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光学・回転系プレーヤーの新しい地平を感じる

【AEx2020「金賞」「特別大賞」受賞】エソテリックの2大巨頭がここに降臨―Grandioso P1X/Grandioso D1X/Grandioso K1X

公開日 2019/11/22 18:46 鈴木 裕/藤岡 誠/角田郁雄/山之内 正
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■ “太い道” のまま音楽を伝えるディスクリートDACの意義

Grandioso D1XとK1Xに搭載されたMaster Sound DACと名付けられた変換部。特にD1Xでは信号伝達が等距離になるよう、32組の回路エレメントを2つの扇型にならべて配置。ひとつひとつのエレメントは、抵抗、ロジックIC、電源回路などすべての構成部品を32回路分独立させている。

D1XのDAC基板。信号伝達が等距離になるよう、32組の回路エレメントを2つの扇型にならべて配置。一つ一つのエレメントは、抵抗、ロジックIC、電源回路などすべての構成部品を32回路分に独立

スペースの取れないK1Xでは扇型の配置は取れないものの、基本的には同じアーキテクチャーを踏襲。従来の36bitから64bitと大幅に解像度の数字を上げ、DSD 22.5MHzやPCM 768kHzに対応。全ての処理を自社製FPGAアルゴリズムで行っている。

K1XのDAC基板。D1Xに搭載した「Master Sound Discrete DAC」回路をベースに「K1X」用に新開発したもの。D1Xのような扇型の配置は取れないものの、基本的には同じアーキテクチャーを踏襲している

しかし、大事なのはそうした数字の大きさよりも、目指している音である。音楽の躍動感や演奏家がパッセージに込めた情熱や爆発的なエネルギーを再現するのに、デジタルにおいてDACデバイスという高密度集積回路が、最終的には “道” として絞られてしまっているのではないか。ここをハイグレードなパーツ、贅沢な物量を投入して “太い道” のまま構成したらどんなことになるのか。ここがエソテリックのディスクリートDACの本質なんじゃないだろうか。

K1Xの内部。「VRDS-ATLAS」はセンターに配置され、5mm厚のスチール製ボトムシャーシに固定し、独自のピンポイントフットで4点支持。シャーシ内部はダブルデッキ構造で、オーディオ基盤を上層、電源回路やトランス類を下部に配置することで、磁束漏れや振動の影響を防ぎながらも、電源供給の配線を最短化

電源部は K1から大幅に強化された「Xバージョン」を採用。4つの独立トロイダル電源トランスを搭載しDACは左右チャンネルそれぞれで別電源を動作

他にも電源部のおそろしいほどの充実ぶりについて、シャーシコンストラクションの著しい進化について、ES LINK Analogという電流伝送の優位性について、MQAのデコードについて、と書かなければいけないことは多岐に渡るが残念ながら割愛する。

P1Xの電源ユニットの内部。合計で4つの独立したトロイダル電源トランスを搭載。各回路(サーボ回路、ドライブメカ駆動回路、デジタル出力回路、クロック回路)へクリーンでパワフルな電源を供給する

D1Xではチャンネルあたり2つの強力な大型トロイダル電源トランスで各回路ブロックへクリーンな電源を供給している


D1Xの内部。アナログ回路は、デジタル回路からの電気的なアイソレーションを徹底。さらに、デジタル回路用、及びアナログ回路用に電源回路も独立させている

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