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PRデノンのサウンドマスターも評論家宅に来訪して聴いた

デノン「900シリーズ」は“作り手の感性の高さ”が見えるエントリー機だ。高級スピーカーに負けない素性の良さに感動

公開日 2022/10/29 07:30 土方 久明
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HEOS搭載でAmazon Music HDも使いやすくなった「PMA-900HNE」

PMA-900HNEはフルサイズシャーシを持つAB級のステレオプリメインアンプで、2018年に発売された「PMA-800NE」のフルモデルチェンジとなる。


PMA-900HNE:¥132,000(税込)
豊富なアナログ/デジタル入力に加え、デノンのフルサイズプリメインでは初めて、ネットワーク再生機能「HEOS」を搭載してきたことが大きな特徴だ(入出力およびHEOSについては後述する)。

デノンのオーディオアンプが重視する「繊細さと力強さの両立」を実現するため、HCトランジスターをシングルプッシュプルで用いる「Advanced High Currentシングルプッシュプル増幅回路」を搭載。デノン創立110周年記念モデル「PMA-A110」の構成に準じた、差動2段アンプ回路を採用する。

さらに、Advanced High Currentシングルプッシュプル回路のアドバンテージを生かすために、電源回路には大型のEIコアトランスと本機に向けて専用開発されたカスタム仕様のブロック電解コンデンサー、ショットキーバリアダイオードを搭載する。

また、近年のプリメインアンプで注目されるプリアンプ部の品質については、可変ゲイン型プリアンプとパワーアンプの二段構成による超低ノイズ可変ゲイン型プリアンプを搭載している。これにより、一般的な音量下においては、プリアンプでの増幅を行わず、パワーアンプのみで増幅することでノイズレベルを劇的に改善した。

ボリュームは、センサーによりノブの回転方向と回転量を検出する、電子制御のボリュームコントロールICを搭載することで、音楽信号の引き回し距離が最小限になった。

また、今まではこのグレードの製品には採用されなかったコンデンサーや抵抗、さらにこちらも山内さんを中心に開発されたデノン専用のカスタムパーツが投入されている。


PMA-900HNEの内部構造。デノンのフルサイズプリメインでは初めてHEOSを搭載し、ネットワーク再生にも対応した
アナログ入力はRCA×3とMC/MM対応のフォノ×1、デジタル入力はS/PDIF同軸×1と光TOS Linkデジタル×3、USB-A×1を搭載。ちなみに、本アンプに搭載の光/同軸デジタル入力は、テレビなどとの電源の連動機能を持つので、リビングユースにも対応する。

ネットワークオーディオ機能「HEOS」については、iOSやAndroidデバイスにインストール可能な操作アプリ「HEOS」を操作して、Amazon Music HDやNASからのネットワーク再生、USBメモリからのファイル再生に対応する他、AirPlay 2対応 Bluetooth受信機能も備える。

また、デジタル回路部の音質も考慮されており、ジッターを最少化する超低位相雑音クロックをD/Aコンバーター回路の近くに搭載することで、クロック信号の精度と低ジッター化に配慮している。

次ページいよいよ試聴当日。しかし……

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