HOME > レビュー > 【第210回】アップル「AirPods」の音質&遮音性向上? 外付けイヤーチップ「Purest」をテスト

[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域

【第210回】アップル「AirPods」の音質&遮音性向上? 外付けイヤーチップ「Purest」をテスト

公開日 2018/06/18 07:24 高橋 敦
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

音の変化は明確!だけど、ケースに入らない…

というわけで「自宅→住宅地徒歩→電車車内→都心徒歩」というコースで、Purestを着けたり外したりしながら試聴した印象を一覧表にまとめたのがこちら↓


まずは表の内容について補足していこう。


●音の印象

静かな環境で聴く分には、AirPodsのサウンドクオリティは意外としっかりとしたものだ。ベースの低域も素直に伸びているし、高域も十分に明瞭。そして何より、耳に心地よい素直なボーカル表現が好感触である。

しかしこれが騒がしい街中や電車内になると、低域側が騒音にガッツリとマスキングされて聴き取りにくくなる。ここで「ベース聴こえねえ!」と音量を上げると、シャカシャカ音漏れにつながって周りに迷惑だし、自分の耳の健康のためにも良くない。

Purestを装着すると、ベースは全体のボリューム感を増すと同時に、より聴き取りやすい帯域に重心が上がってくる印象。低音の質ではなく「低音の量と分かりやすさ」がアップする感じだ。屋外でもしっかり実感できる低音強化チューニングと言える。代わりに、中高域の抜けや広がりの心地良さはがっつり失われるが、これは仕方ないところだろう。

製品公式サイトに掲載の構造図解。様々な手法で綿密にチューニングされていることが分かる


●遮音性/音漏れ

ここはPurest装着時の圧勝だ。カナル型イヤホンほどではないが、しっかりと遮音性を実感できた。「低音しっかり+遮音性しっかり」で、前述の音漏れシャカシャカを低減できることだろう。



●使い勝手

当然だが、Purestを装着した状態のAirPodはケースに収まらない。そのため、出し入れの度にPurestを着け外しする必要がある。これは完全ワイヤレスイヤホンの使い勝手において大問題だ。「充電時も簡単着脱」とのことだが、筆者は丸一日使っても簡単と言えるほど慣れることはできなかった。

Purestを装着することをデフォルトと考え頻繁に着け外しするのではなく、「周りがうるさいと感じたときのみ必要に応じて装着」といったピンポイント利用にすることで、着け外しの回数を減らす…なんて使い方も検討した方が良いかもしれない。

もちろんケースには収まらず、このままでは充電できない

音響ポートを塞ぐことは音への影響が大きい。チューニングのため意図的に塞いであるのだろう


改めて印象をまとめると、
◇音の変化は一長一短だが、「低音+遮音性」で屋外向けチューニングにできるのは確か
着けたままケースに入れられないのはやはり痛い。運用の工夫で乗り切れるか?
といったところだ。

冒頭で述べたように、AirPodsの強みは「使い勝手の良さ」だ。そこをスポイルしてまでAirPodsを使う必要はあるのか?と考えると厳しいかもしれない。

しかしお手頃価格な2,500円なので、買って試してみて、もし気に入らなくても大した損にはならないのでは?軽い気持ちでちょっと試してみるのも良いのではないだろうか。

次ページAirPodsを「シャカシャカ」鳴らせないEQ設定はこれ!

前へ 1 2 3 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE