「一度は聴いてほしい」個性に溢れる
“イヤホン切り込み隊長”が自腹を切った! AKG「N5005」購入を決めた『5つのポイント』
ケーブルを取り替える効用が周知された今、他のメーカーでもアンバランス/バランスのケーブル2種同梱や、高品質ケーブルのプレゼントキャンペーンといった取り組みが増えているが、ここまで太っ腹に同梱するケースはそうそう無い。またN5005のMMCX端子は微妙に彫りが深く、適合するサードパーティーケーブルに乏しい状態だが、付属ケーブルの多さはそれをある程度補ってもいる。
CN120-3.5を使用すれば音のスッキリさ、透明感が感じられ、バランスケーブルは分離感とパワフルさが得られる。一方、PCやスマホに繋ぐ必要が出てきたときなど、互換性に優れるのはやはり3.5mmプラグだし、線の柔らかさ、巻き取りやすさなどでは網組ケーブルが有利。音の好み、取り回し、接続する環境に応じて、追加投資無しにカスタマイズできるのは大きな強みだ。
【その5】フィルター/イヤーピースの交換で、自分好みを追究し放題
カスタマイズといえば欠かせないのが、AKGのイヤホンではお馴染みの「メカニカル・チューニング・フィルター」だ。「HIGH BOOST」「MID HIGH BOOST」「REFERENCE SOUND」「BASS BOOST」という、N30の2種類、N40の3種類を上回る4種類ものねじ込み式フィルターが同梱されることに注目したい。
これらを取り替えることで、自分好みの音質をカスタマイズすることができる。どのフィルターも変えることで各帯域の特性はクッキリと変わる。しかしまったく別物になるのではなく、“N5005独自のキャラクター” が保たれるのはチューニングの妙だろう。
それぞれのフィルターの効用はこれまでのレビューでも評論家の方々が詳しく分析しているが、その中で自分のお気に入りフィルターは、緑のリングがはめられた「MID HIGH BOOST」。
初めから本体に装着されている「REFERENCE SOUND」は、リファレンスだけあって確かにさまざまなジャンルに適合する。ただ一部ジャンルでは、初めの方で述べた余韻の豊かさがネックになることがある。例えばメタル。エレキギターの攻撃的なリフが魅力だが、その勢いを余韻の豊かさが削いでしまったりする。
そんな時に「MID HIGH BOOST」。女性ボーカルをはじめ中高音の主張がやや強くなると同時に、低音の余韻や輪郭がグッと引き締まる。音の立ち上がりの早さ、鋭さを重視する楽曲にもついていけるのだ。