PRmmcx2.5とmmcx3.5をラインナップ
オーディオの基礎体力を強化する。コスパ抜群のサンシャイン・リケーブル「KIWAMI」「KIWAMI-GRANDE」
虚飾を排し、音質のみを徹底的に重視したアイテムがピュアオーディオファンの間で人気を博しているブランド、サンシャイン。同社からイヤホン・ファンに向けたリケーブル「KIWAMIシリーズ」が発売された。ピュアオーディオ再生のために投入したこだわりの技術を凝縮させたリケーブルの実力を、高橋 敦氏と林 正儀氏がレポートする。
金属の中でトップクラスに軽量かつ振動吸収性に優れるマグネシウムを用いたアクセサリーで名を知らしめたサンシャイン。であるが今ではそこにとどまらず、オーディオケーブルの分野においても特徴的な素材と処理による優れた製品を送り出していることもご存知の通りだ。となれば昨今の盛り上がりからして「イヤホンのリケーブルは出さないの?」との声が上がってくるのも当然。それに応えて登場したのが今回紹介するリケーブル製品「KIWAMI」「KIWAMI-GRANDE」である。
いきなりだが「実際どういう音なの?」の話から始めさせてほしい。というのもこのリケーブル、従来のリケーブル製品の多くとは得られる向上の傾向が異なり、ユーザー側が“どういった効果を期待して導入すべきか?”というところからして異なってくるからだ。
端的に言えば、このKIWAMIリケーブルによって得られる中で最大のものはS/Nの向上。その明確に体感できるレベルのS/N向上に付随して、情報量やダイナミックレンジも向上するというのが試聴時のイメージだ。その後にメーカーからの説明を聞いたところ、メーカーの設計意図もまさにそのS/Nの向上とのことだ。設計意図がユーザーに完璧に伝わってくる仕上がり、そこに到達させてくる開発力にも驚かされる。
さて、それを受けて考えてほしいのは、従来のリケーブル製品、特に音の変化を体感しやすいハイエンド製品においては、その変化は低域や高域の増減、音の硬軟といった、帯域バランスや音調の変化であることが多いということ。対してKIWAMIリケーブルは、イヤホン自体の音の傾向に大きな影響を及ぼすことはない。S/Nというオーディオの基礎体力部分を強化することで、そのイヤホン自体の音をより綺麗に引き出すというのが主な効果だ。
であるから、そのイヤホンの標準ケーブルが素直な特性のものであるなら特に、KIWAMIリケーブルで得られるのは、派手な変化ではなく、順当にして十分なアップグレードとなる。このイヤホンの音が好きだからこのイヤホンを愛用しているんだ!というユーザーの方こそ、イヤホンの音の個性はそのままにポテンシャルを引き出してくれるこういうリケーブルがほしかったんだ!と強く納得してくれることだろう。
ただしハイエンドイヤホンでは、ケーブル自体にも個性を持たせ、イヤホン本体とケーブルを合わせての音作りがされている製品も少なからず。その場合、KIWAMIへのリケーブルは順当な向上にはなりにくいかもしれない。標準装備ケーブルの特性を把握しておくというのはリケーブル全般での注意点であり、この製品に限っての話ではないが。
では、後回しにしていた技術面の紹介だ。導体は同社これまでのケーブル製品でもおなじみ、ディップフォーミング無酸素銅線。一般的な無酸素銅は精製過程で大量のシリコンを投入し、その作用で純度を引き上げているという。対して特殊な炉を用いることでシリコンを不使用としたのがディップフォーミング銅であり、音楽再生におけるその優位は同社既存製品で証明済みだ。そしてケーブル分岐部には期待通りマグネシウムが使用されている。狙いはもちろん振動抑制と、そして電磁波吸収だ。圧倒的S/Nに大きく貢献しているのはやはりこのマグネシウムなのだろう。
と、ここまでの仕様はKIWAMI全モデル共通。加えて「GRANDE」はこれに加えティグロン社の特許技術「D-RENリング」を装着したアッパーバージョン だ。低、中、高域用の帯域ごとにケーブルをバーンインする技術H.S.E.Grandeも投入した。
最後に使い勝手と価格設定について。KIWAMIリケーブルは比較的に細身かつ適度に硬めで弾性強めだ。おかげで絡みにくい。プラグ部は樹脂モールドでコンパクトかつ頑強である。
「Shure SE215クラスのイヤホンのユーザーにも手の届く価格帯に収めなければアクセサリーとして本末転倒」との考えからとのことだ。
正直、ぱっと見は地味なケーブルではある。しかし実力を知ればその雰囲気も質実剛健、頼もしいものに見えてくる。この印象の変化、ぜひ体験してみてほしい。
手の届く価格帯で、音質の基礎体力であるS/Nが強化される(高橋)
金属の中でトップクラスに軽量かつ振動吸収性に優れるマグネシウムを用いたアクセサリーで名を知らしめたサンシャイン。であるが今ではそこにとどまらず、オーディオケーブルの分野においても特徴的な素材と処理による優れた製品を送り出していることもご存知の通りだ。となれば昨今の盛り上がりからして「イヤホンのリケーブルは出さないの?」との声が上がってくるのも当然。それに応えて登場したのが今回紹介するリケーブル製品「KIWAMI」「KIWAMI-GRANDE」である。
いきなりだが「実際どういう音なの?」の話から始めさせてほしい。というのもこのリケーブル、従来のリケーブル製品の多くとは得られる向上の傾向が異なり、ユーザー側が“どういった効果を期待して導入すべきか?”というところからして異なってくるからだ。
端的に言えば、このKIWAMIリケーブルによって得られる中で最大のものはS/Nの向上。その明確に体感できるレベルのS/N向上に付随して、情報量やダイナミックレンジも向上するというのが試聴時のイメージだ。その後にメーカーからの説明を聞いたところ、メーカーの設計意図もまさにそのS/Nの向上とのことだ。設計意図がユーザーに完璧に伝わってくる仕上がり、そこに到達させてくる開発力にも驚かされる。
さて、それを受けて考えてほしいのは、従来のリケーブル製品、特に音の変化を体感しやすいハイエンド製品においては、その変化は低域や高域の増減、音の硬軟といった、帯域バランスや音調の変化であることが多いということ。対してKIWAMIリケーブルは、イヤホン自体の音の傾向に大きな影響を及ぼすことはない。S/Nというオーディオの基礎体力部分を強化することで、そのイヤホン自体の音をより綺麗に引き出すというのが主な効果だ。
であるから、そのイヤホンの標準ケーブルが素直な特性のものであるなら特に、KIWAMIリケーブルで得られるのは、派手な変化ではなく、順当にして十分なアップグレードとなる。このイヤホンの音が好きだからこのイヤホンを愛用しているんだ!というユーザーの方こそ、イヤホンの音の個性はそのままにポテンシャルを引き出してくれるこういうリケーブルがほしかったんだ!と強く納得してくれることだろう。
ただしハイエンドイヤホンでは、ケーブル自体にも個性を持たせ、イヤホン本体とケーブルを合わせての音作りがされている製品も少なからず。その場合、KIWAMIへのリケーブルは順当な向上にはなりにくいかもしれない。標準装備ケーブルの特性を把握しておくというのはリケーブル全般での注意点であり、この製品に限っての話ではないが。
では、後回しにしていた技術面の紹介だ。導体は同社これまでのケーブル製品でもおなじみ、ディップフォーミング無酸素銅線。一般的な無酸素銅は精製過程で大量のシリコンを投入し、その作用で純度を引き上げているという。対して特殊な炉を用いることでシリコンを不使用としたのがディップフォーミング銅であり、音楽再生におけるその優位は同社既存製品で証明済みだ。そしてケーブル分岐部には期待通りマグネシウムが使用されている。狙いはもちろん振動抑制と、そして電磁波吸収だ。圧倒的S/Nに大きく貢献しているのはやはりこのマグネシウムなのだろう。
と、ここまでの仕様はKIWAMI全モデル共通。加えて「GRANDE」はこれに加えティグロン社の特許技術「D-RENリング」を装着したアッパーバージョン だ。低、中、高域用の帯域ごとにケーブルをバーンインする技術H.S.E.Grandeも投入した。
最後に使い勝手と価格設定について。KIWAMIリケーブルは比較的に細身かつ適度に硬めで弾性強めだ。おかげで絡みにくい。プラグ部は樹脂モールドでコンパクトかつ頑強である。
「Shure SE215クラスのイヤホンのユーザーにも手の届く価格帯に収めなければアクセサリーとして本末転倒」との考えからとのことだ。
正直、ぱっと見は地味なケーブルではある。しかし実力を知ればその雰囲気も質実剛健、頼もしいものに見えてくる。この印象の変化、ぜひ体験してみてほしい。