「一度は聴いてほしい」個性に溢れる
“イヤホン切り込み隊長”が自腹を切った! AKG「N5005」購入を決めた『5つのポイント』
【その2】中・高音もバランス良く、低音との調和もgood
ただ低音が出ればいいというのであれば、「重低音モデル」とか「DJ向け」を謳う機種のどれかでも、似た音が出せるかもしれない。N5005ならではの特徴は、さらに高音の伸び、中域の響かせ方においても素晴らしい表現力を備えている点にある。音場も広く、それぞれの帯域が被らないので聴き取りやすくクリアだ。
実際、これまで手に入れたイヤホンの中で低音が得意そうなモデル数本とも聴き比べを行ったが、低音を沈ませつつ余韻やクリアさを両立できているものは見つけられなかった。
それに加えて、ハイブリッド型のイヤホンで生じがちな、バランスド・アーマチュアとダイナミックドライバーの不自然な “境目” が目立ちにくく、耳馴染みが良い。「N40」「N30」などNシリーズの従来モデルではおなじみの、電気的なネットワークを用いないアコースティック・チューニングのおかげだろう。
特徴的な低音を出しつつ、負けじと中高域も鳴らし、互いを喧嘩させずに混ぜ合わせ、距離感も付け足してしまう。そんな欲張りめいたバランスを実現しているのは、なかなか衝撃的だ。
【その3】デザインは踏襲しつつ、セラミック素材で高められた質感
N5005のハウジングは厚みを持たせた小判のような形状。表にブランドロゴを刻んでいる点まで「N40」「N30」と共通で、目立った変化は見られない。写真で眺める限りでは、装着感が気になりこそすれ、それ以上デザインにあまり注意は向かなかった。
しかしいざ手にして見ると、セラミックで作られたハウジングが、音作りの面ではもちろんハイエンドイヤホンとしての品格を演出するにあたって、重要な要素だと思えてくるのだ。
公式には「ブラック」と表記されているセラミックハウジングだが、カタログで見るのと肉眼で見るのとではだいぶ印象が違う。実際にはやや暗い、落ち着いた色味のメタリックカラーという塩梅で、素材ならではの滑らかな光沢がアクセントになっている。
そして、セラミックは適度に “重い” 。装着感のことを考えれば、イヤホンなど軽ければ軽いに越したことはないのだが、N5005の重さはあくまで邪魔にならない範疇。それでいて、手に乗せると確かな質量が伝わるので、貴金属アクセサリーを手にしたときのように所有欲がくすぐられる。
【その4】高品質ケーブルも奢った、充実し過ぎの同梱ケーブル
ここ数年発売されたイヤホンの中でも群を抜いて多い、付属ケーブルの充実ぶりも見逃せない。
具体的に挙げていく。3.5mmプラグで網組のスタンダードなケーブルが1本、同じ線材で2.5mmプラグのバランスケーブルが1本。さらにカジュアルユースを想定したBluetoothケーブルが1本。この時点で他の追随を許さない充実っぷりだ。
その上、国内パッケージだけの限定特典として、高純度の銅線を使った純正アップグレードケーブル「CN120-3.5」まで付属している。普通に買い求めれば1万円以上する製品がポンとついてくる。これをお得と言わずしてなんと言おう?