USB3.0で初のガルバニック・アイソレーター
iGalvanic3.0 テクニカル・ノート ― 全てのコンピューター・オーディオ・ファイルへ向けたアイソレーターとは?
◆補足1:3000V RMS……これはiGalvanic3.0チップのアイソレーションの等級を示す数値です◆
iGalvanic3.0は、入力と出力の間の壁が破壊されるまでに、何kVの電圧に耐えることができるのでしょうか? フランケンシュタイン博士でない限り、USBに接続された、家庭用コンセントから電力を供給される2つの機器の間に、kV級のアイソレーションが必要となることはありません。もしもそのような電圧を使ったら、電気の安全性にとんでもない問題が生じます。涙を流す結果になってしまうでしょう。その場合は直ちに資格を持った電気技師に相談しましょう。
ホームオーディオのシステムでは、必要とされるアイソレーションの電圧が数ボルト(つまり5V)を超えることは滅多にありません。したがって、何kVをアイソレーションできるかという点に基づいてオーディオ用のアイソレーターに等級をつけるのは無意味です。というのも、システムがノイズの伝送やその他の問題をどれほど上手くブロックできるかについては、この等級づけは何の関係もないからです。他のパフォーマンスを考えることよりも常に優先されるような、高い安全性が要求されるアプリケーションで使用するための安全等級を示しているだけなのです。これは明らかに5Vのコンピューター・オーディオ・システムには当てはまりません。
とはいえ、私たちが使用しているアイソレーション用部品は、ULによって3000V RMSが保証されたものです(ピーク=8500V)。これはオーディオ用にはまったく的外れなものですが、軍事用及び工業用の部品が起源なので、それに合うように設計されているのです。
◆補足2:3SerDes(シリアライズ/デシリアライズ)とは何か?◆
以下の図はSerDesをUSBアイソレーションに応用した例です。(SerDesについてはWikipediaを参照 ※英文のみ)
現在まででこの原理が用いられているものを個別に観察すると、USB Busに接続してUSB Busの信号を8-Bit/60MbpsのパラレルULPI(方向指示用に9番目のBitを持っています)に変換するために、そのどれもが同じUSB2.0インターフェース・チップ(第一世代のXMOS製品に見られるようなものです)を使用しているのが分かります。続いてこれらの製品は、使用されている6チャンネル150Mbpsのアイソレーション・チップに適合するように9-Bit Bus幅を縮小し、1チップに合体されているのにフレキシブルな接続性能を持つ一般のロジック・チップを使って、上下方向への進行指示を実行します。USB信号をこのように一旦分解して再び構築するというのは、理想的なことではありません。最初からレイテンシーが完璧どころではなくなってしまうからです。