【特別企画】オーディオアクセサリー銘機賞2022グランプリ受賞
オヤイデの新世代電源ボックス「MTB-6II」と真紅の電源ケーブル「VONDITA-X」の魅力を検証
オヤイデはいち早くオーディオの電源クオリティにこだわり、36年に及ぶロングランを続ける定番電源タップOCB-1を生み出して以来、オリジナル高品位パーツやケーブルを開発し続けてその品位向上に貢献している。その同社から今年、音で攻めた2つの新製品が登場、『オーディオアクセサリー銘機賞2022』で栄えあるグランプリを受賞した。
「MTB-6II」はケーブル着脱式の電源ボックスで、定評のMTBシリーズを18年ぶりに新たなチューニングでバージョンIIに刷新。また電源ケーブルは、TUNAMIシリーズが世界中で定評を得るなか、「VONDITA-X(ヴォンディータ・エックス)」を新開発。独自のマテリアルに音へのこだわりを込め、従来品とは別コンセプトで4年の歳月をかけて完成させたまったく新しいケーブル。ここではこの注目2モデルの魅力を5人の評論家が深彫りする。
音質的に攻めた2つの製品「MTB-6II」と「VONDITA-X」を聴く(Text by鈴木 裕)
■細部を入念にチューニングし、ハイファイ性能を向上させた「MTB-6II」
オヤイデから音質的に攻めた2つの製品が登場した。電源ボックス「MTB-6II」と電源ケーブル「VONDITA-X」だ。
電源ボックス「MTB-6II」が目指した音の方向性は、「よりフラットでバランスの良いサウンド」。筐体は剛性の高い真鍮製だが、振動をコントロールするために、ハネナイトワッシャーや削り出しのポリアセタール樹脂ワッシャー等のパーツを採用。異なる素材を複合的に使い、ボディや各パーツの振動を抑えて適正化している。仕上げはマットブラック塗装で、インレットやコンセントの樹脂部分も黒で統一している。
拙宅のレファレンスの電源ケーブルを使ってその音質傾向を確認してみると、強調される帯域のないナチュラルな音色感で、ハイファイ性能が向上している。コントラストやシャープネスのパラメーターがナチュラルに近づけられ、振動コントロールによって混濁する成分を抑制。例えばたくさんの楽器の音像が立体的に見えてくるオーケストラ再生では、その楽器ひとつひとつのフォーカスが良くなり、サウンドステージも深い。シンセサイザーによる音楽の微妙な音色感も、細やかな階調表現を獲得。幅広い音楽に対し、ヴァーサタイルに対応できると感じる。
■新機軸を打ち出す設計で音楽再生を堪能させる音作りの「VONDITA-X」
電源ケーブル「VONDITA-X」が面白い。コンセプトは「妖艶なる音色」。そもそもが個性的な音色感であり、音楽の聴かせ方を目指しているのだから。導体はホット、コールド、アースにいずれも102 SSCを断面積4Sqで採用。絶縁体はポリオレフィンだが、介在に100%のシルクとした。興味深いのはドレイン線に銅の単線を使った二重らせん構造を取っている点。そして外装シースはポリオレフィンにPVCと二重構造。
電源プラグとIECコネクターは、M1とF1をベースに異色のメッキの組み合わせを施している。「適切な空間の広がり、そして息遣いまで描写する艶やかながら芯のある歌声」といったイメージが託されている。そして電源ケーブルとして完成後に、エージングの一種でケーブルが持つ本来の魅力を引き出す処理、テロス・オーディオ・デザインのケーブル・ラン・イン・マシーン(慣らしを進めるコンポーネント)によるQBT処理を施しているのも、音に対する寄与率は高いだろう。
■合わせて聴くとコクや重みなどの音色感、流麗さや深みも素晴らしい
「MTB-6II」と「VONDITA-X」を組み合わせて聴くと、高域は落ち着き、硬直になったり存在感が強くなることもない。このあたり、従来のオヤイデの製品とは明確に違う持ち味だ。低域方向は低音感が増大し、コクや重みといった音色感も獲得している。特に中域から高域にかけての流麗さ、深みのある雰囲気も素晴らしい。ナチュラルでハイファイ性能の高い電源ボックスと、個性派の電源ケーブルという組み合わせ。いずれも、他流試合でも多彩に活躍できる音と作りを持った製品達だ。
「MTB-6II」はケーブル着脱式の電源ボックスで、定評のMTBシリーズを18年ぶりに新たなチューニングでバージョンIIに刷新。また電源ケーブルは、TUNAMIシリーズが世界中で定評を得るなか、「VONDITA-X(ヴォンディータ・エックス)」を新開発。独自のマテリアルに音へのこだわりを込め、従来品とは別コンセプトで4年の歳月をかけて完成させたまったく新しいケーブル。ここではこの注目2モデルの魅力を5人の評論家が深彫りする。
音質的に攻めた2つの製品「MTB-6II」と「VONDITA-X」を聴く(Text by鈴木 裕)
■細部を入念にチューニングし、ハイファイ性能を向上させた「MTB-6II」
オヤイデから音質的に攻めた2つの製品が登場した。電源ボックス「MTB-6II」と電源ケーブル「VONDITA-X」だ。
電源ボックス「MTB-6II」が目指した音の方向性は、「よりフラットでバランスの良いサウンド」。筐体は剛性の高い真鍮製だが、振動をコントロールするために、ハネナイトワッシャーや削り出しのポリアセタール樹脂ワッシャー等のパーツを採用。異なる素材を複合的に使い、ボディや各パーツの振動を抑えて適正化している。仕上げはマットブラック塗装で、インレットやコンセントの樹脂部分も黒で統一している。
拙宅のレファレンスの電源ケーブルを使ってその音質傾向を確認してみると、強調される帯域のないナチュラルな音色感で、ハイファイ性能が向上している。コントラストやシャープネスのパラメーターがナチュラルに近づけられ、振動コントロールによって混濁する成分を抑制。例えばたくさんの楽器の音像が立体的に見えてくるオーケストラ再生では、その楽器ひとつひとつのフォーカスが良くなり、サウンドステージも深い。シンセサイザーによる音楽の微妙な音色感も、細やかな階調表現を獲得。幅広い音楽に対し、ヴァーサタイルに対応できると感じる。
■新機軸を打ち出す設計で音楽再生を堪能させる音作りの「VONDITA-X」
電源ケーブル「VONDITA-X」が面白い。コンセプトは「妖艶なる音色」。そもそもが個性的な音色感であり、音楽の聴かせ方を目指しているのだから。導体はホット、コールド、アースにいずれも102 SSCを断面積4Sqで採用。絶縁体はポリオレフィンだが、介在に100%のシルクとした。興味深いのはドレイン線に銅の単線を使った二重らせん構造を取っている点。そして外装シースはポリオレフィンにPVCと二重構造。
電源プラグとIECコネクターは、M1とF1をベースに異色のメッキの組み合わせを施している。「適切な空間の広がり、そして息遣いまで描写する艶やかながら芯のある歌声」といったイメージが託されている。そして電源ケーブルとして完成後に、エージングの一種でケーブルが持つ本来の魅力を引き出す処理、テロス・オーディオ・デザインのケーブル・ラン・イン・マシーン(慣らしを進めるコンポーネント)によるQBT処理を施しているのも、音に対する寄与率は高いだろう。
■合わせて聴くとコクや重みなどの音色感、流麗さや深みも素晴らしい
「MTB-6II」と「VONDITA-X」を組み合わせて聴くと、高域は落ち着き、硬直になったり存在感が強くなることもない。このあたり、従来のオヤイデの製品とは明確に違う持ち味だ。低域方向は低音感が増大し、コクや重みといった音色感も獲得している。特に中域から高域にかけての流麗さ、深みのある雰囲気も素晴らしい。ナチュラルでハイファイ性能の高い電源ボックスと、個性派の電源ケーブルという組み合わせ。いずれも、他流試合でも多彩に活躍できる音と作りを持った製品達だ。