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12AX7と300Bを交換して聴き比べ!

知識ゼロからの「真空管交換」。“球転がし”で真空管アンプをもっと楽しもう!

公開日 2023/03/02 06:40 飯田有抄
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真空管を交換することで、真空管アンプはもっと楽しくなる!



繊細で美しいガラス製の管球、そしてどこか心温まる響きに憧れて、真空管アンプを導入されている方も多いことでしょう。

このPHILE WEBでは以前、「知識ゼロからの真空管アンプ選び」と題しまして、初心者でもどんなことをポイントに導入すればいいのか、まずは真空管の種類やアンプの仕組みなどをお伝えしました。これから学んでみたいという方も、どうだったっけ?と復習したい方も、ぜひ読んでみてくださいね。

今回は、そこから一歩進んだ真空管アンプの楽しみ方をお届けします。お手持ちのアンプの真空管を、別のものに取り替えてみましょう!という提案です。俗に“球転がし”などとも言われますが、真空管を取り替えることによって、音はいったいどのくらい変わるのでしょうか!?

前回に引き続き、トライオード社長の山崎順一さんに「球転がし」のポイントを教えてもらうことに!

前回に引き続きご協力いただいたのは、真空管アンプメーカー「トライオード」の社長・山崎順一さんです。今年2023年に30周年を迎えたトライオードの記念モデルの真空管プリメインアンプ「EVOLUTION 300 30th Anniversary」(100台限定!)を試聴室にセッティングしてもらいました。

TRIODE「EVOLUTION 300 30th Anniversary」(1,100,000円/税込)。後段はウェスタン・エレクトリックの300B、前段にはヴィンテージの真空管が搭載されており、前段は何が当たるかお楽しみ(!?)

重厚感のあるクールなモデルです。この製品のポイントは、なんといっても出力管に、アメリカのウェスタン・エレクトリック社製の300Bを搭載しているところです。前段の入力管には、トライオード社のネットワークを生かして集められた良質なヴィンテージ管を挿した状態で購入者の元に届けられるとのこと。

ウェスタン・エレクトリックが現代に蘇らせた真空管「300B」。立派な木箱に収められており、なんと真空管としては前代未聞の5年保証をしていることもポイント

通常、ヴィンテージ管というと、1980年代以前に作られた真空管を指すとのこと。軍用品として開発され、産業がもっとも賑わいのあった当時の製品は、ハイクオリティなものが多いそうです。

山崎さんによれば真空管にはものすごい数の種類があるそうで、山崎さん私物の付箋がいっぱい貼ってある辞書のような本には、ざっと500種類ほどの真空管が載っているのだとか。でも、現行品として実際に今でも一般的に使用されているのは、ほんの10〜30種類くらいだそうです。汎用性が高く、出力が高くて扱いやすいものが残っていったのです。

山崎さんのバイブル、一木吉典の「オーディオ用真空管マニュアル」(ラジオ技術社)。珍しい真空管の情報も豊富で、真空管マニアにとって一家に一冊のバイブル的存在

中でも「EVOLUTION 300」でも使用されている「12AX7」「12AU7」「300B」はメジャーで使いやすい真空管とのこと。筆者も自宅で使っているトライオード「TRV-A300XR」というモデルも、この3種類の球が使われています。

今回は「EVOLUTION 300」を用いて、実際に球を取り替えて試聴してみます。

前半には初段の「12AX7」、後半には後段の「300B」を交換して音の違いを探ってみることに

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