【特別企画】マルチチャンネル環境の実力をチェック
高コスパに「ぶったまげ」! Polk Audioで「映画館の音」なホームシアターを実現できた話
これは “お値段以上” とかそんな次元の話ではない。あのシアタス調布で体験した高揚感、多幸感が、ES55からとめどなく溢れてくるのだ。いや、もっと正確に言うと、左右のスピーカーからではなく、映画館のサウンドスクリーンのように画面全体から溢れてくる。
ホーン型スピーカーでもないのに、まるでテレビの後ろにES55がもう1本立っているかのような圧巻のダイアローグ再生だ。その場に居合わせた全員が驚きを隠せず、「いやぁ、凄いですね…」と唸るしかない。私は興奮のあまり、別室で取材中だった土方氏を呼びに行ってしまったほどだ。
ここで少し冷静になるべく、ディスクを筆者のドルビーアトモス再生のリファレンスである『DUNE/デューン 砂の惑星』のUHDブルーレイにチェンジ。この音の秘密を解き明かそうとしたのだが、これが完全に逆効果。11本のスピーカーが一斉に咆哮を上げると、私はあっという間に語彙力を奪われ、「映画館だよ、映画館…」とうわ言を繰り返すだけで完全にノックアウト状態。
サブウーファーのXT12も地味にヤバい。試聴室の空気どころか私の脳と心臓までブルブルと揺さぶってくる。この日はデモ機の都合で1本のみだったが、左右2本使いにしたらさぞ凄いことになるだろう。なにせ1本4万円である。無理に小さいセンタースピーカーを設置してフロントチャンネルのバランスを崩すくらいなら、サブウーファーを追加したほうが絶対にシアワセになれるはずだ。
「家庭でも映画館の音は出せる!」、そして「自分にも買える!」
筆者が興奮してばかりで、具体的な音の解説が無い!と憤る読者もおられるだろう。いつにも増して乱筆乱文なことをお詫びしたい。正直なところ、今回のアンビリバボーな奇跡体験を私自身がまだ冷静に分析できていない状況なのだ。
おそらく最大の理由は中域にあると思う。ディーアンドエムホールディングスのインポートオーディオ・アドヴァイザーである澤田氏が「Polk Audioは昔、PAスピーカーを作っていたんですよ」と話されていたことが重要なヒントになりそうだ。
職業柄、これまで大小様々な規模のホームシアターの音を聴いてきた。その道のプロや、凄腕ユーザーによるハイレベルな音響に唸らされることも少なくない。
にも関わらず、自分が本腰を入れて取り組んで来なかったのは、どこかに「家庭では映画館の音は出せない」「出せたとしても自分に買える金額ではない」という諦めがあったからだろう。
しかし、それも全て昨日までの話。私は知ってしまったのだ。「家庭でも映画館の音は出せる!」「自分にも買える!」ということを。
事実、取材前はサウンドバーによる自宅のイマーシブ化を予定していたが、一旦計画を白紙に戻すことに決めた。リアスピーカーをどこに置くか? トップスピーカーをどうするか? 課題は山積みだが、登りたい山ができた。Polk Audioとの出会いに感謝したい。
(提供:ディーアンドエムホールディングス)