Bulk Petの技術背景も解説
新たなUSBオーディオ伝送技術「Bulk Pet」で音は良くなる? 対応USB-DAC 3機種でテスト
■Bulk Pet転送方式の利点と制限
Bulk Pet転送方式の利点は、前述したように低レイテンシーであるということだ。ASIOもそうだが、低レイテンシーは音質向上にも効果が期待できる。
そしてバルク転送では時間どおりに送るために、定期的(周期的)に負荷がかかるアイソクロナス転送とは異なり、転送をコントロールすることができるため、ホスト(PC)のCPUとデバイス(DAC)のCPUの負荷に合わせて最適化することが可能だ。それにより音質改善も期待できる。これは本来ハードディスクの転送であるバルク転送をインターフェイス社が独自に音楽用にチューニングしてきた成果と言えるだろう。
こうした本来ハードディスク向けの「バルク転送」の長所を生かしながら、音楽用に使う最適化こそが「Bulk Pet転送」のキモと言ってもよいだろう。
また、ホスト側の処理負荷とデータ転送パターンをそれぞれ2通りずつ組み合わせ、4種類のモードを用意していている(次ページで各モードを実際に試聴して試している)。
Bulk Petの制限としては、先に書いたようにXMOSなどを使用しているUSB-DACでは使用できないこと。これはインターフェイス社の独自技術であるためだ。
また専用ドライバーを追加でインストールする必要がある。これはPCやMacではひと手間かかるだけだが、スマートフォンやiPadなどのタブレットでは、ドライバーをインストールする仕組みがない。このため、たとえばiPadでBulk Pet転送を使用することはできない。
また注意事項として、Bulk Petを使用しているPCとUSB-DACを接続している際にケーブルを外し、例えばそのままiPadとUSB-DACをケーブルで繋いでも、接続できない。これはUSB-DACのファームウェア側のモードがBulk Petになっているのに、送出側(この場合はiPad)が標準ドライバーで送りだそうとしているからだ。
こうした場合は、PC側でケーブルを外す前にモードをアイソクロナスに変更してからiPadなどにつなぐか、接続してからDACの電源をオフオンする必要がある。
もうひとつ、DAC側のファームウェアの更新も必要となる。ただし書き換えたファームウェアは従来の標準ドライバーとも互換性がある。これはどういうことかというと、たとえばiPadでは基本的にBulk Pet方式が使用できないが、Bulk Pet方式のためにUSB-DACのファームウェアを書き換えても、iPadの標準ドライバーからの転送は保障されているため、音楽再生はできるということだ。もちろんPCやMacであれば従来の音楽再生アプリをそのまま使うことができる。
つまり端的にいえば、TEACやSoulnoteなどインターフェイス社製ファームウェアを使用しているUSB-DACをPCやMacから使用していれば、ドライバーとファームウエアを入れ替えるだけで、ハードの追加なしに音質向上が行えるということだ。今後この方式を採用するDACも増えていくかもしれない。
■3機種の対応USB-DACを用意しBulk Petと従来方式を比較試聴
Bulk Pet方式の試聴については以下のように実施した。まずBulk Pet対応DACとして、ティアックの新機種であるUD-505を使用した。DACに「AK4497」を2基使用したデュアルモノラル構成で、ヘッドホンアンプも内蔵している。
音源の再生にはMacBook Airを使用して、ティアックの提供するBulk Pet用のカスタムドライバーをインストールした。Bulk Pet方式ではDAC側ファームウェアも対応が必要だが、UD-505は今年1月に出たばかりの機種で、ファームウェアはすでに出荷時に対応がなされている。
その他の構成は音元出版の試聴室の機器で、以下の通りである。
プリアンプ:ACCUPHASE「C-3850」
パワーアンプ:ACCUPHASE「A-250」(×2基)
スピーカー:MONITOR AUDIO「PL200」
すでに書いたようにBulk Pet方式ではパラメーターの異なる「1」から「4」の4種類の設定を選ぶことができる。
Bulk Pet転送方式の利点は、前述したように低レイテンシーであるということだ。ASIOもそうだが、低レイテンシーは音質向上にも効果が期待できる。
そしてバルク転送では時間どおりに送るために、定期的(周期的)に負荷がかかるアイソクロナス転送とは異なり、転送をコントロールすることができるため、ホスト(PC)のCPUとデバイス(DAC)のCPUの負荷に合わせて最適化することが可能だ。それにより音質改善も期待できる。これは本来ハードディスクの転送であるバルク転送をインターフェイス社が独自に音楽用にチューニングしてきた成果と言えるだろう。
こうした本来ハードディスク向けの「バルク転送」の長所を生かしながら、音楽用に使う最適化こそが「Bulk Pet転送」のキモと言ってもよいだろう。
また、ホスト側の処理負荷とデータ転送パターンをそれぞれ2通りずつ組み合わせ、4種類のモードを用意していている(次ページで各モードを実際に試聴して試している)。
Bulk Petの制限としては、先に書いたようにXMOSなどを使用しているUSB-DACでは使用できないこと。これはインターフェイス社の独自技術であるためだ。
また専用ドライバーを追加でインストールする必要がある。これはPCやMacではひと手間かかるだけだが、スマートフォンやiPadなどのタブレットでは、ドライバーをインストールする仕組みがない。このため、たとえばiPadでBulk Pet転送を使用することはできない。
また注意事項として、Bulk Petを使用しているPCとUSB-DACを接続している際にケーブルを外し、例えばそのままiPadとUSB-DACをケーブルで繋いでも、接続できない。これはUSB-DACのファームウェア側のモードがBulk Petになっているのに、送出側(この場合はiPad)が標準ドライバーで送りだそうとしているからだ。
こうした場合は、PC側でケーブルを外す前にモードをアイソクロナスに変更してからiPadなどにつなぐか、接続してからDACの電源をオフオンする必要がある。
もうひとつ、DAC側のファームウェアの更新も必要となる。ただし書き換えたファームウェアは従来の標準ドライバーとも互換性がある。これはどういうことかというと、たとえばiPadでは基本的にBulk Pet方式が使用できないが、Bulk Pet方式のためにUSB-DACのファームウェアを書き換えても、iPadの標準ドライバーからの転送は保障されているため、音楽再生はできるということだ。もちろんPCやMacであれば従来の音楽再生アプリをそのまま使うことができる。
つまり端的にいえば、TEACやSoulnoteなどインターフェイス社製ファームウェアを使用しているUSB-DACをPCやMacから使用していれば、ドライバーとファームウエアを入れ替えるだけで、ハードの追加なしに音質向上が行えるということだ。今後この方式を採用するDACも増えていくかもしれない。
■3機種の対応USB-DACを用意しBulk Petと従来方式を比較試聴
Bulk Pet方式の試聴については以下のように実施した。まずBulk Pet対応DACとして、ティアックの新機種であるUD-505を使用した。DACに「AK4497」を2基使用したデュアルモノラル構成で、ヘッドホンアンプも内蔵している。
音源の再生にはMacBook Airを使用して、ティアックの提供するBulk Pet用のカスタムドライバーをインストールした。Bulk Pet方式ではDAC側ファームウェアも対応が必要だが、UD-505は今年1月に出たばかりの機種で、ファームウェアはすでに出荷時に対応がなされている。
その他の構成は音元出版の試聴室の機器で、以下の通りである。
プリアンプ:ACCUPHASE「C-3850」
パワーアンプ:ACCUPHASE「A-250」(×2基)
スピーカー:MONITOR AUDIO「PL200」
すでに書いたようにBulk Pet方式ではパラメーターの異なる「1」から「4」の4種類の設定を選ぶことができる。