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コンパクトなハウジングで装着感も良好

エレコム「EHP-DH1000A」レビュー。同軸デュアルダイナミックドライバーで透明感と量感を両立

公開日 2018/02/01 10:00 野村 ケンジ
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■ケーブル、イヤーチップも音質や装着感を下支えする

もうひとつ、ケーブルにもなかなかのこだわりを見せているのがEHP-DH1000Aの特徴だ。着脱式ではなく、直出しのケーブルとなっているが、導体に信号伝送ロスが少ないOFCリッツ線を採用するほか、左右のグランドケーブルを独立分離化し4線構造にしてクロストークを低減させ、さらにY字部での接合を排除したストレートケーブルとするなど、いっさいの手抜かりは無い。

3芯(左)ではなく、4芯で信号を伝達する配線(右)は、近年高音質化に広く使われている手法だ

また、被覆に絡みにくく耐性にも優れたエラストマー素材を採用していたり、使用時のコード長調整や持ち運び時のコード収納にも使えるコードキーパーが付属するなど、ユーザビリティも十分配慮されている。

イヤーチップに関しては、奥行2段階で調整可能な「デプスフィットイヤーキャップ」システムを採用し、ユーザーの耳に合わせて密閉性や装着感を高めることが可能となっている。こういったこまやかな配慮も嬉しいかぎりだ。

ステム根本付近に設けられた段で、イヤーピースをせき止めて装着感を変える

とはいえ、アルミ製の本体がかなりコンパクトサイズにまとめられているため、装着時の不満はまったく無い。実際の製品で「デプスフィットイヤーキャップ」システムの奥側にイヤーチップを(ノズルの長さが短くなるカタチで)装着してみたが、筆者はそちらでピッタリだった。女性ユーザーであっても、装着が安定しないということはまず起きないはずだ。

ちなみに、スタイルは「EHP-CH2010A」シリーズにも近い印象だが、コンパクトになったことも含め、かなり洗練されたデザインに仕上がっている。表面がアルマイト処理されたアルミ筐体も、上質感が漂っている。上級モデルらしい、良質な質感といえる。

■クッキリさと低音の量感を両立

さて、実際のサウンドはいかがなものだろうか。新品の状態だとやや硬い音に感じたので、約1週間ほどエージングしたのち、ハイレゾ対応DAPのAstell&Kern「AK70MKII」を使い試聴を行った。

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