PR徹底した振動対策などでさらに高音質化
CD再生もリッピングももっと高音質に。パイオニア新BDドライブ「BDR-X13J-X」レビュー
■試聴レビュー:従来機と聴き比べ。「音質は明らかに改善している」
ここまで紹介してきたさまざまな振動対策や音質改善策の効果を検証するために、BDR-X13J-Xで音楽CDを再生し、パソコンに接続したUSB-DACを介して再生音を従来機と聴き比べてみよう。
ドライブとパソコンの接続に使う専用ケーブルはUSB-Aタイプなので、付属のUSB Type-C変換アダプターを用いてMacBook Proに接続した。
結論から言うと、音質は明らかに向上している。一番わかりやすいのは静寂の底の深さと、静かななかから立ち上がる声や旋律楽器の立ち上がりが明瞭かつ素直になっていることで、その結果として弱音からフォルティッシモに至るダイナミックレンジが広がったように感じる。
強弱だけでなく静と動の対比も従来機に比べてはっきりと向上しているので、各楽器の動きが活性化して演奏のテンポ感や勢いなど、アクティブな面がより伝わりやすくなった。
オーケストラや近代のピアノ作品を聴くと、骨格が堅固に安定し、空間の広がりや低音の重心の低さなど、スケールの大きな描写を引き出していることに気付く。Hi-FiオーディオのCDプレーヤー専用機ではなく、PC用の光ドライブで再生していることを忘れさせるような腰の座ったサウンドで、オーケストラの全奏で繰り出す瞬発力と空気の動きなど、大いに感心させられた。
ヴォーカルは音色をきめ細かく鳴らし分け、表情の変化をていねいに引き出していることがわかる。伴奏のギターやピアノも強弱のグラデーションがなめらかで、声にかぶらないセパレーションの高さもしっかりとキープ。ベースがふくらまず一音一音が引き締まり、リズムの動きがもたつかない点にも好感を持った。
■「オーディオCDチェック機能」と大切なCDを保護する「音楽CDいたわりモード」
Windowsマシンとの接続時は、内蔵モデルで以前から対応していた「オーディオCD再生品質チェック機能」が、外付けモデルである本機でも利用できるようになった。エラー補間の発生頻度などを元にディスクの状態を判断し、分析した結果を4段階(A~D)で表示する機能で、再生品質に問題があると判断された場合は、ドライブの設定変更などを促してくれる。
Dと判断されるケースは限られると思うが、Cの状態でも正確な読み取りが難しい場合があるので、そのときはユーティリティソフトで「パーフェクトモード」から「マスターモード」に切り替えるなどの対策をとることになる。
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