光学・回転系プレーヤーの新しい地平を感じる
【AEx2020「金賞」「特別大賞」受賞】エソテリックの2大巨頭がここに降臨―Grandioso P1X/Grandioso D1X/Grandioso K1X
■低重心、高剛性を追求した最新鋭のメカに酔いしれる
改めてVRDSを説明すると、CDやSACDなどのディスクを同径のターンテーブルで上から押さえて回転させ、ディスク自身の回転振動を排除。ターンテーブルでディスクの反りを矯正することでも面振れを解消し、読み取りのサーボ電流もごくごく小さいものにすることができる。これらにより、精度高くディスクの情報を読み取るメカニズムだ。エソテリックを代表する基幹技術である。
2003年から採用されてきたVRDS-NEOは評価が高く、メカとしても再生音としても安定したものとして使われてきた。そこにまったく新設計で登場して来たのがVRDS-ATLASだ。
その基本的な形状は高さが抑えられ、横幅が広くなっている。SS400スチール製のサイドパネルやブリッジは大型化し、重量としてあの剛直なVRDS-NEOと比較しても127%(メカ単体6.6kg、ベース部含め13.5kg)と重くなっている。また、モーターがVRDS-NEOではブリッジの最上部に位置していたのに対して、VRDS-ATLASではターンテーブルの下側に移すことで、振動をベース部に逃がす経路を短縮化している。
VRDS-NEOを越えるために総合的に開発されたVRDS-ATLAS。主観的に言うと、これ自体にモノとしてのオーラがあり、このメカをオカズにお酒を飲めそうな存在である。
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