オープンBAドライバーを搭載
Unique Melody「MASON IIカスタム」を聴く ー 卓越した表現力を備えた12ドライバーモデル
MASON IIは従来機から引き続き、12基のBAドライバーを搭載する。ドライバー構成は低域×4基、中域×4基、高域×4基で、3ウェイ・クロスオーバーを搭載する。各帯域にはそれぞれ異なるドライバーが搭載されている。特に中域用と低域用のBAドライバーについては、Unique Melodyがメーカーに対して特別にオーダーしたカスタムメイド・BAドライバーとなっている。
なかでも注目したいのは、中域用の4基のBAドライバーで、ここには特注の「オープン型BAドライバー」が用いられている。通常のBAドライバーがその筐体に密閉されるかたちで配置されているのに対し、オープン型BAドライバーはその名の通り、BAドライバーの筐体背面にポートを設けたオープン構造となっている。
オープン型BAドライバーというと、同じくミックスウェーブが取り扱う64 Audioのイヤホンでも採用されている。BAドライバーをオープン型とすることで、より抜けのよい開放的な音が得られることは想像に難くない。さらには、よりダイレクトにBAドライバー自体の音を得られる、密閉されたBAドライバーにおいて問題となる共振の問題が排除できるといった長所も備えている。
さらにMASON IIのハウジングには2つのポートが設けられ、エアーフローが最適化されている(初代MASONにはポートにはなかった)。ちなみに直近のUnique Melodyのイヤホンでは、いずれも同様に2つのポートが設けられている。開発に携わったミックスウェーブの宮永氏は、「ポートを増やすことでより開放的で音場感に優れたサウンドを得ることができます。その一方で、ポートをいたずらに増やすことは、遮音や埃の混入などの問題の要因にもなります。様々な検証を重ねた結果最適な効果が得られたのが、現行モデルにおける2ポート仕様なのです」と説明していた。
また、Unique Melodyの最新イヤホンと同様に、本機も音導管を従来のビニールからプラチナ塗装の合金素材に変更。これに伴って設計自体も変更しているという。金属素材の音導管は、共振を排除して音をよりストレートに伝えることができ、管に歪みやねじれが出ないことから品質面でも有利という。
■SP1000と組み合わせて聴く。高密度かつ立ち上がりが早い
試聴は前述したとおり、Astell&Kern「A&Ultima SP1000」(以下SP1000)で行った。純正ケーブルによる3.5mmアンバランス接続で聴いた。
ちなみに、Astell&Kernの一世代前のフラグシップ「AK380」との組み合わせも悪くなかった。しかし、特に低域において「ちょっと鳴らし切れてないのかな」という印象があった。その後、いくつかのポータブルヘッドホンアンプでの試聴を経て、まだまだポテンシャルを引き出せそうだと踏んでいた。そこで出会ったのが、SP1000との組み合わせだった。この組み合わせで、やっとMASON IIの本来の姿を見ることができたと思った。今回はMASON IIとSP1000を組み合わせた際の印象を述べていきたい。
まず、これはUnique Melodyのマルチドライバー・イヤホンに共通する長所だが、MASON IIも位相管理に優れている。12ドライバーという多ドライバー構成となると位相管理が難しいことは想像に難くないが、音像描写や定位感がとても自然だ。音の立ち上がりも各帯域にわたって素早い。
その上で、音数の多さ、音の色彩の豊かさには驚くべきものがある。優れた解像感を備えており、しかもそれは平面的な解像感ではなく、一音一音の奥行きや陰影感を感じさせる。そして音の密度が高い。密度が高いといっても、どろりとした濃さとは正反対で、情報はぎっしりと詰まっているが音は軽やかだ。音場表現についても、広大というタイプではないが、空気の密度を保ったまま心地良く広がる。
それでは、具体的に曲を聴きながら、その音質をレポートしていこう。
なかでも注目したいのは、中域用の4基のBAドライバーで、ここには特注の「オープン型BAドライバー」が用いられている。通常のBAドライバーがその筐体に密閉されるかたちで配置されているのに対し、オープン型BAドライバーはその名の通り、BAドライバーの筐体背面にポートを設けたオープン構造となっている。
オープン型BAドライバーというと、同じくミックスウェーブが取り扱う64 Audioのイヤホンでも採用されている。BAドライバーをオープン型とすることで、より抜けのよい開放的な音が得られることは想像に難くない。さらには、よりダイレクトにBAドライバー自体の音を得られる、密閉されたBAドライバーにおいて問題となる共振の問題が排除できるといった長所も備えている。
さらにMASON IIのハウジングには2つのポートが設けられ、エアーフローが最適化されている(初代MASONにはポートにはなかった)。ちなみに直近のUnique Melodyのイヤホンでは、いずれも同様に2つのポートが設けられている。開発に携わったミックスウェーブの宮永氏は、「ポートを増やすことでより開放的で音場感に優れたサウンドを得ることができます。その一方で、ポートをいたずらに増やすことは、遮音や埃の混入などの問題の要因にもなります。様々な検証を重ねた結果最適な効果が得られたのが、現行モデルにおける2ポート仕様なのです」と説明していた。
また、Unique Melodyの最新イヤホンと同様に、本機も音導管を従来のビニールからプラチナ塗装の合金素材に変更。これに伴って設計自体も変更しているという。金属素材の音導管は、共振を排除して音をよりストレートに伝えることができ、管に歪みやねじれが出ないことから品質面でも有利という。
■SP1000と組み合わせて聴く。高密度かつ立ち上がりが早い
試聴は前述したとおり、Astell&Kern「A&Ultima SP1000」(以下SP1000)で行った。純正ケーブルによる3.5mmアンバランス接続で聴いた。
ちなみに、Astell&Kernの一世代前のフラグシップ「AK380」との組み合わせも悪くなかった。しかし、特に低域において「ちょっと鳴らし切れてないのかな」という印象があった。その後、いくつかのポータブルヘッドホンアンプでの試聴を経て、まだまだポテンシャルを引き出せそうだと踏んでいた。そこで出会ったのが、SP1000との組み合わせだった。この組み合わせで、やっとMASON IIの本来の姿を見ることができたと思った。今回はMASON IIとSP1000を組み合わせた際の印象を述べていきたい。
まず、これはUnique Melodyのマルチドライバー・イヤホンに共通する長所だが、MASON IIも位相管理に優れている。12ドライバーという多ドライバー構成となると位相管理が難しいことは想像に難くないが、音像描写や定位感がとても自然だ。音の立ち上がりも各帯域にわたって素早い。
その上で、音数の多さ、音の色彩の豊かさには驚くべきものがある。優れた解像感を備えており、しかもそれは平面的な解像感ではなく、一音一音の奥行きや陰影感を感じさせる。そして音の密度が高い。密度が高いといっても、どろりとした濃さとは正反対で、情報はぎっしりと詰まっているが音は軽やかだ。音場表現についても、広大というタイプではないが、空気の密度を保ったまま心地良く広がる。
それでは、具体的に曲を聴きながら、その音質をレポートしていこう。