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公開日 2007/08/21 11:58

【特別企画】Win/Mac両対応になったマクセル“Vraison”をPhile-web読者が体験!

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「季刊・オーディオアクセサリー」誌との連動企画
本レポートはオーディオアクセサリー126号(8/21発売)にも掲載中!


MP3など圧縮された音声を高品位に再生するPC用高音質化ヘッドホン、“Vraison(ヴレソン)”を、本誌読者に実際に使っていただきレポートしてもらう企画第2弾をここにお送りする(第1弾はこちら)。Windows対応だったVraisonが、このたびMacintoshにも対応したことにも注目!

ヴレソンは高域補間に加えビット拡張で音質改善する

ヴレソンは、デジタル圧縮された音楽データを、高い音質で聴かせてくれる画期的なヘッドホンだ。圧縮音源は概して、高域と弱音の情報が切り捨てられてしまう。従来の改善技術は、高域をCD並み(22kHzまで)に補間し、弱音部のノイズを除去するというものが主流であったが、今回、マクセルが開発したビットレボリューション技術は、48kHzまでの高域補間(註)と24bit相当へのビット拡張により音質改善を図り、結果、SACDに迫る音質で楽しむことができるというものである。そのビットレボリューションを搭載したのがヴレソンシリーズである。

Vraison ハイエンドグレード/オーバーヘッドホン型 「HP-U48.OH-BK」¥OPEN(予想実売価格30,000円前後)

本機に付属するコントローラー

ヴレソンのヘッドホンは、パソコンから音楽を再生する時に使うものである。基本的なしくみは、ビットレボリューション技術を組み込んだ専用ドライバソフトをパソコンにインストールし、音質改善された音声信号をUSB端子経由でデジタル出力、付属コントローラーでD/A変換し、アナログ信号をヘッドホンに伝送するというもの。コントローラーにはヘッドホン用端子のほかライン出力も備えられており、お手持ちのオーディオコンポに接続して聴くこともできる。

ドライバソフトは48kHzまで(註)の信号帯域の拡大と24bit相当のビット拡張に加え、ユーザー個人に合わせて聴覚感度を測定し、補正曲線を利用した聴覚感度補正も行ってくれるのが特徴。高音の聴こえ方が気になる方はとくに重宝する機能だ。

ビットレボリューションの高域補間イメージ。MP3は16kHz程度、CDは22kHz低後以上がカットされているが、それらを48kHzまで補間する

音楽データの解析や補間データの生成には高い演算能力を必要とするため、パソコンに要求する性能も高い。対応するPC環境は別枠のとおり。これまでWindows対応のみであったが、この夏にMacintoshにも対応となった(ダウンロードページ)。

ヴレソンのヘッドホンの効果の確かさは、製品の性格上、実際に使ってみなければ分からない。そこで、使ってみた方の生の声を伝えることを目的に、以下のようにモニターレポートをお寄せいただいた。

コンサートホールに響く、生の音に近い。
だからヴレソンを聴いて、かえってコンサートに行きたくなってしまった。


SACDに迫る高音質なんて大げさかと思っていたが・・・

20年来のクラシックファンの私は、今までパソコンで音楽を聴くことなど考えたこともなかった。もちろん、人並み以上に関心は持っていて、iPodが出るずっと前、誰もmp3なんてことを言い出さなかったときに試してみたこともある。しかし音があまりにひどく、「もともとオーディオ機器じゃないもので音楽を聴くのが間違いなのだ」と思い、やめてしまった。

そもそも目の前にCDがあるのに、何でパソコンに取り込む必要があるの? と思うと、必要性を感じなかった。一番はコンサートに行って生の演奏を聴くこと、二番目は家のハイファイオーディオできちんと聴くことで、三番目以降は眼中になかった。


瓜生 崇さん:滋賀県在住 結婚してからオーディオでゆっくり過ごせなくなっていた瓜生さんだが、Vraisonで音楽生活が充実。ヘッドホンをしているパパをみて、ご家族も「貸して」と興味しんしん
しかし就職して仕事が忙しくなると、コンサートに行く機会は殆ど失われてしまう。さらに結婚して家のオーディオでゆっくりと音楽を聴くという機会も失われた。音楽を堪能している時に、近所迷惑だと言って勝手にボリュームを下げたり、隣で平気で掃除機をかける妻の圧力に抗し切れなくなったのである。

ならばヘッドホンでいいものはないかしらと考えていたときにヴレソンのことを知った。

「SACDに迫る高音質!」なんて宣伝文句を見ていると、「大げさすぎだろ!」と思ったけど、いざ届いたヴレソンを銀色のMacProにつないで聴いてみると、これはひょっとして大げさではないかも、と思った。

なんじゃこりゃあ!ものすごく良い音だ

聴いたのは、AAC192kbpsでエンコードした、ヴァント指揮ベルリンフィルのブルックナー交響曲第五番。Bit-Revolutionをオン(ナチュラル)にすると、まさに「なんじゃこりゃあ」という感じ。一言で言うと「劇的」。バイオリンの音が格段に艶やかになる。金管も、打楽器も。高域だけでなく、コントラバスやティンパニーといった低音の楽器も、輪郭がハッキリしてかっちり聴こえる。

ロスレスで取り込んでみるとさらに素晴らしかった。一つ一つの弦が目の前で震えているような感覚。圧縮で失われた音を取り戻すというのもそうだけど、ヴレソンの真価は「ロスレス」の音源を聴くときに発揮されると思う。圧縮音源を聴いたときのどことなくざらっとした感じが消えうせて、フォルテシモでも音の輪郭が崩れない。ラインアウトでちゃんとしたオーディオにつないでもまったく遜色ないどころか、普通のCDプレーヤーにつなぐよりもさわやかで気持ちがいい。

最初は何か作り物っぽい不自然さも感じたが、しばらく聴いていると、実はこの音が本当の音だったのかしらと思う。普通にオーディオにヘッドホンをつないでも全然悪くないし、もちろんいい音で聴けるんだけれども、ヴレソンのそれとは別物という感じ。金管が一斉に鳴ったときにあのぞくっとするような感覚、弦楽四重奏曲の静かで豊かな響き。聴きなれたCDのどれもが新鮮に聴こえ思わず引き込まれる。コンサートホールに響く、あのわくわくするような生の音に近い。だからヴレソンを聴いて、かえってコンサートに行きたくなってしまった。

いい音で聴きたいがためにパソコンで聴くようになった


自宅(Windows)のみならず、会社(Macintosh)にも持ち込んで聴いてみた瓜生さん。もちろん定時まわってからのお楽しみタイムです
今まではパソコンで聴けば音質が悪化すると思っていたが、ヴレソンを手に入れると、逆にいい音で聴きたいがためにパソコンで聴くようになる。パソコンってこんなことにも使えるんだと驚くとともに、この技術を使ったCDプレーヤーかデジタルアンプがあれば、どんなにか素敵なのにと思った次第。

最後に一つ、パソコンに音楽DVDを入れてヴレソンで聴くのが痛快でたまらない。例えばラトル指揮ベルリン・フィルのマーラー5番。音質の良さから映像まで引き締まって見える感じがするし、最終楽章の金管のコラールなんて実に刺激的で鳥肌もの。夜中パソコンに向かってニタニタしながらヘッドホンをつけている私は、妻からどう思われているのだろうか。それだけが気になる今日この頃である。


【Vraisonに対応するPC】
 <Windows>
 ・対応OS:Windows XP(SP2)日本語版
 ・CPU:IntelPentiumIV 1.6GHz以上(Intel Pentium IV・2.4GHz以上を推奨)
 ・ メモリ:256MB以上(512MB以上を推奨)
 ・ 対応USB端子:規格Rev.1.1に準拠したUSBポート標準装備のPC/AT互換機 (Intel製USBホストコントローラ推奨)
 <Macintosh>
 ・対応OS:MacOS X10.4以降日本語版がインストールされたMacintoshコンピューター
 ・ CPU:PowerPC G4(800MHz以上)、G5 またはIntelプロセッサ
 ・ メモリ: 512MB以上
 ・対応USB端子:USB規格Rev.1.1に準拠した電源供給可能なUSBポート(USB規格Rev.2.0でも使用可)


註:Vraisonにはハイエンドグレートとスタンダードグレードの2種がある。ハイエンドグレードは48kHzまでの高域補間、24bitまでのスムージングに対応、一方、スタンダードグレードは24kHzまでの高域補間、16bitまでのスムージングに対応している。今回モニターいただいたのはハイエンドグレード。なお、スタンダードグレードは、ヘッドホンもやや小ぶりのものとなる

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