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公開日 2016/02/12 11:04

米Comply幹部インタビュー。ハイレゾ時代のイヤーチップ開発思想とは?

【特別企画】今後の新製品構想も
記事構成:ファイル・ウェブ編集部
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Comply(コンプライ)は、イヤホンに装着する交換用のフォームチップを手がける米国のブランド。その製品は、日本のイヤホンリスナーからも長年高い評価を得ている。今回当サイトでは、来日していた米Comply社のCOO ジェネラルマネージャーであるサド・オルソン氏に特別インタビューを実施した。オルソン氏は、これまでのフォームチップ開発から、最新製品に対する構想など、コンプライの最新のものづくりについて語った。

コンプライのフォームチップ。様々なブランドのイヤホンに取り付けられる

サド・オルソン氏

■イヤホンリスニングを豊かにする、コンプライの“ものづくり”

−− 今回は、コンプライブランドの“ものづくり”について、これまでのこだわりから最新の思想まで伺っていきたいと思います。オルソンさんは元々はエンジニアで、コンプライではフォームチップの開発に携わっていたと聞きました。

サド・オルソン氏(以下、オルソン氏): はい。現在はジェネラルマネージャー職ですが、もともと私は物理学専攻でエンジニア出身なんです。コンプライではずっとR&D分野を担当していまして、「Tシリーズ」の開発時から携わっています。同時に、コンプライ全体の運営にも関わってきました。

−− Tシリーズは、現在コンプライが手掛けるフォームチップのいわゆる“スタンダードモデル”に位置づけられている製品ですよね。その他に縦長形状の「Pシリーズ」や、耳垢ガードがついた「Txシリーズ」など、ユーザーの好みにあわせた多彩な製品がラインナップされています。

Tシリーズ

Pシリーズ

オルソン氏: ええ。コンプライのコンシューマー向けフォームチップによって、ユーザーが自分のイヤホンのチップを変えられるようになったことは、大きな変革だったと思います。

−− 今では、イヤホンファンの間でコンプライのフォームチップの評判は本当に高いです。

オルソン氏: イヤーチップ交換による効果は、言葉の説明だけではわかりにくいので、実際にその効果を実感された方からだんだん評判が広まっていったと思います。Tシリーズの試作中に、一般のイヤホンユーザーさんに試作品を使って頂いたことがあったんですが、皆さん一様に音の聴こえ方が向上してびっくりしていたのを覚えています。

インタビューにこたえるオルソン氏

−− これまで、フォームチップ開発の際に重視してきたことはどんなことですか?

オルソン氏: フォーム素材、つまり発泡剤の開発時には、いかに遮音性を高くできるか、耳にフィットできるか、耐久性を高められるか、それらを常に念頭に置いてきました。そして、「チップが音楽に影響を与えないようにする」ことですね。また、製品化の際には、できるだけ多くの方の声を聞いて、市場のニーズに応えることを優先しています。たくさんのユーザーの声を聞いて、コンプライ社内では営業やエンジニア、製造など色んなセクションから製品アイデアが出てくるので、とりあえず1つ1つ試してみて進めています。

コンプライのフォームチップは、熱によって柔らかくなる発泡素材を採用。耳に入れると、体温で柔らかくなり、耳穴の形にぴったりフィットする

−− そんな開発の歴史の中で「これはチャレンジだった」と思うことはありますか?

オルソン氏: 最初に浮かぶのは、Tシリーズに耳垢ガードをつけたTxシリーズですね。フォームチップに耳垢ガードを付けることは、生産上かなりのチャレンジでした。しかし、発売後すぐに耳垢ガード付きの製品が売れ行きの50%を占めるようになりました。市場に受け入れられたことを実感しましたし、イヤホンユーザーの皆さんはこういうイヤーチップを欲していたんだなと思いました。

Txシリーズ

Txシリーズの断面図

−− 耳垢ガードをつけるアイデアはどうやって生まれたんですか?

オルソン氏: 元々コンプライは補聴器関連製品の開発を行っていまして、「補聴器用の耳垢ガードを、イヤーチップにも応用してみたら良いのでは?」というアイデアが社内で生まれたんです。ちなみにイヤホン用の耳垢ガードは、補聴器用と素材の厚みを変えるなど工夫しています。

−− そうなんですね。ちなみにオルソンさん自身も、イヤホンでの音楽リスニングの際には自社製品を使っているんですか?

オルソン氏: もちろん使っています。ジムに行ってイヤホンで音楽を聴きながら運動することが多いんですが、コンプライのフォームチップはフィット性が高いので抜けにくいですし、遮音性も高いので自分の世界に没頭できるんですよ。スポーツのときはSシリーズ、飛行機に乗るときはさらに遮音性の高いTシリーズを使用するなど、シーンによって使い分けています。

Sシリーズ

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