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ネット動画もDSDクオリティに。DSDの先駆者・コルグのUSB-DAC「Nu I」を遊び尽くす!
■S.O.N.I.C.ではトーンコントロールで好みの音質を実現できる
では具体的にどのようなことができるのか解説を行いつつ、YouTube動画再生時の音声調整についても紹介していこう。S.O.N.I.C.は「Nu I Control Panel」の中に設けられており、GUI中段のプリセットから適宜好みのものを選択。GUI左上の「ON/OFF」スイッチでS.O.N.I.C.機能の有効/無効を設定できる。GUI下部にはレベルメーターが用意されているほか、3つのトーンコントロールノブによって現在選択されているプリセットからさらに音質調整が可能だ。
トーンコントロールは左から「L(低域調整)」「CONSCIOUS(輪郭感調整)」「H(高域調整)」が設定できるが、数値表示はなく、GUI上のノブに設けられた目印を目安として調整を行う。その変化の度合いは穏やかな傾向であり、増減どちらに振り切っても破綻することはない印象であった。もし大きく音が割れたり歪んだりするようであれば「INPUT」スライダーで入力レベルを抑えるとよいだろう。
この「L」「CONSCIOUS」「H」の調整機能は、オノ セイゲン氏が設定したリマスタリングパラメーターをベースに、好みのサウンドへ微調整するようなイメージだ。豊富なプリセットがあるので何から選べばいいのか迷ってしまうが、まずは周波数特性をフラットにしつつ、それ以外の音質に関わるポイントで独自処理を行っているという101番「Flat A」か102番「Flat B」からスタートしてみるとよいだろう。
■色づけを抑えたニュートラル基調のサウンドが特徴
今回の試聴に当たり、Nu Iを軸とした最小限のシステム構成を検討。プリ機能を活用し、アクティブスピーカー、ジェネレック「8320A SAM」と直結させてみた。まずNu I本体の実力を探るべく、8320A SAMとの組み合わせで、AudioGateを使って再生を行う。スタジオモニターとして定評のあるジェネレックらしい堅実でストレートな描写性を見せており、輪郭感のくっきりとしたメリハリのあるサウンド傾向である。アルミダイキャスト製キャビネットの効果もあり、低域の引き締めも高い。
Nu Iについても色付けを抑えたニュートラル基調のサウンド性を持っており、音場もクリアにまとめている。オーケストラは管弦楽器の旋律を一つ一つ分離良く拾い上げるが、ホールトーンの成分との融和性も高く、ハーモニーをスムーズに表現。ローエンドも弾力良く描き、音場の見通しが深い。
ロック音源のリズム隊は密度良く押し出し、スネアのリムショットも適度に太さを持たせ安定感がある。エレキギターのリフも締まり良くブライト。ボーカルはキレ良くシャープに定位する。11.2MHz音源ではピアノの響きも涼やかで、女性ボーカルは口元のウェット感をクールに描写。リヴァーブ成分もナチュラルに引き出す。音像のボディは太さがあり、重心の低いどっしりとした安定感がある。
Nu Iのプリ出力はNutubeを生かした倍音検出帰還回路HDFCが組み込まれており、倍音量を3段階で切り替えることが可能だ。1段階目ではシンバルやピアノのアタックが輝き、華やいだ響きとなる。2段階目はより音像の輪郭が強調され、アタックの良いヌケ鮮やかで押し出し良いサウンド傾向に変化。3段階目は煌き感が強く押し出され、高域の響きがゴージャスに感じられるようになる。多くの音源は2段階目までで適度な倍音感を得られると思うが、明瞭度の低い音源などでは3段階目が理想的な効果を発揮することもあるだろう。
今回の試聴のように比較的ドライなサウンド傾向のスタジオモニターを組み合わせた場合はHDFCの効果が高く、弦楽器や女性ボーカルの艶やかな潤い感を付加することができる。この辺りはリスナーの好みに応じて適宜調整すると良いだろう。