公開日 2010/03/17 13:00
【更新】B&W「800 Series Diamond」4月から順次発売 − 全機種ダイヤモンドトゥイーターで磁気回路も刷新
「800シリーズの最終版」
マランツ コンシューマー マーケティングは、英B&W「800シリーズ」の後継機として、全モデルがダイヤモンドトゥイーターを搭載した「800 Series Diamond」を4月から順次販売開始する。
いずれの機種もチェリーウッド、ローズナット、ピアノブラックグロスの3色をラインナップ。サランネットはどの色もブラッククロス仕様となっている。型名と価格、発売時期は以下の通り。
【メインスピーカー】 ※価格はすべて1本/税込
・「800 Diamond」¥1,785,000(チェリー/ローズ)/¥1,890,000(ブラック)
・「802 Diamond」¥1,008,000(チェリー/ローズ)/¥1,050,000(ブラック)
・「803 Diamond」¥714,000(チェリー/ローズ)/¥756,000(ブラック)
・「804 Diamond」¥546,000(チェリー/ローズ)/¥577,500(ブラック)
・「805 Diamond」¥294,000(チェリー/ローズ)/¥315,000(ブラック)
【センタースピーカー】 ※価格は1本/税込
・「HTM2 Diamond」¥651,000(チェリー/ローズ)/¥693,000(ブラック)
・「HTM4 Diamond」¥367,500(チェリー/ローズ)/¥399,000(ブラック)
【サブウーファー】
・「DB1」価格未定 発売時期未定
■800 Series Diamondのラインナップ
本日、恵比寿のD&Mショールームで記者発表会が開催され、B&Wのエンジニアとしておなじみのジョン・ディブ博士とマランツ製品の音質を管理する澤田龍一氏が、製品の具体的な変更点についてくわしく解説した。まずはラインナップ構成について見ていこう。
800 Series Diamondはいずれも、これまでの800シリーズのデザインコンセプトとスピーカー構成を継承している。
フラグシップの800 Diamondは3ウェイ4スピーカーで、25mmのトゥイーターと150mmのFSTミッドレンジ、そして250mmのウーファーを2基搭載している。
802 Diamondも3ウェイ4スピーカー。トゥイーターとFSTミッドレンジは800と同様だが、ウーファーは200mm径×2基となっている。
803 Diamondは3ウェイ5スピーカーとなる。トゥイーターとミッドレンジは上位機を継承しつつ、180mmのウーファーを3基備えている。
804 Diamondは、804として初めてダイヤモンドトゥイーターを装備した3ウェイ4スピーカーモデル。FSTミッドレンジは他モデルと同様に150mmで、ウーファーは165mm×2となっている。
805 Diamondは25mmのダイヤモンドトゥイーターに加え、165mmのFSTミッド・ウーファーを備えた2ウェイ2スピーカーだ。
なお、今回のシリーズには801 Diamondがラインナップされていないが、これは「801を欲しいというお客様は、結局最上位の800を買われるケースが多い。またウーファーが大型なので、これに対応するためのユニットを作るコストも必要になることから、今回は欠番とした」(澤田氏)という。
■トゥイーターの磁気回路を大幅刷新
メインスピーカーとセンタースピーカーは前述の通り、全モデルがダイヤモンドトゥイーターを搭載したほか、全ユニットの磁気回路を変更した点が最大の注目点となる。
まずトゥイーターには新たに「クアッド・マグネット磁気回路」を搭載。これまでは1つのマグネットを使っていたが、これを一気に4つに増やした。追加されたマグネットはボトムプレートの裏側とトッププレート、ボールピース上の3箇所に搭載されている。
マグネットを増やした理由は大きく二つ。一つは磁束密度を高めることで、「マグネットを大きくするだけでは磁束漏洩が増えるだけで、それほど磁束密度は上がらない。4つのマグネットによって磁路を閉じ込め、ギャップにおける磁束密度を高めた」(ディブ博士)という。これは能率や音圧の向上に貢献する。
もう一つの理由は均一な磁束密度が得られることで、「これによって歪みが非常に少なくなり、両側のヨークが飽和しているので、磁気変調を起こさないという利点もある」と同社では説明。なお、磁路をほかのマグネットで蓋をして磁束密度を高めるという磁気回路は、B&W独自の発想によるもので、B&Wも「過去に聞いたことがない」とのこと。
なお、トゥイーターの振動板に使われているダイヤモンドドームそのものは従来の800Dシリーズと同じだが、エッジの材料は新しいものに変更された。「ダイヤモンドドームは非常に硬いので、エッジが常に同じモードで動いているわけではない。新エッジを採用することにより、逆向きになってしまう周波数帯を高くした」(ディブ博士)。これにより、高周波数帯域での指向性が広くなったという。
さらにダイヤモンドトゥイーターを新たに搭載した804 Diamondと805 Diamondは、トゥイーターのハウジングもメタル製に変更している。
■ウーファーはネオジウムマグネットをダブルで搭載
800 Series Diamondのウーファーは、振動板そのものはロハセルで、これまでと同じものを採用している。ただしトゥイーターと同様、磁気回路は大きく進化している。
まず、同社製ウーファーのマグネットとして初めてネオジウムを採用。これが大きな変更点の一つだ。
さらに特筆すべきは、ネオジウムマグネット2つを対称配置にした「デュアルマグネット」構造を採用したこと。これによりリニアなストロークが維持され、歪みが抑えられるという。
具体的には、磁束密度を表した図を見るとよく理解できる。従来の磁気回路では、プレートの中は比較的均一な磁束だが、上と下に飛び出した部分が均一ではないことがわかるだろう。ストロークはプレートの外側にも出ることがあるので、このような場合では、ストロークが出る際と引き込む際の磁束が同じではなくなる。
これに対して新たな磁気回路では、プレートの中の磁束密度は均一で、プレートの外の磁束の漏れも対称となっているので、前後のストロークで力が変わらないという利点が生まれる。これによって、低域歪みは10dBほど下がったという。
またウーファーの磁気回路では、コイルの直径を大きくしたほか、コイルの巻幅も長くなり、ボビンも長くした。さらに「ボビンの強度も著しく上がっている」(ディブ博士)。これらの工夫により、ロングストロークが得られる長い磁気回路となったという。なお、ダンパーにも変更が加えられ、「フリーなストロークによって滑らかで自然な低域が得られる」(ディブ博士)と説明している。
なお、800 Diamondについては、ボイスコイルの口径を100mmから75mmに下げているという。澤田氏はこの理由について、「75mmでも強度的に問題はないし、効率が良いのも利点。逆に25cmのユニットで100mm口径のボイスコイルを用いるとダンパー幅がとれず、ストロークが得にくい」と説明している。
■細かな改善が加えられたFSTミッドレンジユニット
なお、FSTミッドレンジユニットは従来通り振動板にケブラーファイバーコーンを採用。ディブ博士によると、「B&Wは1974年にケブラーコーンを使って以来、採用し続けている。ミッドレンジはいまでもケブラーがベストと判断している」という。
ただし細かな点には改善が加えられている。まず、磁気回路のボトムヨークは、これまでのようにパーツを組み合わせるのではなく、本シリーズでは鍛造によって一体成型で作っているという。これにより分子が同じ方向に並び、音質にも良い影響を与えるという。
そのほか、デザインで印象的なエスカッションリングを乗せる段差を作るため、ユニットのフレームは新規に起こした。さらにフェーズプラグもブラックからアルミカラーに色を変更し、よりスタイリッシュに仕上げたという。
■クロスオーバーやターミナルも音質を追求
またクロスオーバーについても、基本的な構成は変わっていないが、高品位なパーツを採用して品位を高めた。具体的には、トゥイーター用のコンデンサーに、独ムンドルフの「M-CAP Supreme Silver/gold/oil」を採用。市販価格は25,000円以上という高級品で、内部にオイルダンパーを設けることで適度なダンピングが加わり、微細な振動を抑えているという。ほかにミッドレンジとウーファーについては、最高品位のoilバージョンではないものの、その下のグレードのものを採用しているという。
ターミナルとリンクケーブルにも変更が加えられた。従来の800シリーズでは、ターミナルにWBT製の真鍮のものを使っていた。800 Series Diamondでは、真鍮より導電性能が優れたものを作ろうと、独自設計のOFC削り出しターミナルを開発し、採用した。ターミナルと内部配線の接続もハンダでなく圧着を使ったという。そのほか、リンクケーブル端子にもOFCを採用している。
外観では、これまでのブラックアッシュに代えてピアノブラック仕様を導入したことが最大の変更点。またユニットの周りにシルバーリングをあしらい、新しいイメージを演出している。サランネットは、形状は従来と同様だが、取り付けはCMシリーズなどと同じマグネットキャッチ式に変更された。なお、澤田氏によると、新モデルではグリルのあり/なしによる音質の差が、従来モデルより格段に大きいという。このため、B&Wでは「グリルを外して聴いて欲しい」とアドバイスしているとのことだ。
■800 Series Diamondに最適なサブウーファー
「DB1」は、300mm径のロングスロー・コーンウーファーを2基搭載したアクティブ型サブウーファー。アンプ出力は1,000W。音場補正機能やグライコ、5つのプリセットなどの機能も搭載している。本体色はブラックのみ。
■「800シリーズの最終版で市場に喝を入れる」
本日行われた発表会では冒頭、マランツ コンシューマー マーケティング 代表取締役の高山敬史氏が挨拶した。
同氏は初めに、同社とB&Wの関わりについて改めて説明。「1993年8月からB&W社の代理店業務を引き継ぎ、同年にノーチラスを発表した。1998年には、今回の新モデルのベースとなるノーチラス800シリーズを発表。これがハイエンドスピーカーのルールブックを塗り替えたと自負している」とし、さらに「2005年にはダイヤモンド・トゥイーターを搭載した800Dシリーズを発表し、これもヒットを記録した。そして今年、800シリーズの最終版とも言える、すべての機種にダイヤモンドトゥイーターを搭載したモデルを登場させる」と述べた。
また同氏はオーディオ機器の市場背景について「リーマンショック以降厳しい」としながらも、「同時に『節約疲れ』という言葉もちらほら聞かれるようになってきた」と述べ、同社の直近の状況を紹介した。
「今年1〜2月の前年同期比は、出荷個数は93%と減ったものの、収入は103%と増えた。つまり平均出荷単価が上がっているということだ。また、旧800シリーズは高額製品ながら、カスタムインスタレーション向けの予約も含め、すでに完売状態だ」と高山氏は述べ、「さらにプリメインアンプのフラグシップ機「PM-11S2」で見ても、2009年10月から今年2月までの売上げ前年同期比が112%と伸びている」とし、「趣味製品については『欲しいものは絶対欲しい』という考えが出てきたのではないか」と推測した。
このような状況のもと、同社では800 Series Diamondに大きな期待をかけ、拡販に力を入れていく。「B&Wは世界のハイエンドスピーカーで首位の座を維持しており、30%のシェアを持っている。主要単品コンポのなかで最大市場であるスピーカーで、市場全体に喝を入れる」とした。
また同社では、マランツとB&W、オーディオクエスト製品で構成したシステム提案「Music Dialog」についても引き続き注力。ラインナップを6種類用意するほか、カタログも2種類を制作する予定という。「システム訴求による新規ユーザー獲得、高付加価値訴求を図っていきたい」(高山氏)。
【問い合わせ先】
(株)マランツ コンシューマー マーケティング
お客様ご相談センター
TEL/03-3719-3481
いずれの機種もチェリーウッド、ローズナット、ピアノブラックグロスの3色をラインナップ。サランネットはどの色もブラッククロス仕様となっている。型名と価格、発売時期は以下の通り。
【メインスピーカー】 ※価格はすべて1本/税込
・「800 Diamond」¥1,785,000(チェリー/ローズ)/¥1,890,000(ブラック)
・「802 Diamond」¥1,008,000(チェリー/ローズ)/¥1,050,000(ブラック)
・「803 Diamond」¥714,000(チェリー/ローズ)/¥756,000(ブラック)
・「804 Diamond」¥546,000(チェリー/ローズ)/¥577,500(ブラック)
・「805 Diamond」¥294,000(チェリー/ローズ)/¥315,000(ブラック)
【センタースピーカー】 ※価格は1本/税込
・「HTM2 Diamond」¥651,000(チェリー/ローズ)/¥693,000(ブラック)
・「HTM4 Diamond」¥367,500(チェリー/ローズ)/¥399,000(ブラック)
【サブウーファー】
・「DB1」価格未定 発売時期未定
■800 Series Diamondのラインナップ
本日、恵比寿のD&Mショールームで記者発表会が開催され、B&Wのエンジニアとしておなじみのジョン・ディブ博士とマランツ製品の音質を管理する澤田龍一氏が、製品の具体的な変更点についてくわしく解説した。まずはラインナップ構成について見ていこう。
800 Series Diamondはいずれも、これまでの800シリーズのデザインコンセプトとスピーカー構成を継承している。
フラグシップの800 Diamondは3ウェイ4スピーカーで、25mmのトゥイーターと150mmのFSTミッドレンジ、そして250mmのウーファーを2基搭載している。
802 Diamondも3ウェイ4スピーカー。トゥイーターとFSTミッドレンジは800と同様だが、ウーファーは200mm径×2基となっている。
803 Diamondは3ウェイ5スピーカーとなる。トゥイーターとミッドレンジは上位機を継承しつつ、180mmのウーファーを3基備えている。
804 Diamondは、804として初めてダイヤモンドトゥイーターを装備した3ウェイ4スピーカーモデル。FSTミッドレンジは他モデルと同様に150mmで、ウーファーは165mm×2となっている。
805 Diamondは25mmのダイヤモンドトゥイーターに加え、165mmのFSTミッド・ウーファーを備えた2ウェイ2スピーカーだ。
なお、今回のシリーズには801 Diamondがラインナップされていないが、これは「801を欲しいというお客様は、結局最上位の800を買われるケースが多い。またウーファーが大型なので、これに対応するためのユニットを作るコストも必要になることから、今回は欠番とした」(澤田氏)という。
■トゥイーターの磁気回路を大幅刷新
メインスピーカーとセンタースピーカーは前述の通り、全モデルがダイヤモンドトゥイーターを搭載したほか、全ユニットの磁気回路を変更した点が最大の注目点となる。
まずトゥイーターには新たに「クアッド・マグネット磁気回路」を搭載。これまでは1つのマグネットを使っていたが、これを一気に4つに増やした。追加されたマグネットはボトムプレートの裏側とトッププレート、ボールピース上の3箇所に搭載されている。
マグネットを増やした理由は大きく二つ。一つは磁束密度を高めることで、「マグネットを大きくするだけでは磁束漏洩が増えるだけで、それほど磁束密度は上がらない。4つのマグネットによって磁路を閉じ込め、ギャップにおける磁束密度を高めた」(ディブ博士)という。これは能率や音圧の向上に貢献する。
もう一つの理由は均一な磁束密度が得られることで、「これによって歪みが非常に少なくなり、両側のヨークが飽和しているので、磁気変調を起こさないという利点もある」と同社では説明。なお、磁路をほかのマグネットで蓋をして磁束密度を高めるという磁気回路は、B&W独自の発想によるもので、B&Wも「過去に聞いたことがない」とのこと。
なお、トゥイーターの振動板に使われているダイヤモンドドームそのものは従来の800Dシリーズと同じだが、エッジの材料は新しいものに変更された。「ダイヤモンドドームは非常に硬いので、エッジが常に同じモードで動いているわけではない。新エッジを採用することにより、逆向きになってしまう周波数帯を高くした」(ディブ博士)。これにより、高周波数帯域での指向性が広くなったという。
さらにダイヤモンドトゥイーターを新たに搭載した804 Diamondと805 Diamondは、トゥイーターのハウジングもメタル製に変更している。
■ウーファーはネオジウムマグネットをダブルで搭載
800 Series Diamondのウーファーは、振動板そのものはロハセルで、これまでと同じものを採用している。ただしトゥイーターと同様、磁気回路は大きく進化している。
まず、同社製ウーファーのマグネットとして初めてネオジウムを採用。これが大きな変更点の一つだ。
さらに特筆すべきは、ネオジウムマグネット2つを対称配置にした「デュアルマグネット」構造を採用したこと。これによりリニアなストロークが維持され、歪みが抑えられるという。
具体的には、磁束密度を表した図を見るとよく理解できる。従来の磁気回路では、プレートの中は比較的均一な磁束だが、上と下に飛び出した部分が均一ではないことがわかるだろう。ストロークはプレートの外側にも出ることがあるので、このような場合では、ストロークが出る際と引き込む際の磁束が同じではなくなる。
これに対して新たな磁気回路では、プレートの中の磁束密度は均一で、プレートの外の磁束の漏れも対称となっているので、前後のストロークで力が変わらないという利点が生まれる。これによって、低域歪みは10dBほど下がったという。
またウーファーの磁気回路では、コイルの直径を大きくしたほか、コイルの巻幅も長くなり、ボビンも長くした。さらに「ボビンの強度も著しく上がっている」(ディブ博士)。これらの工夫により、ロングストロークが得られる長い磁気回路となったという。なお、ダンパーにも変更が加えられ、「フリーなストロークによって滑らかで自然な低域が得られる」(ディブ博士)と説明している。
なお、800 Diamondについては、ボイスコイルの口径を100mmから75mmに下げているという。澤田氏はこの理由について、「75mmでも強度的に問題はないし、効率が良いのも利点。逆に25cmのユニットで100mm口径のボイスコイルを用いるとダンパー幅がとれず、ストロークが得にくい」と説明している。
■細かな改善が加えられたFSTミッドレンジユニット
なお、FSTミッドレンジユニットは従来通り振動板にケブラーファイバーコーンを採用。ディブ博士によると、「B&Wは1974年にケブラーコーンを使って以来、採用し続けている。ミッドレンジはいまでもケブラーがベストと判断している」という。
ただし細かな点には改善が加えられている。まず、磁気回路のボトムヨークは、これまでのようにパーツを組み合わせるのではなく、本シリーズでは鍛造によって一体成型で作っているという。これにより分子が同じ方向に並び、音質にも良い影響を与えるという。
そのほか、デザインで印象的なエスカッションリングを乗せる段差を作るため、ユニットのフレームは新規に起こした。さらにフェーズプラグもブラックからアルミカラーに色を変更し、よりスタイリッシュに仕上げたという。
■クロスオーバーやターミナルも音質を追求
またクロスオーバーについても、基本的な構成は変わっていないが、高品位なパーツを採用して品位を高めた。具体的には、トゥイーター用のコンデンサーに、独ムンドルフの「M-CAP Supreme Silver/gold/oil」を採用。市販価格は25,000円以上という高級品で、内部にオイルダンパーを設けることで適度なダンピングが加わり、微細な振動を抑えているという。ほかにミッドレンジとウーファーについては、最高品位のoilバージョンではないものの、その下のグレードのものを採用しているという。
ターミナルとリンクケーブルにも変更が加えられた。従来の800シリーズでは、ターミナルにWBT製の真鍮のものを使っていた。800 Series Diamondでは、真鍮より導電性能が優れたものを作ろうと、独自設計のOFC削り出しターミナルを開発し、採用した。ターミナルと内部配線の接続もハンダでなく圧着を使ったという。そのほか、リンクケーブル端子にもOFCを採用している。
外観では、これまでのブラックアッシュに代えてピアノブラック仕様を導入したことが最大の変更点。またユニットの周りにシルバーリングをあしらい、新しいイメージを演出している。サランネットは、形状は従来と同様だが、取り付けはCMシリーズなどと同じマグネットキャッチ式に変更された。なお、澤田氏によると、新モデルではグリルのあり/なしによる音質の差が、従来モデルより格段に大きいという。このため、B&Wでは「グリルを外して聴いて欲しい」とアドバイスしているとのことだ。
■800 Series Diamondに最適なサブウーファー
「DB1」は、300mm径のロングスロー・コーンウーファーを2基搭載したアクティブ型サブウーファー。アンプ出力は1,000W。音場補正機能やグライコ、5つのプリセットなどの機能も搭載している。本体色はブラックのみ。
■「800シリーズの最終版で市場に喝を入れる」
本日行われた発表会では冒頭、マランツ コンシューマー マーケティング 代表取締役の高山敬史氏が挨拶した。
同氏は初めに、同社とB&Wの関わりについて改めて説明。「1993年8月からB&W社の代理店業務を引き継ぎ、同年にノーチラスを発表した。1998年には、今回の新モデルのベースとなるノーチラス800シリーズを発表。これがハイエンドスピーカーのルールブックを塗り替えたと自負している」とし、さらに「2005年にはダイヤモンド・トゥイーターを搭載した800Dシリーズを発表し、これもヒットを記録した。そして今年、800シリーズの最終版とも言える、すべての機種にダイヤモンドトゥイーターを搭載したモデルを登場させる」と述べた。
また同氏はオーディオ機器の市場背景について「リーマンショック以降厳しい」としながらも、「同時に『節約疲れ』という言葉もちらほら聞かれるようになってきた」と述べ、同社の直近の状況を紹介した。
「今年1〜2月の前年同期比は、出荷個数は93%と減ったものの、収入は103%と増えた。つまり平均出荷単価が上がっているということだ。また、旧800シリーズは高額製品ながら、カスタムインスタレーション向けの予約も含め、すでに完売状態だ」と高山氏は述べ、「さらにプリメインアンプのフラグシップ機「PM-11S2」で見ても、2009年10月から今年2月までの売上げ前年同期比が112%と伸びている」とし、「趣味製品については『欲しいものは絶対欲しい』という考えが出てきたのではないか」と推測した。
このような状況のもと、同社では800 Series Diamondに大きな期待をかけ、拡販に力を入れていく。「B&Wは世界のハイエンドスピーカーで首位の座を維持しており、30%のシェアを持っている。主要単品コンポのなかで最大市場であるスピーカーで、市場全体に喝を入れる」とした。
また同社では、マランツとB&W、オーディオクエスト製品で構成したシステム提案「Music Dialog」についても引き続き注力。ラインナップを6種類用意するほか、カタログも2種類を制作する予定という。「システム訴求による新規ユーザー獲得、高付加価値訴求を図っていきたい」(高山氏)。
【問い合わせ先】
(株)マランツ コンシューマー マーケティング
お客様ご相談センター
TEL/03-3719-3481