12AX7と300Bを交換して聴き比べ!
知識ゼロからの「真空管交換」。“球転がし”で真空管アンプをもっと楽しもう!
真空管を交換することで、真空管アンプはもっと楽しくなる!
繊細で美しいガラス製の管球、そしてどこか心温まる響きに憧れて、真空管アンプを導入されている方も多いことでしょう。
このPHILE WEBでは以前、「知識ゼロからの真空管アンプ選び」と題しまして、初心者でもどんなことをポイントに導入すればいいのか、まずは真空管の種類やアンプの仕組みなどをお伝えしました。これから学んでみたいという方も、どうだったっけ?と復習したい方も、ぜひ読んでみてくださいね。
今回は、そこから一歩進んだ真空管アンプの楽しみ方をお届けします。お手持ちのアンプの真空管を、別のものに取り替えてみましょう!という提案です。俗に“球転がし”などとも言われますが、真空管を取り替えることによって、音はいったいどのくらい変わるのでしょうか!?
前回に引き続きご協力いただいたのは、真空管アンプメーカー「トライオード」の社長・山崎順一さんです。今年2023年に30周年を迎えたトライオードの記念モデルの真空管プリメインアンプ「EVOLUTION 300 30th Anniversary」(100台限定!)を試聴室にセッティングしてもらいました。
重厚感のあるクールなモデルです。この製品のポイントは、なんといっても出力管に、アメリカのウェスタン・エレクトリック社製の300Bを搭載しているところです。前段の入力管には、トライオード社のネットワークを生かして集められた良質なヴィンテージ管を挿した状態で購入者の元に届けられるとのこと。
通常、ヴィンテージ管というと、1980年代以前に作られた真空管を指すとのこと。軍用品として開発され、産業がもっとも賑わいのあった当時の製品は、ハイクオリティなものが多いそうです。
山崎さんによれば真空管にはものすごい数の種類があるそうで、山崎さん私物の付箋がいっぱい貼ってある辞書のような本には、ざっと500種類ほどの真空管が載っているのだとか。でも、現行品として実際に今でも一般的に使用されているのは、ほんの10〜30種類くらいだそうです。汎用性が高く、出力が高くて扱いやすいものが残っていったのです。
中でも「EVOLUTION 300」でも使用されている「12AX7」「12AU7」「300B」はメジャーで使いやすい真空管とのこと。筆者も自宅で使っているトライオード「TRV-A300XR」というモデルも、この3種類の球が使われています。
今回は「EVOLUTION 300」を用いて、実際に球を取り替えて試聴してみます。