公開日 2013/12/26 11:00
デノン「DCD-SX1」連続レポート<第3回>オーディオショップに反響を訊く:シマムセン編
人気オーディオショップに取材
[連続企画]デノン「DCD-SX1」集中レポート インデックスページはこちら>>
デノンから満を持して登場したフラグシップSACDプレーヤー「DCD-SX1」は、全国の販売店でも、売りの現場とオーディオファンの双方から様々なリアクションを持って迎えられた。本記事では、DCD-SX1に対するリアルな反応を探るべく人気販売店のスタッフに直撃インタビューを敢行した。デノンのディスクプレーヤー30年の集大成モデルは、オーディオショップ、そしてオーディオファンにどのような衝撃を与えたのだろうか。
シマムセン
浜岸千秋さん
―― DCD-SX1は今年8月に発表され、9月中頃に発売となりました。店頭から見たお客様の反応はどのようなものだったのでしょうか。
浜岸さん 発売直後の盛り上がりは、かなり大きなものでした。9月に開催したDCD-SX1の試聴会にも数多くのお客様が詰めかけ、立ち上がりが非常に良かったです。そして、秋のオーディオショウを経て、ここに来てまた伸びを見せています。今年は国内のメーカー各社から50万円前後のSACDプレーヤーが続々と登場してきたので、これらの製品を一通り確認した後にDCD-SX1の購入を決めた、という方もかなりいらっしゃったようです。
―― 他社製品と比較したり、ショウや店頭で実際の製品を確認したりした上でじっくり検討して購入を決めた方が多かったのですね。
浜岸さん そうです。それから、秋に一斉に発表される雑誌社などのグランプリの結果なども確認した上で、購入するモデルを決めるお客様が多いですね。実際にDCD-SX1を購入されたお客様は、すでに夏頃から本機を検討されていました。
―― 今年はこのクラスのハイエンドSACDプレーヤーが群雄割拠の様相です。ハイレベルな製品が揃っている中で、最終的にDCD-SX1を選ぶ決め手となったのは、どのようなポイントだったのでしょうか。
浜岸さん DCD-SX1は先代のフラグシップモデル「DCD-SX」から、「SX」の名前を引き継ぎ、様々な技術要素や機能を継承しました。その上で、「DCD-SX」を上回る精度を持つマスタークロックを搭載したことは、非常に大きなインパクトでした。
―― なるほど。
浜岸さん そして、デノンのモノづくりがロングライフになってきている点も見逃せません。5年以上ラインナップされているモデルも多く、お客様は長く使えるという安心感を持ってデノンの製品を選ぶことができます。例えば、DCD-SX1の前身モデル「DCD-SA1」に至っては、8年間にわたって高い評価を得ることができました。この価格の製品ですし、メーカーが簡単には後継モデルを出さないという点でも、ユーザーの支持を集めています。
―― 音質の点では、お客様はDCD-SX1にどのような印象をお持ちでしょうか。
浜岸さん 大らか、かつきめ細やかで、開放感があり、DCD-SX1のサウンドは幅広い年齢層のお客様に評価されています。そして何と言っても、「Advanced AL 32 Processing」による32bit対応というのは大きいですね。期待感も含め、32bit再生には依然として関心が集まっています。
価格についてはDCD-SA1(¥525,000)に比べると5万円ほど高くはなりましたが、当時と物価や為替レートも異なります。それに、同じようにロングライフになるのであれば、お客様も“値上げ”とは捉えられないでしょう。さらに、DCD-SX(¥840,000)に比べれば、価格は大幅に下回っています。DCD-SXも非常に素晴らしいモデルであり、DCD-SX1が全てにおいて匹敵しているとはあえて言いません。しかしながら、DCD-SX1はそれより25万円価格を抑えて、確実にそのレベルのサウンドに達しています。次のSACDプレーヤーを待ち望んでいたデノンファンにとっては、朗報だったはずです。
―― 本機はUSB-DAC機能を搭載し、192kHz/24bitのハイレゾ再生はもちろん、5.6MHzも含むDSD音源の再生にも対応しました。この点をお客様はどう見ているのでしょうか。
浜岸さん USB-DAC搭載は、昨今のオーディオ環境を考えると非常にタイムリーですが、USB-DACが装備されているという理由を第一に購入される方はまだまだ少ないですね。ただ、本機の購入をきっかけにファイル再生にチャレンジする方は多いでしょう。再生メディアの自由度が広がったことはやはり魅力です。
―― ハイレゾ再生やネットオーディオなどオーディオの潮流は様々な変化を迎えていますが、一方でディスクの人気も根強いです、こうした状況の中で、DCD-SX1はどのような存在になるのでしょうか。
浜岸さん パソコンやネットワークを使ったオーディオが人気を集めていますが、当店では依然としてディスクの人気が根強いです。もちろん、我々は一方でネットオーディオにも早くから取り組んできました。特に新しい世代にとっては、自由度が高くPCや携帯端末とも相性の良いネットオーディオは魅力的な存在です。
大げさな言い方かもしれませんが、様々な変化を向かえつつあるこのタイミングでSACDやCDの魅力をアピールできなければ、ディスクの未来は短いものになってしまうでしょう。逆に言えば、改めてディスクの良さを伝えることがきれば、まだまだディスクは主役になっていくと思います。デノンのDCD-SX1は、このようなオーディオのターニングポイントに、ディスク再生の未来を担うという役目を持って登場してきたモデルと言えるでしょう。
―― DCD-SX1は“ディスク再生30年の集大成”という言葉で語られますが、ディスク再生の今後も担っていく重要なモデルでもあるということですね。
浜岸さん オーディオにおいて、“アンプ”、“スピーカー”も大切ですが、より上流に位置する“プレーヤー”はまさに音楽の源と言えます。上流であるプレーヤーに新しい変化が起こると、良い意味でユーザーの音楽の好みも刷新されていきます。そして、その変化が下流のアンプやスピーカー、ひいてはオーディオ全体に波及していきます。DCD-SX1のようなディスクプレーヤーの登場は、その意味においても、オーディオ全体に良い影響を与えてくれるのではないでしょうか。
―― 本日はありがとうございました。
デノンから満を持して登場したフラグシップSACDプレーヤー「DCD-SX1」は、全国の販売店でも、売りの現場とオーディオファンの双方から様々なリアクションを持って迎えられた。本記事では、DCD-SX1に対するリアルな反応を探るべく人気販売店のスタッフに直撃インタビューを敢行した。デノンのディスクプレーヤー30年の集大成モデルは、オーディオショップ、そしてオーディオファンにどのような衝撃を与えたのだろうか。
シマムセン
浜岸千秋さん
―― DCD-SX1は今年8月に発表され、9月中頃に発売となりました。店頭から見たお客様の反応はどのようなものだったのでしょうか。
浜岸さん 発売直後の盛り上がりは、かなり大きなものでした。9月に開催したDCD-SX1の試聴会にも数多くのお客様が詰めかけ、立ち上がりが非常に良かったです。そして、秋のオーディオショウを経て、ここに来てまた伸びを見せています。今年は国内のメーカー各社から50万円前後のSACDプレーヤーが続々と登場してきたので、これらの製品を一通り確認した後にDCD-SX1の購入を決めた、という方もかなりいらっしゃったようです。
―― 他社製品と比較したり、ショウや店頭で実際の製品を確認したりした上でじっくり検討して購入を決めた方が多かったのですね。
浜岸さん そうです。それから、秋に一斉に発表される雑誌社などのグランプリの結果なども確認した上で、購入するモデルを決めるお客様が多いですね。実際にDCD-SX1を購入されたお客様は、すでに夏頃から本機を検討されていました。
―― 今年はこのクラスのハイエンドSACDプレーヤーが群雄割拠の様相です。ハイレベルな製品が揃っている中で、最終的にDCD-SX1を選ぶ決め手となったのは、どのようなポイントだったのでしょうか。
浜岸さん DCD-SX1は先代のフラグシップモデル「DCD-SX」から、「SX」の名前を引き継ぎ、様々な技術要素や機能を継承しました。その上で、「DCD-SX」を上回る精度を持つマスタークロックを搭載したことは、非常に大きなインパクトでした。
―― なるほど。
浜岸さん そして、デノンのモノづくりがロングライフになってきている点も見逃せません。5年以上ラインナップされているモデルも多く、お客様は長く使えるという安心感を持ってデノンの製品を選ぶことができます。例えば、DCD-SX1の前身モデル「DCD-SA1」に至っては、8年間にわたって高い評価を得ることができました。この価格の製品ですし、メーカーが簡単には後継モデルを出さないという点でも、ユーザーの支持を集めています。
―― 音質の点では、お客様はDCD-SX1にどのような印象をお持ちでしょうか。
浜岸さん 大らか、かつきめ細やかで、開放感があり、DCD-SX1のサウンドは幅広い年齢層のお客様に評価されています。そして何と言っても、「Advanced AL 32 Processing」による32bit対応というのは大きいですね。期待感も含め、32bit再生には依然として関心が集まっています。
価格についてはDCD-SA1(¥525,000)に比べると5万円ほど高くはなりましたが、当時と物価や為替レートも異なります。それに、同じようにロングライフになるのであれば、お客様も“値上げ”とは捉えられないでしょう。さらに、DCD-SX(¥840,000)に比べれば、価格は大幅に下回っています。DCD-SXも非常に素晴らしいモデルであり、DCD-SX1が全てにおいて匹敵しているとはあえて言いません。しかしながら、DCD-SX1はそれより25万円価格を抑えて、確実にそのレベルのサウンドに達しています。次のSACDプレーヤーを待ち望んでいたデノンファンにとっては、朗報だったはずです。
―― 本機はUSB-DAC機能を搭載し、192kHz/24bitのハイレゾ再生はもちろん、5.6MHzも含むDSD音源の再生にも対応しました。この点をお客様はどう見ているのでしょうか。
浜岸さん USB-DAC搭載は、昨今のオーディオ環境を考えると非常にタイムリーですが、USB-DACが装備されているという理由を第一に購入される方はまだまだ少ないですね。ただ、本機の購入をきっかけにファイル再生にチャレンジする方は多いでしょう。再生メディアの自由度が広がったことはやはり魅力です。
―― ハイレゾ再生やネットオーディオなどオーディオの潮流は様々な変化を迎えていますが、一方でディスクの人気も根強いです、こうした状況の中で、DCD-SX1はどのような存在になるのでしょうか。
浜岸さん パソコンやネットワークを使ったオーディオが人気を集めていますが、当店では依然としてディスクの人気が根強いです。もちろん、我々は一方でネットオーディオにも早くから取り組んできました。特に新しい世代にとっては、自由度が高くPCや携帯端末とも相性の良いネットオーディオは魅力的な存在です。
大げさな言い方かもしれませんが、様々な変化を向かえつつあるこのタイミングでSACDやCDの魅力をアピールできなければ、ディスクの未来は短いものになってしまうでしょう。逆に言えば、改めてディスクの良さを伝えることがきれば、まだまだディスクは主役になっていくと思います。デノンのDCD-SX1は、このようなオーディオのターニングポイントに、ディスク再生の未来を担うという役目を持って登場してきたモデルと言えるでしょう。
―― DCD-SX1は“ディスク再生30年の集大成”という言葉で語られますが、ディスク再生の今後も担っていく重要なモデルでもあるということですね。
浜岸さん オーディオにおいて、“アンプ”、“スピーカー”も大切ですが、より上流に位置する“プレーヤー”はまさに音楽の源と言えます。上流であるプレーヤーに新しい変化が起こると、良い意味でユーザーの音楽の好みも刷新されていきます。そして、その変化が下流のアンプやスピーカー、ひいてはオーディオ全体に波及していきます。DCD-SX1のようなディスクプレーヤーの登場は、その意味においても、オーディオ全体に良い影響を与えてくれるのではないでしょうか。
―― 本日はありがとうございました。
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