントの魅力も解説

『サージェント・ペパーズ』50周年記念盤は何がどう変わったのか? ハイレゾやBDなど全曲徹底解説

公開日 2017/05/26 00:00 大橋伸太郎
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「裸のサージェントペパー」が見えるディスク2、3

次に<スーパー・デラックス・ボックス・セット>のディスク2、3を紹介する。サージェントのセッションの初期テイクを録音時期順に収録したもので、これを一枚にダイジェストしたものが2CDバージョンの<CD2>だ。

特筆すべき第一は、収録テイク全てがステレオミックスであることだ。それも完成版テイクのようなギミックなステレオ効果を狙わずない「素の」バンド演奏、あるいはオーケストラ(カラオケ)演奏なので「裸のサージェントペパー」がくっきり見えてくる。

第二は、アルバム収録曲だけでなく、「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー」と「ペニー・レイン」のテイク違いを複数収録、曲の成長変化を追体験できる。冒頭に書いたが「サージェント…」のセッションは1966年11月、「ストロベリー…」から開始された。この二曲をアウトテイクと考えずアルバム収録曲同等の待遇を与えたわけだ。

<スーパー・デラックス・ボックス・セット>のディスク4には、『サージェント…』のオリジナルモノラルミックスからの2017年のダイレクト収録全13曲と、ボーナストラックには「ストロベリー…」/「ペニー・レイン」のオリジナルモノミックス、さらに「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」「ルーシー・イン・ザ・スカイ…」「シーズ・リーヴィング・ホーム」の未発表モノミックスが収められている。

筆者が興味深く聴いたのが、TR19の「ペニー・レイン」、米キャピトル・レコーズ・U.S.プロモ・シングル・モノミックスだ。アセテート盤から集音したと思しきノイズまみれの酷い音質でアレンジ、演奏共に流通している正規バージョンと変わらず「収録の価値アリ?」と訝しく思って聴いたら、ラストの(ピッコロ)トランペットソロにリフレインがあった! 最後まで聴くものですな。

第三章 <スーパー・デラックス・ボックス・セット>BD/DVDの内容

次に<スーパー・デラックス・ボックス・セット>に含まれるDVDとブルーレイディスクの内容を見てみよう。二種の映像ディスク(DVD/BD)は記録フォーマットが違うだけでコンテンツは同じだ。ただし後述するが、音声形式が異なる。18,000円のソフトを買うほどの人がBD再生機を持っていないとは考えにくく、DVDの再生機会はあまりないのではないか。友達や彼女に貸す時のための「レンタル専用ディスク」かも?

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